東工大ニュース
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公開日:2014.08.18
東京工業大学精密工学研究所の中村健太郎教授らは、超音波振動を利用して平らな床の上に浮上する移動プレートを開発した。200 mm四方程度の面積で数kgf(重量キログラム)の荷重を搭載した場合、移動のための力が大幅に削減できる。
工場内などで部品の移動パレットなどをなるべく少ない力で搬送する方式が望まれている。こうした要望に応えるため、超音波振動による音響放射力(用語1)を利用して、振動板を床の上にわずかに浮上させる方式を開発した。中村教授らはこれまでに、振動板上に液晶ディスプレイ用ガラスパネルを浮揚させる技術の開発を行ってきた。今回はこれとは逆に、平面床上に振動板を浮かす機構を考案した。
超音波浮揚による搬送プレート
用語説明
(用語1) 音響放射力:
超音波がものにあたったときに、超音波の進行方向にものを押す力。
(用語2) kgf:
重量キログラム。1重量kgは1 kgの質量をもつ物体が、地球表面で受ける重力の大きさ。
論文情報
著者: |
T. Ishii, Y. Mizuno, D. Koyama, K. Nakamura, K. Harada, and Y. Uchida |
論文タイトル: |
Plate-shaped non-contact ultrasonic transporter using flexural vibration |
雑誌名: |
Ultrasonics, vol. 54, no. 2, pp. 455-460 (2014). |
DOI: |
お問い合わせ先
東京工業大学 精密工学研究所
教授 中村健太郎
TEL: 045-924-5052 FAX: 045-924-5091
Email: knakamur@sonic.pi.titech.ac.jp