東工大ニュース

2014 AOTULE学生会議 参加記

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公開日:2015.02.13

AOTULE(アジア・オセアニア工学系トップ大学リーグ)は、アジアとオセアニアの13大学からなる連盟です。加盟する大学間の合同ワークショップや、学生・教職員の派遣交流などを通して、工学系の教育研究の質を向上させ、国際意識を養うことが目的です。

AOTULEは年に一度、加盟大学の学生が集まり研究発表を行う「学生会議」を開催しています。2014年はオーストラリアのメルボルン大学で行われました。参加した東工大の学生に、会議を振り返ってもらいました。

橿渕 耕平

大学院理工学研究科 応用化学専攻 修士1年

研究発表後の立食形式のランチ

研究発表後の立食形式のランチ

この度私はオーストラリアのメルボルン大学にて開催されたAOTULE学生会議に参加させていただきました。11月末のメルボルンは夏に向かい暖かくなっている時期だったため、朝はやや冷えるものの、天候にも恵まれてとても過ごしやすかったように思います。滞在中メルボルン大学敷地内の学生寮に宿泊でき、他の学生との交流が気軽に行える点も魅力的でした。

初日は到着した私たちを立食パーティで歓迎していただき、翌日から二日間にわたって各大学の学生による研究の口頭発表が行われました。英語での研究発表を行う事そのものが私としては貴重な体験でしたし、今回のように様々な専攻の学生が一堂に会し研究発表を行うことは、普段自分とは関わりのない分野の研究を垣間見ることのできる貴重な機会でもありました。

研究発表2日目は午前中で全て終了し、立食形式でのランチの後、AOTULE参加者はバスでメルボルン市内を巡るシティーツアーに連れて行っていただきました。時間は3~4時間程度であったと記憶していますが、短時間で多くの名所や観光スポットを案内していただき非常に濃い時間を過ごすことができました。

昨年度のようなグループワーク等は無かったものの、研究発表1日目終了後にはBBQパーティを企画していただいたり、皆で大学内や市内を見学、学生寮で談話するなどの時間も多くあったため、学生間の交流を深めるには素晴らしい環境を提供していただけたと感じています。

研究発表中には「morning tea」と「afternoon tea」という休憩時間があり、ここでは飲み物だけでなく毎回工夫を凝らしたケーキや簡単な軽食などを楽しむことができました。このように参加者を楽しませるような工夫が多くなされており、滞在中ずっと快適に過ごすことができました。ただの研究発表の場としてだけではなく、学生間が積極的に交流することができるような環境を提供していただいたスタッフの皆様、共に研究発表し交流を深めた参加者の皆様には大変感謝しております。

シティツアー中に郊外から撮影したメルボルン
シティツアー中に郊外から撮影したメルボルン

このように非常に内容の濃いAOTULE学生会議も来年の開催で10回目を迎えることになりますが、今後も長く本会議が続き、より多くの学生、特にどうしても英語に苦手意識を持ちやすい日本の学生(私もその一人ですが...)がこの会議を通じて貴重な体験とより広い視野が得られることを期待しています。

ヤン・ミアオ

大学院理工学研究科 国際開発工学専攻 博士課程3年

10時間以上におよぶフライトや乗継ぎを経て、11月26日の午後、オーストラリアのメルボルンに到着。涼しい夏の気候に、うれしさと期待感も盛り上がります。ついに、やってきました!

トリニティカレッジ(学生宿泊施設)

トリニティカレッジ(学生宿泊施設)

11月26日から29日までの間、会議に参加する学生は、全員トリニティカレッジの学生寮に滞在することになっていました。この建物は伝統的なゴシック様式で、美しい庭園や公園などもあります。全員がそれぞれの部屋にチェックインしたあと、現地(メルボルン大学)の職員にお出迎えいただき、AOTULE学生会議の受付場所や歓迎レセプションに案内していただきました。移動中にスタッフの方が説明してくださったのですが、メルボルンは一日に4つの季節を体験できるとのことです。レセプションが行われたのは、法学部のある建物の最上階(10階)。その窓からは、都会的な町の様子を眺めることができます。レセプションでは、メルボルン大学副学長と工学部部長によるユーモアを交えた歓迎のごあいさつをいただき、くつろいだ気分になりました。おいしい飲み物と食事をごちそうになり一日が終わりました。

プレゼンテーションで最初のセッションがスタート

プレゼンテーションで最初のセッションがスタート

11月27日午前、オープニングセレモニーでいよいよ会議の幕開けです。セレモニーでの話によれば、インド、ベトナム、スリランカの大学がAOTULEへの参加の意向を示しているそうです。その後、全体会議があり、バーキット教授によるバイオニック・アイ(人工眼)に関する最先端の研究や、スミス博士による南極における環境修復についてのお話を聞くことができました。お二人はいずれもメルボルン大学で研究をされており、お話により研究の様子が理解できました。(AOTULEでは、毎年異なる加盟大学が主催で秋の会議を開催しています。)「morning tea」という休憩の後、本格的な学生会議が始まり、この日は、機械、土木、バイオメディカル、環境、材料工学の分野の会議が行なわれました。

加盟大学から集まった背景の異なる学生たちが、研究内容などについて積極的に語り合い、そのやり取りは、昼食の時間まで続いていました。こういった議論や談話を通じて、それぞれが、何か新しいものを得ることができたと思います。実り多き一日の活動が終わると、オーストラリア・スタイルのバーベキューディナーが待っていました。太陽の光がふりそそぐ芝生の上に座りながらおしゃべりや食事、そして、リラックスした雰囲気のなかで新しい出会いもあり、とても楽しいひとときでした。

太陽の下で、オーストラリア・スタイルのバーベキュー
太陽の下で、オーストラリア・スタイルのバーベキュー

28日の朝は、化学工学と電気工学の会議が行なわれました。プレゼンテーションと質疑応答、それぞれが素晴らしい結果を残せたと思います。全会議終了後、学部長をはじめ、教授や職員の方々とともに学生ラウンジでのランチとなりました。全員が集う最後の機会でしたので、フォーマルな立食形式で行われました。現地の学生や職員の方々と話ができるのもこれが最後だと思うと名残惜しく、お互いこれからも連絡取り合うことを約束し合いました。午後からは、メルボルン大学の好意で、バスで市内を巡るシティーツアーが行なわれ、メルボルンの歴史スポットやダウンタウン、海岸、史跡、オリンピック跡地などを訪れました。個人的に最も印象に残ったのは、ゴールドラッシュ時代の移民の歴史です。この素晴らしい観光をもって、3日目が終了しました。

29日には帰国の途につき、30日の朝に東京に無事到着。今回学生会議に参加させていただき、自分にとって有意義な忘れられない経験となりました。メルボルン大学だけでなく、東工大やAOTULE加盟大学の新しい友人もできました。さまざまな意見を交換したり語り合った経験は、自分の人生において、間違いなく貴重な財産になると思います。また、都会と自然の両方を併せ持つ、美しい国際都市メルボルンを体感できたのも素晴らしい思い出です。同時に、自分の将来に向けて決意を新たにすることができました。それは、グローバルな舞台で活躍することです。単にモノを創るだけではなく、いろんなアイデアを世界に発信できる技術者になりたいというのが私の目標です。

お問い合わせ先

大学院理工学研究科化学工学専攻 准教授 吉川史郎
Email : syoshika@chemeng.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-3278

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