東工大ニュース

学生のアイデアでTaki Plazaを活用

学生ワークショップ「東工大グランプリ2」開催

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公開日:2021.01.29

東京工業大学大岡山キャンパスの新たなシンボルとなる国際交流施設Hisao & Hiroko Taki Plaza(ヒサオ・アンド・ヒロコ・タキ・プラザ、以下Taki Plaza)。東工大は竣工記念式典を前に、10月21日と同28日、建物の使い方を学生が考える2回目のワークショップ「東工大グランプリ2」を行いました。留学生15名、日本人学生15名の計30名が6グループに分かれ、学生にとって使いやすい利用方法のアイデアを話し合いました。ユニークな提案の数々は、2021年4月にグランドオープンするTaki Plazaの運営に反映できるよう、学生の間でさらに検討を進めています。

活用法をゼロから考えるワークショップ

Taki Plazaは「外国人学生と日本人学生がここで出会い、絆を深め、共にまだ見ぬ未来を生み出そう」のコンセプトのもと、日本人学生と留学生が共に交流できる施設です。東工大卒業生で株式会社ぐるなび取締役会長・創業者の滝久雄氏の寄附により建築され、11月13日に大岡山キャンパスの正門を入った場所に竣工したばかりです。ユニークな建物の設計は隈研吾建築都市設計事務所が担当しました。

Taki Plazaのコンセプトでは外国人学生と日本人学生が利用者の中心と位置付けられました。「東工大グランプリ」はその外国人学生と日本人学生が議論し、施設の活用方法をゼロから考えるワークショップです。第1回は2018年10月に行いました。それから2年たち、ほぼ完成したTaki Plazaを目の前に見ながら百年記念館で第2回を開きました。

今回のテーマは「React Pitch Act」(リアクト・ピッチ・アクト)。留学生と日本人学生が互いに干渉し合い、アイデアを投げかけ、表現する。グランプリが終わった後も、そのアイデアをTaki Plazaに活用していく狙いがあります。

完成間近のTaki Plaza

完成間近のTaki Plaza

「お題」から生まれたアイデアを発表

6グループに分かれた学生たちは、1日目の10月21日、アイデアの原点となる「お題」をくじで引き、そこから生まれるアイデアを自由に投げかけあいました。2日目の10月28日には、議論をさらに深め、グループごとにプレゼンテーションをまとめ発表しました。この「お題」は、前回の「東工大グランプリ」開催後に発足したTaki Plaza Gardener(タキプラザ・ガーデナー、Taki Plazaを運営する学生団体 以下、TPG) が考えたものです。どの「お題」もTaki Plazaのコンセプトに沿い、どうすれば学生にとって使いやすい建物にできるかを話し合い、実現に向けたアイデアが生まれるための種として用意しました。

グループに分かれたディスカッション(Dグループ)
グループに分かれたディスカッション(Dグループ)

グループに分かれたディスカッション(Bグループ)
グループに分かれたディスカッション(Bグループ)

2日目のプレゼンテーションには、滝会長をはじめ、本学の益一哉学長、水本哲弥理事・副学長(教育担当)、設計に携わった隈研吾建築都市設計事務所の方々も参加しました。プレゼンテーションは英語のみで行いました。

プレゼンテーションを発表するEグループのFabiano Almeida(ファビアノ・アルメイダ)さん(環境・社会理工学院 学士課程1年)
プレゼンテーションを発表するEグループのFabiano Almeida(ファビアノ・アルメイダ)さん(環境・社会理工学院 学士課程1年)

プレゼンテーションを発表するDグループのSaw Kay Khine Oo(ソ・ケ・カイン・ウー)さん(工学院 学士課程1年)
プレゼンテーションを発表するDグループのSaw Kay Khine Oo(ソ・ケ・カイン・ウー)さん(工学院 学士課程1年)

2日目のプレゼンテーション

2日目のプレゼンテーション

さらにグループ発表の終わりには時間いっぱいまで質問が飛び交い、学生にとって充実した発表会となりました。それぞれの発表は株式会社ぐるなび、隈研吾建築都市設計事務所、本学教職員、TPGの学生によって審査されました。6グループの中でも特に実現性・奇抜性などで優秀なアイデアだと評価された4グループを表彰し、記念品を贈りました。

TPGリーダーからTPG賞を贈られるCグループ
TPGリーダーからTPG賞を贈られるCグループ

特にCグループは日本の「花金(花の金曜日)」の文化に着目しました。毎週金曜日の授業や研究室が終わったあと、夜の時間帯に学生がTaki Plazaに集まり、「その週の国」に関するゲームや食事などを楽しむ「Taki Bar(タキ・バー)」の企画を提案しました。Taki BarではTaki Plazaの各フロアの特徴もうまく活かします。このアイデアはTPG賞に選ばれ、TPG内で実現に向け本格的に検討されています。

その他のチームも、お題に対し、Taki Plazaでの具体的な運用を考慮した以下のようなアイデアを提示しました。

6つの「お題」とTaki Plazaへの提案

 
お題
提案内容
Aグループ
今あるTaki Plazaの中のスぺースに新たに一手間加えるとしたらどのようなスぺースをどのフロアに導入しますか。既存のフロアマップやコンセプトをふまえて新たな機能を1つ提案してください
「みんなの掲示板」を設置する。現在の東工大内の情報共有は、学内の紙の掲示板のほかSNSなどに頼られている。逆にSNSでできる投票や質問箱、団体のメンバー募集や知恵袋などをTaki Plazaで新たな掲示板の機能として追加することでソーシャルネットワークのような広い学生間の繋がりを構築するように設計。
Bグループ
Taki Plazaがただ居心地のいいくつろぎの場所にならないためにはどうすればよいか、各階のコンセプトに沿った上手い利用方法や制度を1つ提案してください
それぞれのフロアの居心地が良さそうな箇所を具体的にピックアップし解決案を提案。例えば漫画が置いてある国際交流スペースでは積極的な交流のあるゲーム、研究イベントを開催し、畳エリアでも日本の茶文化を伝えるイベントなども開催していく提案。
Cグループ
(TPG賞)
(ぐるなび賞〔佳作〕)
研究室内や留学生のコミュニティに限られている大学院生の、日本人と留学生の間での新たな交流を活性化するためのアイデアをTaki Plazaを使って自由に1つ提案してください
研究室所属の学生でも参加しやすいであろう金曜日の夜に、「その週の国」の食事やゲームなどを楽しむことができる「Taki Bar」の提案。日本特有の花金の文化を活用し、ワークショップや本格的な対話でなく、留学生と自然な交流ができるように設計。
Dグループ
(東工大賞)
日本人学生と留学生にTaki Plazaについて少しでも多くの興味を持ってもらうための提案を1つ自由にしてください
Taki Plazaで、まるで世界を旅行しているような気分になれる空間を創出する。海外のカードゲームや料理、映画を観ることで留学生も楽しめる内容にする。さらに日本のお土産として自分の国に持ち帰ることのできるようなコースターを作るイベントの提案。
Eグループ
(ぐるなび賞)
Taki Plazaが2021年の春にオープンしてから、国際交流にあまり馴染みのない東工大生が積極的に利用できる施設にするための工夫を自由に1つ提案してください
「国際的」という名前を掲げても現実的には東工大生は集まろうとしないことを予想。蔵前工業会(同窓会組織)主催イベントのTaki Plazaでの開催、Taki Plaza内での学内アルバイトの実施、また、ランチに机を1つだけ設置するなど、東工大生の特徴を踏まえた案を並べた。
Fグループ
(隈研吾建築都市設計事務所賞)
言語によらず交流が深められるようなTaki Plazaで行えるイベントをフロアの図を使って1つ設計してください
言語によらずとも、「出会い」と「交流の機会」があれば、人と人との友情が芽生え、関係が深まると予想。その目的に「クーポン」を活用する。初めは参加しやすいゲームイベントなどを通してコーヒーチケットなどのクーポンをもらう。そのクーポンを留学生とペアで使えるようにし、自分たちの時間の中で関係を深める機会が生まれるような工夫を提案。

新型コロナウイルスの影響で人と人との対面がなかなかできない中、学生の笑顔が絶えない2日間となりました。ワークショップ終了後、Taki Plazaに興味を持ち、TPGに参加を決めた留学生や日本人学生もいました。完成したTaki Plazaでは留学生と日本人学生が交流するイベントを開催していきます。

主催者の声や当日の雰囲気は、以下の動画をご覧ください。TPG制作班が撮影・編集しました。

【TPG主催】Taki Plaza 活用検討学生ワークショップ Tokyo Tech Grand Prix 2 開催動画|YouTube (External site)

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E-mail : gak.sie@jim.titech.ac.jp

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