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2018 AOTULE 学生会議 参加報告

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公開日:2019.05.24

東京工業大学が加盟するアジア・オセアニア工学系トップ大学リーグ(The Asia-Oceania Top University League on Engineering、以下「AOTULE」)は、アジアとオセアニアの13大学からなる連盟です。加盟する大学間の合同ワークショップや、学生・教職員の派遣交流などを通して、工学系の教育研究の質を向上させ、国際意識を養うことが目的です。

AOTULEは年に1度、加盟大学の学生が集まり研究発表を行う「学生会議」を開催しており、2018年度は11月21日から23日にかけて、インド工科大学マドラス校で行われました。東工大からは学士・修士・博士課程の学生計23名が参加し、他の加盟大学からも約20名が参加しました。参加した東工大生に、会議を振り返ってもらいました。

古橋知樹さん

物質理工学院 応用化学系 修士課程1年

2018年11月21日から23日まで、インド工科大学マドラス校(IIT Madras)にて開催された、AOTULE学生会議2018に参加させていただきました。アジア・オセアニア各国から集まった同年代の学生と交流ができる機会はとても貴重であり、この会議は私にとって非常に刺激になりました。インド工科大学で経験した日々についてご報告します。

日本を出発し、7時間のフライトを経てシンガポールでトランジットを行い、そこからさらに4時間半のフライトで、インド工科大学マドラス校のあるチェンナイに到着しました。チェンナイはインドの南部に位置し、世界で2番目に長いと言われているマリーナ・ビーチで有名な都市です。インド工科大学はインド国内に16校ありますが、会場となったマドラス校はインド工科大学の中でも特に優れており、2018年のインド国内の大学ランキングでは総合で第2位、工学では第1位となっています。私は2年前に1度このマドラス校を訪れているので、今回は2度目の訪問でした。

初日はウェルカム・イベントとウェルカム・ディナーで終了し、研究発表は2日目でした。 発表は“Translating ideas for social impact(社会を変える革新的なアイデア)”、“Urban mobility(都市の交通を考える)”、“Smart city(スマート・シティの実現)”の3トピックに分かれ、持ち時間15分でそれぞれ別の会場で行われました。普段の学会発表とは異なり、同じトピックであっても内容がかなり違うため、私は自分の研究内容が聞いている人に伝わるか心配でした。しかし、いざ発表してみると、同じ分野の質問はもちろん、異分野専攻の学生からも質問が来たため、私の研究内容を伝えることができたと感じたと共に、海外の学生の理解力および質問力に感銘を受けました。さらに、異分野からの質問は普段私が気に留めていなかった部分を指摘していたため、私の研究をさらに発展させることにも繋がりました。このような異分野交流というものは、伝え方を工夫しなければならない一方、普段は得られない考えを得ることができる貴重な機会だということを改めて認識することができました。特にこのAOTULE学生会議は専攻だけでなく、文化や生い立ちも異なる学生が集まっているため、日本で行う異分野交流よりももっと様々な意見を得ることができました。

さまざまなスナックの並んだカウンター
さまざまなスナックの並んだカウンター

ミルクと砂糖のたっぷり入ったマサラティーを飲みながら
ミルクと砂糖のたっぷり入ったマサラティーを飲みながら

研究発表の他に私が感銘を受けたのはティー・ブレイクです。このAOTULE学生会議のプログラムには頻繁にティー・ブレイクがありました。初日のウェルカム・イベントの前、発表の休憩時間、発表後など。さらにこのティー・ブレイクではお茶だけではなくお菓子や食事も普通に出ます。もちろん、ティー・ブレイクとは別に朝食、昼食、夕食はあるので、最初にプログラムを見た時は、なぜこんなにもティー・ブレイクがあるのだろうと不思議でなりませんでした。しかし、初日のティー・ブレイクの時間にその意味が分かりました。他の大学から来ている学生がいたので、なんとなく話しかけてみました。すると、その学生の研究内容と私の研究内容が偶然にも近かったのもあり、時間を忘れて研究内容のディスカッションをしていました。さらに他の学生も交えて、研究だけではなく文化や考え方の話などもでき、会話はどんどん膨らんでいきました。そうしているうちにいつの間にかティー・ブレイクは終わってしまい、次のプログラムへの移動となりました。他のティー・ブレイクでも色々な学生と会話ができ、初めは疑問だったティー・ブレイクも、終わってみればとても充実した時間となっていました。異分野交流には研究発表のような意見を言う場も大切です。しかし、このティー・ブレイクのような他愛もない会話ができる時間というのも実は大切であり、貴重な時間であると感じたことは、私にとって新たな気づきでした。

上記のような学生間の交流の他に、チェンナイの街並みを見る機会もありましたので、そちらについても紹介させていただきます。まず、大学構内や街中にはたくさんの動物がいました。3日目に大学構内のラボツアーをしている最中には鹿が歩いていたり、シティ・ツアーで街に出てみると日本でいう猫と同じくらいの感覚で牛が歩いていたりしました。また、大学構内や街にあるお寺にも行きました。そこで気がついたことは、日本ではシヴァやガネーシャなどの神様のことを勉強する機会が少ないということです。インドネシア出身の学生に聞いてみると、小学校や中学校で勉強したと言いましたが、日本ではほとんど出てきません。こういった場面でも教育制度の違いが見られているため、異文化交流をするためにも、最低限は知っておいた方が良いと感じました。

チェンナイのシティ・ツアー

チェンナイのシティ・ツアー

AOTULE学生会議2018を通して、伝え方を工夫すること、自分とは違った観点からの意見をもらうこと、自由な会話をすること、最低限の知識を持っておくことが異分野・異文化交流において大切であることが分かりました。これからの時代、グローバル化はますます進み、異分野・異文化交流は当たり前になることが予想されます。そんな時代の中では、世界の常識を加味した上で日本人の良いところをどう生かすかということが大切になってくると思います。今回得られた経験は私にとって、世界の常識を感じるとともに、日本人として何ができるかを考えさせてくれる、非常に充実したものでした。

お問い合わせ先

工系国際連携室

E-mail : ko.intl@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3859

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