東工大ニュース

東工大を含む10大学がシュプリンガーネイチャーとOA論文出版の促進に関する合意書に署名

世界に向けた日本発研究成果のオープン化促進を図る

RSS

公開日:2022.11.21

東京工業大学、東北大学、東京大学、横浜国立大学、福井大学、大阪大学、神戸大学、岡山大学、早稲田大学(以上、研究大学コンソーシアム[用語1]RUC構成機関)、および東京理科大学の10大学の図書館長と、世界最大規模の学術書籍出版社であるシュプリンガーネイチャー(Springer Nature)は、11月7日、論文のオープンアクセス(OA)出版の促進を目的として、2023年1月からジャーナルの「転換契約[用語2]」 に係るパイロットプロジェクトを進めるための合意書に署名しました。

このパイロットプロジェクト(以下「当プロジェクト」)では、OA出版の促進による日本の学術研究のさらなる発展を目指し、以下のような目標を掲げています。

  • 当プロジェクトの参加大学とシュプリンガーネイチャーのパートナーシップにより、日本のオープンサイエンスを推進する
  • 日本の学術研究とその成果の認知度を世界的に向上させる
  • 研究者のOA論文出版のコスト負担を軽減させ、より多くの研究者によるOA出版を可能にする
  • ジャーナル購読にかかる費用を軽減し、シュプリンガーネイチャーの広範な学術ジャーナルへの継続的なアクセスを保証する

この目標のため、シュプリンガーネイチャーは当プロジェクトの参加大学に対して、国際的なシュプリンガーの2,000誌以上のジャーナルにおいて年間で合計約900報のOA出版枠を提供します。これにより、参加大学の研究者から対象ジャーナルでOA出版される論文数が、従来と比べて4倍以上に増加することになります。

当プロジェクトは、日本からの研究成果の国際的なオープン化の促進に向けた重要な一歩となります。各大学からの研究成果がOA論文として即時公開されることで被引用数などの論文指標が高まり、各大学の国際的な評価の向上などに寄与すると期待されます。また、オープン化により世界中の方々からも研究成果にアクセスすることが可能となるなど、オープンサイエンスの進展にも寄与します。

東工大を含む10大学がシュプリンガーネイチャーとOA論文出版の促進に関する合意書に署名

コメント

RUC幹事機関:大学共同利用機関法人自然科学研究機構の小泉周特任教授 コメント

今回、これだけ多くの大学が、世界的な出版大手のシュプリンガーネイチャーと協働し、世界に向けた日本発の研究情報発信のオープン化に取り組むことに合意した意義は大きいと感じています。今後、より多くの大学にこの取り組みに参画してもらえるよう努力したいと思います。

東京大学副学長、同附属図書館長の坂井修一教授 コメント

日本の研究の国際発信力の低下が指摘される昨今ですが、論文のOA出版に関するこの合意によって、世界中の誰の目にも触れる形で研究成果を示し、私どもの知の産物を広く周知・展開できるようになります。本学においても、この実践が最先端分野のトップ研究者の育成や多様な学術の振興を導くことを強く期待しています。

シュプリンガーネイチャーのキャロリン・オナー(Carolyn Honour)チーフ・コマーシャル・オフィサー コメント

権威ある日本の大学の研究論文発信のOA化の促進に対し、当社が支援させていただきますことを大変うれしく思っています。日本の研究コミュニティのニーズを充分考慮して構成された世界的にも先駆的な合意により、それぞれの大学の研究者は、確実にOAの恩恵を享受することとなり、彼らの研究のグローバルな認知度を高めることができると信じています。

用語説明

[用語1] 研究大学コンソーシアム(RUC:Research University Consortium) : 日本の研究の現況において、トップ層だけでない研究大学群としての層の厚みを増し、「知の集積」を強化することが喫緊の課題となっています。そのような現況において、研究力強化に取り組む大学及び大学共同利用機関法人がコンソーシアムを形成し、各大学等における先導的取り組みや課題の発信・共有によりネットワーク化を推進すること、それらを全国的に普及・定着することを目指して、研究大学コンソーシアム(RUC)が設立されました。2017年8月4日の第1回全体会議の開催を以て発足以来、研究力分析や国際情報発信、分野融合の課題に優先的に取り組んでおり、研究力強化の方策・体制の整備等に関する共通の課題について、必要に応じて文部科学省関係部局を交えた俯瞰的な討議を行っています。
2022年11月現在、RUCは36の大学等機関で構成されています。

[用語2] 転換契約 : 一般的には、論文の閲覧のために大学等が出版社に対して支払う費用を、論文出版のための費用(論文掲載料)へと段階的に転換させ、それによって論文のOA出版の拡大を目指す契約のことを指します。

研究大学コンソーシアム(RUC)および本パイロットプロジェクトに関するお問い合わせ先

自然科学研究機構 研究力強化推進本部

特任教授(統括URA) 小泉周

Email nins-ura-jimu@nins.jp
Tel 03-5425-1301

本プレスリリースおよび提供サービスに関するお問い合わせ先

シュプリンガーネイチャー

コーポレート・アフェアーズ 三木 律子

Email ritsuko.miki@springernature.com

本プレスリリースに関するお問い合わせ先

東北大学 附属図書館総務課

Email lib-som@grp.tohoku.ac.jp
Tel 022-795-5911

東京大学 附属図書館情報管理課

Email oapub-info@lib.u-tokyo.ac.jp
Tel 03-5841-2630

東京工業大学 総務部 広報課

Email media@jim.titech.ac.jp
Tel 03-5734-2975 / Fax 03-5734-3661

横浜国立大学 研究・学術情報部図書館情報課雑誌管理係

Email tosho.zasshi@ynu.ac.jp
Tel 045-339-3208

福井大学 経営企画部情報企画課総務担当

Email glibsoumu@ml.u-fukui.ac.jp
Tel 0776-27-8414

大阪大学 附属図書館図書館企画課企画係

Email tosyo-kikaku-kikaku@office.osaka-u.ac.jp
Tel 06-6850-5073

神戸大学 総務部広報課

Email ppr-kouhoushitsu@office.kobe-u.ac.jp
Tel 078-803-5453

岡山大学 附属図書館情報管理課

Email fbf7320@adm.okayama-u.ac.jp
Tel 086-251-7308

早稲田大学 広報室広報課

Email koho@list.waseda.jp
Tel 03-3202-5454

東京理科大学 経営企画部広報課

Email koho@admin.tus.ac.jp
Tel 03-5228-8107

RSS