東工大ニュース
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東京工業大学のリプロ(旧:理工系学生能力発見開発プロジェクト)は学生が主体となり「成長の場の提供」を目的にさまざまなイベントを開催しています。1月27日、第15回特別講義を、学生、教職員および学外の一般の方々を対象にオンラインで開催しました。柳亭こみちさんを講師として招き、「落語家に聞く会話のいろは~おしゃべりだけで生きる極意~」のテーマで講演と落語の披露がありました。
配信会場に設営した高座から落語を披露する、こみちさん
オンラインで開催した特別講義
柳亭こみちさんは、早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、2003年に七代目柳亭燕路に入門、2017年に真打昇進、という経歴の方です。女性落語家はまだ数が少なく、落語協会の女性真打では6人目とのこと。2児の母でもあり、バイタリティあふれるパイオニア的存在です。
特別講義の前半は「講演」として、前座修行時代の裏話、その時の経験から得たコミュニケーションの神髄についてのお話がありました。
後半では2席の落語が披露されました。「東工大」という言葉を含めたり、現代を舞台にした話もあり、参加者にとって親しみやすく面白い内容でした。
質疑応答の時間では多くの質問があり、こみちさんは丁寧に答えました。
修行時代の裏話を話す、こみちさん
特別講義には138名が参加し、落語家が語るコミュニケーションについて関心の高さがうかがえました。終了後に行ったアンケートにも、「楽しかった」という感想が多数寄せられました。
司会を務めた秋澤優希さん
本特別講義は「東工大生のコミュニケーションスキルの向上」と「コロナ禍での笑いの提供」を目的として開催しました。参加者アンケートの結果は非常に好評であり、東工大生のコミュニケーションへの苦手意識を再認識しました。大学の講義でコミュニケーションのスキルを学べる機会は少ないので、東工大生には新鮮でかつニーズの高いテーマを企画できたと思います。
オンラインでの特別講義開催はこれが2回目と、まだまだ経験不足な面がありましたが、大きな問題もなく進められたことも良かったと思います。このような不慣れな中でも計画を立て実行した経験は、今後研究活動などを進めていく際に役立つと考えています。現在オンライン開催でのコミュニケーションに関する特別講義第2弾を企画中です。リプロの企画を通して、東工大生を始めとする皆様方が、互いにより成長していけることを願い、励んでまいります。
学生支援センター未来人材育成部門(旧:自律支援部門)のもとで活動する、主に本学学士課程の学生を対象としたプロジェクトです。本プロジェクトでは「成長の場の提供」を目的に、中高生や本学の学生・教職員、そして地域の方々の視野を広げたり物事への理解を深めたりできるようなイベントを企画運営しています。現在メンバーが取り組んでいるのは、特別講義の開催、シンポジウムの開催、特別企画の開催、国内学会の見学──の4つが中心です。
2020年度はコロナ禍のため活動が制限されていますが、夏には第3回特別企画として田園調布学園中等部の生徒達の「課題研究」をオンラインで手伝い、10月28日には本学の学生・教職員を対象に第14回特別講義「コロナ禍でこころが縮こまっていませんか~臨床心理学でひも解いてみよう~」をオンラインで開催しました。
リプロでは、これらの活動全てを学生主体で行うことにより、創造性、リーダーシップをはじめ、企画力、交渉力、コミュニケーション力といった参加学生の総合的な人間力を養っています。