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齋藤憲司教授が日本学生相談学会の2019年度学会賞を受賞

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公開日:2020.07.20

日本学生相談学会は2019年度の学会賞を東京工業大学保健管理センターの齋藤憲司教授に授与すると発表しました。5月17日、オンライン開催された日本学生相談学会第38回大会総会で決定しました。学会賞は学会の発展・質の向上に顕著な功績を残した会員に授与されます。

日本学生相談学会によると、同学会は、全国の大学及びその他の高等教育機関の学生相談機関等に所属しているカウンセラー、アドバイザー、教職員など、学生の援助活動を行っている実践者・研究者の学会です。前身である学生相談研究会は1955年に結成され、1987年、日本学生相談学会が設立され、学術研究団体として認定されました。

齋藤教授が所属する保健管理センターは、医師、カウンセラー、保健師、看護師、薬剤師の専門職が学生・教職員の健康サポートを行っています。齋藤教授は、カウンセラーとして学生・教職員のこころの相談・カウンセリングを行うことに加えて、学生の講義や教職員への研修を通してこころの健康についてレクチャーしています。

齋藤憲司教授の受賞コメント

齋藤憲司教授

この度、日本学生相談学会より学会賞を受賞しましたことを本欄にて報告させていただくことは、喜びとともに少々気恥ずかしさを伴うものでもあります。理工系の各専門領域において世界に誇る研究成果を産出してこられた先生方の受賞記事に並ぶのはなんとも恐縮なのですが、カウンセラーとして、教員かつ研究者として貢献しようとしてきた一端を記させていただければと思います。
日本学生相談学会は心理学領域の研究を推進する学術団体であるとともに、大学等の高等教育機関においてカウンセリングや学生支援に従事する教職員の力量向上と相互支援という職能的な側面も有しており、個人会員約1,400名、機関会員約300団体を数える学会です。私は事務局長2期6年・理事長代行2回・理事長2期6年と昨年度まで計12年にわたって本学会の運営に従事し、我が国の学生相談の研究と実践を統括する立場にありました。それは必然的に「東工大の学生相談・学生支援」を1つのモデルとして全国に提示していく側面を有していたと言って良いかと思います。受賞理由として「教職員とカウンセラーが連携と恊働によって実現する新たな学生相談モデルの構築」と示されています。すなわち、学生の皆さんを支え育てていくために個別の相談対応の集積と、そこから紡ぎ出される数々の施策・活動をTeam東工大として形成してきたことが評価されたことになります。「学生相談・学生支援においてもトップクラス」の東工大を目指して、構成員の皆さまとともに努力を重ねてきたことが実を結びつつあるのだとすれば、何よりも嬉しいことと感じられてきます。
受賞理由には「著作や講演を通して後進の育成に貢献」とも記されています。この春に、学生の皆さんに向けた書籍※1と教職員の方々に向けた書籍※2を出版し、さらに本賞の受賞が続いて、何か区切りが着いたような気持ちになりがちなのですが、「臨床—研究—教育—社会貢献」というサイクルを描く学生支援における「東工大スタイルの確立」をさらに進め、まさに今、新型コロナウイルス感染症の影響で苦労を重ねている学生・教職員の皆様をサポートしていくべく、さらなる相談・支援活動を検討・展開していかなくてはと念じています。

※1
『大学生のストレスマネジメント—自助の力と援助の力—』齋藤憲司・石垣琢麿・高野明(著)有斐閣 2020.4.10刊
※2
『学生相談ハンドブック:新訂版』日本学生相談学会(編)・齋藤憲司・高石恭子・早坂浩志・高野明(編集幹事)学苑社 2020.5.10刊

お問い合わせ先

総務部 広報・社会連携課

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

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