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大都市でのドローン飛行で都市気象情報の有効性を検証

新宿でのドローン飛行実証実験に超高解像度「都市乱流予測」を提供

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公開日:2019.12.18

東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系の神田学教授と、一般財団法人 日本気象協会(以下「日本気象協会」)、国立研究開発法人 防災科学技術研究所(以下「防災科研」)は、「都市気象情報プラットフォームの研究開発※1」で試作した超高解像度「都市乱流予測」を新宿でのドローン飛行実証実験に提供し、その有効性を検証しました。

超高層ビル街区を含む大都市でのドローンの安全飛行を目的とした、超高解像度「都市乱流予測」の活用は、国内で初めての取り組みです。(日本気象協会調べ)

実証実験の写真風景
実証実験の写真風景

超高解像度「都市乱流予測」の画面
超高解像度「都市乱流予測」の画面

(2019年11月25日予備実証実験にて撮影)

日本気象協会、防災科研、東京工業大学の三者はJST未来社会創造事業での研究開発として、「都市気象情報プラットフォームの研究開発」を共同で実施しています。

この研究開発では、超高層ビル街区の気象予測の実現と有効利用を目指しており、都市気象情報のひとつとして超高解像度「都市乱流予測」の開発を進めています。

このたび、本研究開発の一環として、「チーム・新宿※2」による「新宿区災害対策本部訓練との連携によるドローンを活用した超高層ビル街複数拠点での災害対応実証実験※3」にて、試作中の超高解像度「都市乱流予測」の試験提供を実施しました。

今回提供した超高解像度「都市乱流予測」は、新宿西口エリアを対象とした2mメッシュ、5分間隔の情報で、超高層ビル街区を含む大都市特有のビル風や強風、ビルによる乱流などを予測します。

チーム・新宿による実証実験では、これらの予測情報を、ドローン飛行の実施判断や安全監視に活用いただきました。これにより、都市気象情報は大都市でのドローンの安全飛行に十分に活用できること、また、情報の有効性を確認・検証することができました。

これらの情報は試作段階であり、予測の精度向上などのさまざまな課題を解決していく必要があります。今後、これらの課題解決に向けて、日本気象協会、防災科研、東京工業大学は、「都市気象情報プラットフォームの研究開発」を進めていきます。

研究開発の背景と概要

Society5.0※4で提唱された未来社会では、ドローンに代表されるロボットの利用や自動走行技術の活躍が期待されており、特に人やモノが集中する都市部で実現されれば、経済的、社会的に大きな効果が見込まれます。

一方で、これらの新しいロボットや技術は、強風によるドローンの墜落、熱や雨によるセンサーの性能低下など、気象の影響を受けることが知られています。こうしたロボットや技術が大都市でも最大限に活躍するためには、超高層ビル街区による複雑な気流、都市部の暑熱環境や局地的な大雨などを的確に捉えることが重要です。

そこで、本研究開発では、大都市特有の気象現象を観測、解析、予測する技術を開発し、これらの都市気象情報を一元的に提供可能な「都市気象情報プラットフォーム」の実現を目指しています。

さらに、「都市気象情報プラットフォーム」はドローン分野での活用に限らず、日射量や風速に依存する太陽光発電や風力発電などのエネルギー分野や、大雨や強風に影響される都市の物流や防災分野での活用も見込まれます。日本気象協会、防災科研、東京工業大学は、さまざまな社会システムとの連携を実現する「都市気象情報プラットフォームの研究開発」を通して、超スマート未来社会の創造に貢献します。

研究開発の体制

機関名
担当する研究開発項目
(研究開発代表者グループ)日本気象協会
都市気象情報プラットフォームの全体検討
(共同研究グループ)防災科研
都市気象観測及び客観解析の研究
(共同研究グループ)東京工業大学
都市気象予測技術の研究

※1 「都市気象情報プラットフォームの研究開発」は、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業「超スマート社会の実現」領域にて実施している研究開発課題です。

※2 チーム・新宿。実証実験主体である「チーム・新宿」は、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、SOMPO リスクマネジメント株式会社、工学院大学、株式会社理経、新宿区危機管理担当部をメンバーとする、新宿駅周辺地域の有志のメンバーです。

※3 【12/13 実施】新宿区災害対策本部訓練との連携によるドローンを活用した超高層ビル街複数拠点での災害対応実証実験を実施しました。

※4 Society5.0は、情報社会(Society4.0)に続く未来社会の姿として、政府の第5期科学技術基本計画で提唱された未来社会の姿のことです。

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