東工大ニュース
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工学院 電気電子系の岡田健一教授が、第18回ドコモ・モバイル・サイエンス賞 先端技術部門を受賞しました。ドコモ・モバイル・サイエンス賞は、NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンドが2002年に創設した賞で、情報通信技術および移動通信技術の発展と、次代を切り開く意欲的な若手研究者の育成に寄与することを目的に、優れた業績を挙げた研究者に対し与えられます。授賞式は、10月18日にANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)にて行われました。
受賞テーマ
CMOS集積回路による超高速ミリ波無線機の研究開発
受賞理由
岡田教授は、従来CMOS回路の無線機の未踏領域であったミリ波帯において、世界初のダイレクトコンバージョン方式により16 QAMの無線通信を実現した後、64 QAMによる50 Gbpsへと高速化を実現させました。さらに70-105GHz帯において世界最高伝送速度となる120 Gbpsを達成しました。
モバイル端末等の急速な普及により、無線通信は現代社会を支える根幹技術の一つとなっています。岡田教授の研究業績は、高周波数帯を用いた無線機における、超高速伝送のみならず、小型化・低消費電力化にも大きく寄与し、5G無線技術の実現ならびにBeyond 5Gへの貢献が期待されます。
今回の受賞を受けて、岡田教授は以下のようにコメントしています。
ミリ波による無線通信は、今後の社会インフラを支えるために必要不可欠な技術として期待されています。本賞で評価して頂いた研究成果はそのようなミリ波無線機による超高速無線通信をスマートフォン等で利用可能とするための技術です。現在、共同研究企業と実用化への研究開発に邁進しております。また、本賞で評価して頂いた成果は独力では成し得なかったものです。共同研究者の皆様や学生の皆様に大変感謝しています。