東工大ニュース
東工大ニュース
公開日:2020.09.24
科学技術の進展に伴い、研究分野の細分化が進んでいます。そのような中、研究成果を社会課題の解決に生かすには、基礎研究から応用研究にいたるまで、異なる分野を専門とする多くの研究者の力を結集する「異分野融合研究」の重要性が増しています。
東京工業大学は理工系総合大学として、多分野の研究が行われています。この多様性を生かし、分野を横断した融合研究に日々、取り組んでいます。異なる技術や手法を組み合わせるハイブリッドな研究により、既知の学問を超えた革新的な知見・知識の創出を目指し、社会に提供します。
東工大の異分野融合研究は次々に成果をあげています。「超高層建築」と「パーキンソン病」の二つの分野について、最前線の研究者が基礎から応用までの連携をわかりやすく解説する動画を2本公開しました。
大地震時に超高層建築物の倒壊が免れても、室内空間が維持できなければ生活していくことはできません。超高層ビルで働く人や生活する人の安心をどうすれば守れるか。建築構造学だけでなく心理学の知見も組み合わせれば、人々の不安解消につながる結果を生み出せます。東工大では建築、電気電子、リベラルアーツの異分野融合により、地震後も継続して住み続けられる建物について研究が進められています。
吉敷祥一准教授(科学技術創成研究院未来産業技術研究所)と永岑光恵准教授(リベラルアーツ研究教育院)が説明します。
パーキンソン病は神経細胞が変性することで、運動機能に障害が現れる難病です。東工大の材料、超感度センサ、計測・診断の研究者、さらに東海大学医学部、東工大発ベンチャーのWALK-MATE LAB(ウォークメイト・ラボ)が協力し、パーキンソン病の超早期診断技術、リハビリ支援技術の研究・開発に取り組んでいます。
研究チームはすでに、感度の高い加速度センサを開発し、パーキンソン病患者の歩き方を計測しています。この研究により早期発見が可能となります。また、患者さんは筋力があってもリズムがとれないため、歩くのが難しくなります。そこで、リズムをアシストし歩行を助けるロボットを開発しました。患者さんがこのロボットを身につけて歩くと症状が改善しました。
三宅美博教授(情報理工学院 情報工学系)が動画を紹介しながら、早期診断システムや介助技術について成果を語ります。
東工大全学サイトではさまざまな研究成果を紹介しています。今後も積極的に発信していきます。