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「スピード感ある国立大学の経営改革」を考えるシンポジウム開催

「国立大学経営改革促進事業シンポジウム ~世界最高水準の教育研究の展開へ向けて~」

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公開日:2022.02.17

東京工業大学は11月30日、「国立大学経営改革促進事業シンポジウム ~世界最高水準の教育研究の展開へ向けて~」を、東北大学及び名古屋大学との共催により、文部科学省の後援を受けてオンラインで開催しました。

大学改革に関する文部科学省の重要な政策である「国立大学経営改革促進事業」は、学長のリーダーシップ等による明確な経営改革構想に基づくスピード感ある取り組みに対して集中的・重点的支援を行う事業であり、その成果は広く共有されることが期待されています。

本シンポジウムでは、教育又は科学技術・学術の振興に寄与することを目的とし、先進的な取り組みを進めている大学の学長等を交えたディスカッションや本事業に採択された大学の取り組み紹介が行われ、参加者は500名を超えました。

国立大学経営改革促進事業シンポジウム ~世界最高水準の教育研究の展開へ向けて~

来賓あいさつ/講演

本学益一哉学長のあいさつの後、甘利明衆議院議員、渡海紀三朗衆議院議員、増子宏文部科学省高等教育局長から来賓のあいさつがありました。その中で、国立大学への期待と持続的発展に向けての大学経営、学長のガバナンスの重要性が強調されました。続いて、上山隆大総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)常勤議員が、「国立大学経営改革促進事業の成り立ちと今後の展開」について講演しました。米国の1980年代からのアカデミア改革の事例を背景に、日本の国立大学に求められる経営改革の方向性と、これを後押しする仕組みとしての国立大学経営改革促進事業の位置づけについて、わかりやすい説明がありました。

来賓あいさつをする甘利衆議院議員
来賓あいさつをする甘利衆議院議員

来賓あいさつをする渡海衆議院議員
来賓あいさつをする渡海衆議院議員

来賓あいさつをする増子高等教育局長
来賓あいさつをする増子高等教育局長

講演をする上山CSTI常勤議員
講演をする上山CSTI常勤議員

パネルディスカッション「国立大学法人における経営改革の主眼」

第1部のパネルディスカッションの部では、大野英男東北大学総長、松尾清一東海国立大学機構長・名古屋大学総長、永田恭介筑波大学学長、講演に引き続き上山CSTI常勤議員をパネリストに迎え、「国立大学法人における経営改革の主眼」をテーマとして討論を行いました。

はじめに各大学の取り組みの概要を紹介し、共通項やそれぞれの特色について議論しました。その後、参加者からの質問をきっかけに「大学が社会から変革を求められることを経営層としてどう捉えているか」や「大学における“成長”とは何か」について議論が展開しました。また、「改革を進める上での学内構成員への学長の発信」や「経営人材の育成」の重要性についても論じられました。これらの議論を踏まえて、「大学は教員・研究者が個々の内在的動機に基づいて自由に研究を行い、成果を社会に発信する場。それができるように資源を集め配分を行うのが大学経営陣の責務」であるという点で意見が一致しました。

パネルディスカッション(上段左から 佐藤総括理事・副学長(ファシリテーター)、益学長、大野東北大学総長、 永田筑波大学学長、松尾東海国立大学機構長・名古屋大学総長、上山CSTI常勤議員)

パネルディスカッション(上段左から 佐藤総括理事・副学長(ファシリテーター)、益学長、大野東北大学総長、 永田筑波大学学長、松尾東海国立大学機構長・名古屋大学総長、上山CSTI常勤議員)

国立大学経営改革促進事業採択校による取り組み紹介

第2部の取り組み紹介の部では、「世界最高水準の教育研究の展開が見込まれる国立大学法人」の区分にて、平成30年度、令和元年度に採択された以下の9大学によるそれぞれ特色ある取り組みが紹介されました。

本学からは、経営改革促進事業を背景に実施した取り組みが研究者・学生に与えたインパクト、これらを支える外部資金獲得を強化する取り組み、さらにはこうした資源の戦略的配分の事例について紹介しました。

  • 東北大学 青木孝文(理事・副学長(企画戦略総括、プロボスト、CDO))
  • 東京大学 相原博昭(理事・副学長(経営企画、財務、社会連携・産学官協創))
  • 東海国立大学機構/名古屋大学 杉山直(理事(研究、国際)/副総長(筆頭、統括・研究担当))
  • 京都大学 村中孝史(理事(戦略調整、企画、学生、環境安全保健担当)/ブロボスト 副学長)
  • 九州大学 荒殿誠(理事・副学長・プロボスト)
  • 北海道大学 寳金清博(総長)
  • 東京工業大学 佐藤勲(総括理事・副学長)
  • 大阪大学 金田安史(統括理事・副学長)
  • 筑波大学 勝野頼彦(副学長・理事(財務・施設担当))

(敬称略)
※ 録画による取り組み紹介

閉会のあいさつをする堀野国立大学法人支援課長
閉会のあいさつをする堀野国立大学法人支援課長

シンポジウムの最後には、経営改革促進事業の担当課長でもある堀野晶三文部科学省高等教育局国立大学法人支援課長から閉会のあいさつがありました。堀野課長からは、国立大学経営改革の重要性が再度述べられ、来年度に向けて、こうした情報交換の場が継続することへの期待が寄せられました。

また、参加者のアンケート回答では、「複数の大学の経営層の話を聞くことができる貴重な機会を得られた」「国立大学が“経営”について語ることに時代の移り変わりを感じた」「経営人材の育成や学内構成員の“経営”に対する意識改革が重要であると感じた」など多くの感想が寄せられました。

本シンポジウムの内容の詳細については、後日、東工大戦略的経営オフィス(SMO)ホームページにて公開予定です。

お問い合わせ先

東京工業大学戦略的経営オフィス

E-mail : info@smo.titech.ac.jp

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