東工大ニュース
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公開日:2023.03.30
東京工業大学イノベーション人材養成機構(IIDP)は、学生支援センター未来人材育成部門の協力を得て、博士後期課程に在籍する留学生を対象に「日本語就職面接講座」を2月3日と2月15日の2日間にわたりオンラインで実施しました。
日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、博士後期課程に在籍する留学生が博士後期課程修了後に日本で就職する人は3割弱となっていますが、東工大のケースでもほぼ同じ割合であり、出身国で就職する人よりも多くなっている現状があります。一方、留学生のなかには、日本独特の就職活動についての知識が不足していたり、日本語の勉強が不足したりするなどの理由から、希望通りに日本で就職することができない人もいるため、博士留学生に「日本で就職すること」「日本で就職するにあたり必要な能力や準備」に対する意識を高めてもらうためこの講座を実施しました。
東工大では、一般的な就職情報をガイダンスなどで学生に提供するとともに、多様化する学生のキャリアプランにきめ細かく対応し、学生が自身の描いたキャリアを実現することができるように支援しています。特に、「博士」「留学生」といった、支援が手薄になりがちな学生の可能性を拡げるために、今後も様々な支援を続けていく予定です。
1日目は、日本国際化推進協会(JAPI)および学外の留学生就職支援の専門家が「博士の就活」全般について、英語で話をしました。
日本での就職活動やその後の仕事において日本語能力やコミュニケーション能力が大切であること、就職活動において活用できるツールなどがあること、東工大では「留学生向け就職ガイドブック」や「留学生就職ガイダンス」などで留学生のキャリアを支援していることなどの説明がありました。
当日は100人近い博士留学生が参加し下記のような質問が多数寄せられ、JAPIの講師や東工大キャリアアドバイザーが丁寧に回答しました。
東工大博士後期課程を修了して日本で就職したOBや就職する予定の学生が参加し、自身の就職活動、就職先に決めた理由、就職活動や仕事にあたっての日本語の必要性、日本語能力を高めるために努力したことを話し後輩たちへエールを送りました。
このような実際に日本での就職活動に成功した先輩の話を参加者たちは直接聞く機会に恵まれました。
1日目の後半は、JAPIの方が「日本での就職面接」について、個人面接と集団面接の違い、面接時に注意すること、面接でよく聞かれる質問やその回答例などについて詳しく日本語で説明しました。特に、博士学生の就職面接においては、研究内容を聞かれることが多くあり、自身の研究内容を他人にわかりやすく説明することの必要性やコツについて、参加した学生にも充分に理解できるように説明されました。学生が「他の企業も受けていますかと面接で聞かれたら、どのように答えればよいですか」といった突っ込んだ質問をする場面もありました。
2日目は、「模擬面接」に自ら手をあげた博士留学生19人が臨みました。面接官役は、東工大の教員、キャリアアドバイザー、学外の留学生就職支援の専門家の計6人が務めました。
学生は模擬面接前に「課題シート」を作成し、講座1日目に学んだことをもとに「自身の研究内容」「研究で特に工夫した点、それによりブレークスルーした経験」「研究活動で得られた成果や能力」などの項目について日本語で作成することに挑戦しました。
この「課題シート」をもとに面接官2人が学生2人に模擬面接をしました。
まず学生が「課題シート」の内容を6分間で説明した後、実際の就職面接でよく聞かれる質問について答える練習をしました。
面接官からのフィードバックに加え、学生同士がお互いにコメントをしあうことで、新たな気づきを得ることができ、自身を客観的に見る機会となりました。