東工大ニュース
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東京工業大学 情報理工学院 情報工学系の関嶋政和准教授が経済産業省の令和2年度「情報化促進貢献個人等表彰」経済産業大臣賞を受賞しました。表彰式は11月30日に経済産業省で行われました。
受賞対象業績(経済産業省の発表)
創薬基盤「VisINet」の構築及び新型コロナウイルスのファーマコフォアの構築
創薬標的蛋白質の阻害化合物探索において、従来行われてきたシミュレーションに機械学習を融合した「VisINet」を創薬基盤として構築することで従来の創薬手法に比べて大幅な効率化を実現した。
また、新型コロナウイルス感染症について、薬候補化合物が満たすべき特徴を表現するファーマコフォアを構築し、そのファーマコフォアが実際に薬候補化合物を検出可能であることの論文掲載を行うことで、情報技術を用いた治療薬探索に大きな貢献を果たした。
経済産業省によると、本表彰は、経済社会の情報化の促進に貢献したと認められる個人、企業等を表彰することにより、国民の情報化に対する認識を高めるとともに国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものです。
高度な情報処理技術の研究・開発、高度IT人材の育成、ITの活用が遅れている企業へのIT活用の導入、情報処理の安全の確保等について、先導的役割を果たし、又は顕著な成果をあげたと認められる個人・企業等を表彰します。
1972年から実施し、本年度で49回目となります。
個人部門は関嶋准教授の1件のみで、ほかに企業等部門が4件表彰されました。
なお、本年度は新型コロナウイルス感染症への対応を含む次の4つのテーマが重要政策分野として指定されました。
この度は、栄誉ある令和2年度「情報化促進貢献個人等表彰」経済産業大臣賞を賜り誠に光栄に存じます。これまで一緒に研究を行ってきた学生の皆さんや共同研究者の方々に厚く御礼を申し上げます。
本受賞に繋がった研究テーマは、一つの薬を市販化するために26億ドルの費用と10年以上もの期間がかかる創薬の研究開発において、情報技術を用いることで効率化を目指したものです。我々の身の回りには、現在も問題となっている新型コロナウイルス感染症だけでなく、「アンメットメディカルニーズ」と呼ばれるいまだに治療法が見つかっていない疾患に対しての医療ニーズが数多く存在しており、このようなニーズに応えていくためには、一層の情報技術の活用が不可欠であると考えております。
今回の受賞を励みに、アンメットメディカルニーズに応えられるよう、今後も情報技術の研究・開発に懸命に取り組んでゆく所存です。