東工大ニュース

南洋理工大学とNTU-東工大 リサーチフォーラムを開催

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公開日:2017.12.08

9月11日と12日の2日間、シンガポールの南洋理工大学(NTU:Nanyang Technological University)において、「NTU-東工大 リサーチフォーラム」が開催されました。東工大とNTUは、共同研究の可能性を探ることを目的として、これまでに2016年2月にNTUで、同年11月には東工大で、計2回にわたって合同ワークショップを開催しています。今回のフォーラムは、同ワークショップで築いてきた両大学の研究者間の連携を、さらに具体的な共同研究へと発展させることを目指したものです。

本学からは、安藤真理事・副学長(研究担当)、水本哲弥副学長(教育運営担当)、大竹尚登副学長(研究企画担当)に加えて、分子化学、水素エネルギー、分離化学、感染症撲滅のための工学技術の4分野の研究者9名が参加しました。また、全体会には、本学の博士課程教育リーディングプログラムの一つである情報生命博士教育院の教員、学生も参加しました。

大竹副学長(前列左から2人目)、安藤理事・副学長(前列左から3人目)、ホワイト教授(前列右から2人目)、水本副学長(前列右から1人目)

大竹副学長(前列左から2人目)、安藤理事・副学長(前列左から3人目)、ホワイト教授(前列右から2人目)、水本副学長(前列右から1人目)

全体会(開会)

ラム副学長
ラム副学長

フォーラムは、NTUのラム・キンヨン副学長の開会の挨拶で始まりました。ラム副学長は、両大学からの参加者への謝辞を述べるとともに、各分科会にて今後に向けた具体的な議論が行われることを期待していると述べました。

両大学の共同研究成果の事業化や産業界との連携について、将来的な検討を行うため、今回のフォーラムでは、研究成果の事業化や起業支援を行っている企業や国内外の高等教育・研究機関との共同研究を積極的に行っているシンガポール企業の代表者が招聘され、講演を行いました。

NTUの100%子会社であるエヌティユーティブ(NTUitive)社のリン・ルイ最高経営責任者(CEO)は、同社がNTUと連携して行っている研究成果や発明の事業化、起業のための資金調達やネットワークづくり、ライセンシング等へのサポート業務について講演を行いました。シンガポール産業界からは、化学原料メーカーのクローダ・インターナショナル社のボニア・マガリ博士、米国海軍研究所シンガポールオフィスのウー・ペイ博士が登壇し、各社の研究概要とともに高等教育研究機関を含む国内外のパートナーと行っている共同研究について紹介しました。

米国海軍研究所は、米国政府が海軍省に設置した機関で、長期的視野に立った科学技術政策のもと、大学、政府研究所、産業界を支援しています。

フォーラムの様子

フォーラムの様子

休憩をはさんで行われた、NTUのティム・ホワイト教授と本学の大竹副学長の講演では、共同研究プロジェクトの柱となる研究資金に焦点を当て、シンガポールおよび日本で申請可能な政府等による研究資金の概要や両大学の産学連携の取組みや実績を説明し、午後の分科会の方向性を示しました。

ホワイト教授(左)と大竹副学長

ホワイト教授(左)と大竹副学長

分科会

その後、分子化学、水素エネルギー、分離化学、感染症撲滅のための工学技術の分科会が4つの会場で行われ、NTU、東工大の各分野の研究者たちは、それぞれ自身の研究に関する発表を行いました。また、オープニングセッションで紹介された産学連携や研究資金調達の事例を踏まえて、具体的な共同研究の可能性を探る議論を行いました。

報告会

分科会のまとめとして、報告会が行われました。各分科会の議論を踏まえ、分科会の代表者が現在行われている共同研究の進捗状況、学生・研究者派遣を含んだ今後連携可能な共同研究プロジェクト、研究資金申請の計画案等について報告をしました。

各分科会の様子

各分科会の様子

NTUの研究室見学

12日には、参加者は、NTUのエネルギー分野の太陽電池、燃料電池、パワー・トゥー・フューエル(Power-to-fuel、再生可能エネルギー由来の電力から燃料を生成する蓄エネルギー技術)の3つの研究室と分子化学の研究室を見学しました。

NTUエネルギー研究所のチャン・シュウ・ホワ教授(右)の説明を聞く東工大代表団

NTUエネルギー研究所のチャン・シュウ・ホワ教授(右)の説明を聞く東工大代表団

閉会(まとめ)

その後、昼食を囲みながら、クロージングセッションが行われ、NTUのホワイト教授、本学の安藤理事・副学長が所感を述べました。安藤理事・副学長は、今回のフォーラム開催に尽力したNTUのラム副学長、 ホワイト教授、本学の水本副学長、大竹副学長をはじめ、参加者への感謝とともに本フォーラムの成果への期待を述べました。

アンダーソン学長との面談

12日午後には、安藤理事・副学長、水本副学長、大竹副学長、国際部スタッフがNTUのバーティル・アンダーソン学長を訪問し、ラム副学長、ホワイト教授と共に、大学のガバナンス、改革等について広く意見交換を行いました。また、両大学において「研究協力協定」締結に向けて引き続き準備を進めることを確認し合うとともに、両大学間の学生交流についても議論しました。そして、今後も両大学の友好関係を深めていくことを誓い合い、今回のフォーラムに伴う日程は終了しました。

(左から)ラム副学長、アンダーソン学長、東工大代表団

(左から)ラム副学長、アンダーソン学長、東工大代表団

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