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2018年度より開講「グローバルリーダーシップ実践」集中講義

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2018.08.16

6月18日から6月29日まで大岡山キャンパスにて、本学の協定校であるジョージア工科大学より講師を招き「グローバルリーダーシップ実践-Global Leadership Practice」集中講義(90分×8回)が開講されました。本講義ではリーダーシップに関連した能力を育成するワークショップや事例研究、ディスカッション、自己分析等を通じて、グローバルな環境において自身の価値や目的を実現するためのリーダーシップに必要な要素について学ぶことを目的としています。

「グローバルリーダーシップ実践」は、修士課程の学生を対象とする国際意識醸成・広域教養科目として今年度より開講されました。グローバル理工人育成コース上級の選択必修科目にもなっています。

グローバル理工人育成コースouterでは、世界の様々な分野で活躍できる人材を育成するために2013年度に開設したコースです。現在1,751名(上級47名)がコースを履修しています。

受講生の出身国の内訳は、日本5名、オランダ1名、ブラジル1名、インドネシア2名、台湾2名、セネガル1名の計12名・6ヵ国でした。また、2名のティーチングアシスタント(TA)はネパールとインドネシア出身で、講師はアメリカ人2名、本学卒業生のゲストスピーカーはベトナム出身で、国際色豊かなクラスとなりました。

受講生の多様なバックグラウンドを活かし、グループディスカッションでは様々な国の異なる文化や社会的背景と密接に結びついたリーダーシップのスタイルについて、リアルな現状を知ることができました。

クラスのメンバー

クラスのメンバー

講義の様子

講義の様子

講義の様子

本講義は、ジョージア工科大学で実践されているリーダーシップの講義を基に、本学の担当教員とジョージア工科大学の教員とで打ち合わせを重ね、本学での実施が実現したものです。アメリカ型の授業では、入念な予習と復習を基に、授業では積極的に発言することが求められます。本講義も、講義開始以前から、リーダーシップに関する教科書を一冊読みこなし、その上で自身のリーダーシップやチームワークに関するブログを毎回アップロードするという多くの準備と課題が課されました。英語のみで行われる参加型授業でしたが、講師やクラスの作り出す雰囲気と、グループワーク・ディスカッションが主体の授業スタイルは、学生から笑顔と積極性を引き出しました。受講生たちは、講師の「この授業の中では正しいとか間違いとかはありません。何に対しても好奇心を持つ子供のように、思ったことは何でも発言してみてください。」という言葉に後押しされ、活発に意見を出し合うようになりました。また、英語で苦労している受講生には留学生が手助けをしたり、話をじっくり聞いたりと、英語そのものよりも発言内容を重視したやり取りが多く見受けられました。

講義はまず「Who Am I?(私は誰?)」というテーマで行い、自身の長所や価値観、適正能力等についての気づきを通じリーダーシップに必要な能力を養成する方法を主体的に学びました。

100枚のカードから大切だと思う価値観を3つ選ぶ
100枚のカードから大切だと思う価値観を3つ選ぶ

カードを選んだ理由を話し合う受講生
カードを選んだ理由を話し合う受講生

砂漠で風と光を遮る装置について話し合うグループ
砂漠で風と光を遮る装置について話し合うグループ

次に、チームワークについて学習しました。本セッションでは目標実現のためにはメンバーの長所や強みを生かし、協力して取り組むことが不可欠である、という前提のもと、異文化および分野横断的な環境の中でグループをまとめ、課題を解決・調整する能力を身につけるため取り組みました。与えられた各テーマについて、提供された材料全てを用い形にして表すことに挑戦し、共通のゴールを達成するために必要なリーダーシップを学びました。このアクティビティを通じ受講生たちは、チーム内でのリーダーシップとは、グループを牽引することだけでなく一歩引いてメンバーが発言できる環境をつくることも重要だと気づきました。

魚を効果的に捕獲する方法について調整するグループ
魚を効果的に捕獲する方法について調整するグループ

食料を共有するシステムについての提案
食料を共有するシステムについての提案

また、平等主義、階級主義という考え方を基礎とした異文化でのリーダーシップのスタイルについて、その国の歴史、文化、習慣も前提とした違いも学びました。受講生は多種多様なリーダーシップについて、自身の経験を共有しました。組織内での意思決定の方法は国によって大きく異なり、受講生はそれぞれのスタイルの特徴を学び、その中で起こりうる意識的・無意識的偏見への対処法などについて学びました。

ミン・グエン氏
ミン・グエン氏

異文化におけるチームビルディングのセッションでは、フェイスブックジャパンに勤務する本学卒業生のミン氏による講義を受けました。受講生はミン氏の実体験に基づく日本企業とグローバル企業の比較や、様々な環境の中で自分の能力を活かし目標を実現するための沢山のヒントを聞き、自身の将来の方向性を考える参考とすることができました。

最終日には3グループが、これまでの学習に基づき2名の異なるリーダーについての事例研究を行い、相違点やリーダーシップに必要な要素に基づく分析結果を発表しました。ここでも受講生の多様な国籍を活かし、世界各国の政治・経済・産業や人権運動など多様な分野でリーダーが社会変革をもたらす方法について共有しました。

学生は毎回刺激的な講義とアクティブラーニングを通して「自分の快適ゾーンから抜け出す」チャレンジを積み重ね、いろいろな課題を大きな成長につなげることができた2週間となりました。

グローバル理工人育成コースでは引き続き、ジョージア工科大学に約2週間訪問しリーダーシップについて学ぶ短期留学プログラムとして「ジョージア工科大学リーダーシッププログラム」も2019年3月に開催予定です。今後も世界の企業、大学、研究所、国際機関など、様々な分野で活躍できる科学者・エンジニア・技術者=「グローバル理工人」を育成するためのカリキュラムを企画・提供していきます。

お問い合わせ先

グローバル人材育成推進支援室

E-mail : ghrd.info@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3520

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