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海外の大学院生を招き「地球生命の進化 ウィンタースクール2019」を開催

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公開日:2020.01.09

東京工業大学の理学院 地球惑星科学系(EPS)と地球生命研究所(ELSI)は、世界トップレベルの大学院生を海外から招いて「地球生命の進化 ウィンタースクール 2019」(Winter School on Evolution of Earth & Life、EEL 2019)を12月2日から6日まで実施しました。

2019年6月、ウェブサイトで参加学生の国際公募を行い、カリフォルニア工科大学、マサチューセッツ工科大学、オーストラリア国立大学など世界のトップ大学をはじめとして計20か国、60余名の応募がありました。この中から最終的に15名の学生を選抜しました。いずれの学生もモチベーションが高く、推薦書を見てもトップレベルの優秀な学生です。これら海外招聘学生に理学院の集中講義である「理学特別国際実習outer」受講者の東工大大学院生5名を加え、計20名が1週間寝食をともにする合宿形式でウィンタースクールを行いました。英語でのコミュニケーションが不慣れな日本人学生も、1週間後には積極的に英語で会話する姿勢が見られました。東工大学生の英語力向上も、こうした集中講義の目的の一つです。

世界各国から優秀な学生が集合

世界各国から優秀な学生が集合

初日と2日目には丹沢山地(神奈川県)において日本独特の地質を学ぶための「巡検」を行いました。日本列島はプレート収束境界に位置しており、プレートの沈み込みに伴う地質現象を理解するには最適の場所です。特に丹沢山地は海洋プレート上にある伊豆小笠原諸島が本州に衝突するプレート境界にあたっており、地球の進化、とりわけ大陸地殻の形成とその進化過程を学習するのにうってつけの場所です。参加学生の関心は高く、活発な議論を現地で行いながら、日本でしか見られない地質学を堪能した様子でした。

丹沢山地での巡検
丹沢山地での巡検

フィリピン海プレートと北米プレートの境界に集合
フィリピン海プレートと北米プレートの境界に集合

3日目からは外部講師の招待講演や、5つのグループに分かれた演習を行いました。東京大学 大学院理学系研究科の橘省吾教授が「はやぶさ1・2」などの日本の宇宙探査ミッションについて、また、東京大学 大学院総合文化研究科の磯崎行雄教授は日本の地質からみた生命進化について講演しました。海外学生から活発な質問があり、刺激をうけた様子でした。

橘教授による招待講演
橘教授による招待講演

磯崎教授による招待講演
磯崎教授による招待講演

リサーチプロジェクトでは(1)微生物学(Microbiology)、(2)生物地球化学(Biogeochemistry)、(3)地球内部(Earth's Interior)、(4)宇宙化学(Cosmochemistry)、(5)惑星形成(Planet Formation)の5つのグループに分かれ、3日間の実験・実習を行いました。それぞれのグループでは海外の学生と東工大学生がペアになり、理学院 地球惑星科学系及び地球生命研究所教員の指導の下に、課題に取り組みました。最終日には発表会を行い、力作のプレゼンテーションが報告されました。数日間で質の高いデータを集めた出来栄えに驚く教員もいました。1週間という短期間でしたが、海外学生の理解力が高く、想定した以上のペースで演習が進みました。

  • 発表会でのプレゼンテーション
  • 発表会でのプレゼンテーション
  • 発表会でのプレゼンテーション

発表会でのプレゼンテーション

今回のウィンタースクールを通して、東工大で学びたいと真剣に考えている優秀な学生が世界には多くいることが分かりました。今後も世界から優秀な学生が集まる先端研究の推進に取り組んでいきます。

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