東工大ニュース
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ゼロカーボン研の新しいロゴ
東京工業大学は6月1日、二酸化炭素(CO2)の環境排出実質ゼロをめざすカーボンニュートラル社会の実現に貢献するゼロカーボンエネルギー研究所(略称「ゼロカーボン研」、ZC)を開設し、6月2日、大岡山キャンパスの研究所前で新しい看板の除幕式を行いました。看板には新たに作成したロゴも刻印されています。
ゼロカーボン研の初代所長に就任した竹下健二教授は研究所ホームページで「ゼロカーボン研の目的は非化石エネルギー(ゼロカーボンエネルギー)とその利用システムの革新的研究開発を行い、カーボンニュートラル社会実現に向けて貢献することです。再生可能エネルギーや原子力エネルギーを活用した炭素循環、カーボンフリーのエネルギーシステムを構築し、環境と調和しかつ経済的な持続可能社会の基盤の創成を目指します」と目的を説明しています。さらに社会の低炭素化のためには、化石燃料から「再生可能エネルギー、原子力エネルギーなどのゼロカーボンエネルギーへの転換が必須です」と指摘。「新生研究所のゴールはゼロカーボンエネルギーを用いた炭素・エネルギーキャリア循環社会の創成です」と述べ、カーボンニュートラル社会に向けた取り組みを推進する方針を明らかにしました。
ゼロカーボン研は、科学技術創成研究院の先導原子力研究所を改組して発足しました。フューチャーエネルギー部門と原子力工学部門の2部門から構成されます。
竹下所長は、フューチャーエネルギー部門について「将来のエネルギーネットワークの構築に必要なゼロカーボンエネルギーに基づくネットゼロ、炭素循環エネルギーシステムを研究し、エネルギー経済学・社会学を活用した経済的かつ安定的なエネルギーシステムの構築を目指します」と述べています。
また原子力工学部門について「旧来の閉じられた原子力村と決別し、ゼロカーボンエネルギー社会の一員として安全性・機動性を追究した小型炉や次世紀の主力電源を目指した核融合炉などの先進原子力システム研究、及び癌治療など高齢化社会の先端医療を支える生命・医療放射線利用研究を中心に進めます」と説明しています。
さらに「福島復興・再生研究ユニット」と「TEPCO廃炉フロンティア技術創成協働研究拠点」の2つの研究組織も継続することを示しました。
東工大は1956年、理工学部附属原子炉研究施設を発足させ、原子力工学やエネルギー研究に取り組んできました。研究施設の名称や体制はこの65年間で何度か変わりましたが、今回のゼロカーボン研開設により新たなスタートを切りました。