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AEARU 第6回エネルギー・環境ワークショップ開催

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公開日:2016.11.14

AEARU 第6回エネルギー・環境ワークショップ開催

8月26日~27日に、大岡山キャンパスおよびすずかけ台キャンパスにて、世界で必要とされる持続可能なエネルギーを太陽光から創り出す「次世代太陽電池」をテーマに、「AEARU 第6回エネルギー・環境ワークショップ」を開催しました。AEARU加盟大学より研究者と学生が参加し、米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)のジョーイ・ルーサー博士が基調講演者として出席しました。

AEARUは、「Association of East Asian Research Universities(東アジア研究型大学協会)」の略で、東アジア(日本、中国、香港、韓国、台湾)の研究型大学18大学により構成されています。加盟大学は、本学のほか、東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、筑波大学、清華大学、北京大学、香港科技大学、台湾大学、ソウル国立大学、韓国科学技術院などがあります。

1日目:講演会

三島良直学長の開会の挨拶ののち、NRELのルーサー博士が、NRELにおける量子ドット太陽電池およびぺロブスカイト太陽電池の最新研究について基調講演をしました。続いて、各加盟大学の研究者が量子ドット太陽電池やぺロブスカイト太陽電池のほか、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、シリコン系太陽電池など、幅広い次世代太陽電池の最先端の研究について講演しました。初日の講演会には、本学のみならず他大学の研究者や企業関係者等、約30名が出席し、各講演後には活発な質疑応答や意見交換が行われ、環境技術への関心の高さがうかがえました。

三島学長による開会の挨拶
三島学長による開会の挨拶

ルーサー博士(NREL)による基調講演
ルーサー博士(NREL)による基調講演

講演会プログラム

開会の挨拶
三島良直学長
基調講演
  • "The Future Generation of Photovoltaics Employing Low-Cost, High Efficiency, Solution-Processed Active Layers"(低コスト、高効率、溶液プロセスで作製可能な太陽電池の未来)
    ジョーイ・ルーサー 博士(米国国立再生可能エネルギー研究所・シニア研究員)

講演
  • "Solution-Processable Hybrid Solar Cells Based on Colloidal Quantum Dots"(コロイド量子ドットを用いた溶液プロセスで作製可能なハイブリッド太陽電池)
    久保貴哉 特任教授(東京大学先端科学技術センター)

  • "Our Chemical Approaches Towards Highly Efficient Perovskite Solar Cells"(ぺロブスカイト太陽電池の高効率化に向けた化学的アプローチ)
    若宮淳志 准教授(京都大学化学研究所)

  • "Working from Both Sides: Composite Metallic Semitransparent Top Electrode for High Performance Perovskite Solar Cells"(両面受光型太陽電池:複合金属半透明のトップ電極を用いた高効率ぺロブスカイト太陽電池)
    ホン・リン 教授(清華大学材料学院)

  • "Polymer Semiconductor Nanofiber Network for Efficient Organic Photovoltaics"(半導体高分子ナノファイバーのネットワークを用いた高効率な有機太陽電池)
    松本秀俊 准教授(東京工業大学物質理工学院)

  • "Effects of Post-synthesis Thermal Conditions on Methylammonium Lead Halide Perovskite: Band Bending at Grain Boundaries and Its Impact on Solar Cell Performance"(メチルアンモニウム鉛ハライドぺロブスカイト形成後の加熱条件の効果:粒界面でのバンド曲がりと太陽電池性能への影響)
    ビョンハ・シン助教(韓国科学技術院)

  • "Band-gap Tuning of Nanostructured ZnO and/or Ag-In-Zn-S for Hybrid Inorganic-Organic Solar Cells"(有機無機ハイブリッド太陽電池に用いるZnO および Ag-In-Zn-Sナノ構造体のバンドギャップ制御)
    佐川尚 教授(京都大学大学院エネルギー科学研究科)

  • "Plasmonic and Si Nanostructured Solar Cells"(プラズモニックおよびSiナノ構造太陽電池)
    伊原学 教授(東京工業大学物質理工学院)

  • "Elucidating the Structure-Property Relationships of Donor-π-Acceptor Dyes for DSSCs through Rapid Library Synthesis"(迅速ライブラリー合成を用いた色素増感太陽電池に用いるドナー π アクセプター型色素の構造-物性相関の解明)
    布施新一郎 准教授(東京工業大学科学技術創成研究院)

  • "Perovskite Solar Cells Created in the Research of Dye Sensitized Solar Cells - Similarities and Differences"(色素増感太陽電池の研究から生まれたぺロブスカイト太陽電池―類似点と相違点)
    和田雄二 教授(東京工業大学物質理工学院)

(左から)久保特任教授、若宮准教授、リン教授
(左から)久保特任教授、若宮准教授、リン教授

(左から)松本准教授、シン助教、佐川教授
(左から)松本准教授、シン助教、佐川教授

(左から)伊原教授、布施准教授、和田教授
(左から)伊原教授、布施准教授、和田教授

2日目:学生によるポスターセッションと研究室訪問

ポスターセッション
ポスターセッション

すずかけ台キャンパスにて、ワークショップの参加学生によるポスターセッションが行われました。環境とエネルギーに関わる幅広い研究発表について、活発なディスカッションが行われ、優秀な発表については、ベストポスター賞と賞品が贈られました。一行は、続いて、物質理工学院の菅野研究室と冨田研究室を訪れ、研究内容や機器について教員や学生と意見交換を行いました。

研究室訪問
研究室訪問

ベストポスター賞授与式
ベストポスター賞授与式

21世紀は、アジアにおける急速な人口増加と経済発展で「アジアの世紀」とも呼ばれていますが、その一方で、急速な経済発展に伴うエネルギーや環境等の問題を抱えています。今後、アジアが中心となってこれらの諸問題の解決や環境と調和した持続可能な成長に向けて、必要な方策を提唱していくことが期待されています。

今回のワークショップでは、AEARU加盟大学から招待した次世代太陽電池に関わる新進気鋭の研究者が交流し、それぞれの研究について情報交換を進めることにより、エネルギーや環境における諸問題について深く考える機会となりました。また、未来を担う研究者の卵である各大学の学生にとっては、最先端の研究に触れながらネットワークを広げるきっかけとなりました。本ワークショップでの交流が、将来的な課題解決につながる革新的な技術として結実することが期待されます。

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