東工大ニュース
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東京工業大学は「科学・技術の力で世界に貢献する人材」を育成する教育プログラム「グローバル理工人育成コース」を2013年度に開設しました。
現在、このコースには、学士課程・修士課程をあわせて約2,200名が所属しています。
コースの所属生と修了生が、グローバル理工人育成コースを通して得た国際的な経験を後輩の所属生たちに伝えるシンポジウム「理工人の未来設計―コース所属生たちのグローバルな活躍」を1月13日に、オンラインにて開催しました。
グローバル理工人育成コースでの科目履修や英語学習、海外での経験がどのように将来計画に繋がっているのか、また現在の活躍にどう生かされたのかについて、コース所属生・修了生の3名が発表しました。
シンポジウムには、学士課程1年次の学生を中心に、230名ほどが参加しました。
新型コロナウイルスの影響で移動が大きく制限される中ではありますが、将来、国際的に活躍するために、今後の学生生活をどう過ごすかを考える良い機会となりました。
「精神的に向上心のないものは…」
オーストラリア超短期派遣に参加後、交換留学生として米国マサチューセッツ工科大学(MIT)への留学を経験しました。5ヵ月間、MITで授業や研究室の研究に参加しました。
後輩へのメッセージ
「最初のころは質問できず、いろいろと失敗をしました。失敗して気づいたことは、誰も自分の失敗なんて気にしていないということです。失敗したら指をさされて笑われる、なんていうことはないのだなと気づけたのが一番自分の中で大きいと思います。自分の好きなこと、やりたいことにどんどん挑戦していこうとポジティブに捉えることができました」
佐藤さんの留学報告
マサチューセッツ工科大学(MIT)での交換留学|グローバル理工人育成コース
「オンリーワン留学のすすめ」
インドのインフラ視察、イギリス超短期派遣を経て、インド長期留学(派遣交換留学、インターンシップ)を経験しました。8ヵ月間インドに滞在し、インド工科大学マドラス校(IITM)での講義履修やインド最大の建設会社L&T社でのインターンなど4つのプログラムを自分で組み立てました。
後輩へのメッセージ
「企業や大学は『結局留学で何を学んだの?』と、帰国後の浮かれた気持ちに冷水を浴びせてきます。世間の言うほど、留学したこと自体では評価されないのです。だからこそ、自分らしい留学とは何か考え、じっくり計画を立てて、『これを学ぶまでオレは、私は日本には帰れない!』くらいのタフさを持って留学してほしいし、そんなオンリーワンの留学が達成できれば、この上ない充実感と経験を得ることができ、誇りを持って今後の人生を歩んでいけると思います」
川島さんの留学報告
オンリーワン留学のすすめ:海外で都市開発を適切に進めるために必要な知識・感覚・思想を養ってから企業で活躍したい|グローバル理工人育成コース
「その意思が、力になる」
フランス超短期派遣、国際学会、韓国科学技術院(KAIST)への研究留学を経てグローバル理工人育成コース上級を修了。修士課程修了後は、東京ガス株式会社に就職し活躍中です。
後輩へのメッセージ
「私の場合は韓国科学技術院(KAIST)での1ヵ月間と短い期間でしたが、それでも異国の地で生活をすることは刺激的で、学びが多い毎日でした。英語力に限らず、国際交流をする中で培った、他者を理解し尊重したうえで協力を進めていく能力は、多様な他者と協力しあう上でも生かしていけると考えています」
コースを通して何を得たか
グローバル理工人育成コースを通して得たものとは?(上級修了者の感想)|グローバル理工人育成コース
3名の講演に共通したメッセージは、留学生とのグループワークや海外での大学紹介など、いろいろな経験を経て徐々に考えを深めることで、長期留学を経験するに至ったこと、そして留学では大きな学びを得て、現在の活躍や自信に繋がっている、ということでした。
「最初は留学に対して積極的ではなかった。英語力も満足ではなかった」という意識が留学に向かって変化していく過程や、語学力の克服経験も含めた発表は、参加者に勇気を与えるものとなりました。
開催後の参加者アンケート結果によると、「講演を聞いて、刺激を受けた」「先輩の話を聞いて、自身も行動を起こそうと思った」とコメントしている参加者が半数を超えています。
また、「将来的に、留学に行きたい」「現在の状況が変わったら留学を考えたい」など、留学に対して意欲を示した参加者は7割以上でした。
グローバル理工人育成コースは、東京工業大学の学士課程・修士課程において「国際基礎力」、「国際実践力」、「国際協働力」を段階的に発展させる国際性涵養に特化した教育カリキュラムです。専門性を基礎としたアイデンティティー・知識・経験・技術力を基軸とし、多様性を理解し、倫理観を持って、グローバル社会の未知な課題に対応できる「科学・技術の力で世界に貢献する人材」を育成することを目的とします。