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工系学生国際交流プログラム派遣 2018年度後学期 留学報告会 開催報告

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2018年度後学期の工系留学報告会が1月23日と2月6日、大岡山キャンパス本館で開催されました。

工系国際交流委員会主査の竹村次朗准教授による開会の辞
工系国際交流委員会主査の竹村次朗准教授による開会の辞

工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院は、国際的感覚を持つ工学を専門とする高度技術者を養成するため、所属学生を海外の大学等に派遣する支援を合同で行っています。この学生国際交流プログラムは、海外で様々な国の研究者や学生と共に研究を行うことで、専門性を深め、さらには、より広範な先端科学の知識・技術を学びながら異文化に触れることで、学生自身の修学意欲の一層の向上と国際意識の涵養を図ることをねらいとして実施しています。

今回開催された工系留学報告会は、当プログラムで2018年夏季・秋季に短期留学した学生が履修対象となっている講義「国際研究研修」の一環として実施されたものです。その他、サマープログラム、物質理工学院派遣プログラム等に参加した学生も合同で発表しました。

派遣先大学と発表者(計12名)は以下の通りです。(順不同、敬称略)

派遣先大学
発表者(所属・学年は発表当時)
留学期間
ケンブリッジ大学(英国)
普世梓(工学院 機械系 修士課程1年)
2018年8月~11月
マドリッド工科大学(スペイン)
曾川宏彬(環境・社会理工学院 土木・環境工学系 修士課程1年)
2018年9月~12月
南洋理工大学(シンガポール)
冉子欣(工学院 機械系 修士課程2年)
2018年9月~12月
メルボルン大学(オーストラリア)
平出峻(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)
2018年9月~11月
ヨンショーピン大学(スウェーデン)
松本拓巳(物質理工学院 材料系 修士課程1年)
2018年9月~12月
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(スイス)
富田夏奈(物質理工学院 材料系 修士課程1年)
2018年6月~11月
スイス連邦工科大学チューリッヒ校(スイス)
グレース・カグホ(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)
2018年9月~12月
野原崇稔(物質理工学院 応用化学系 博士課程2年)
2018年9月~11月
菱沼雅(生命理工学院 生命理工学系 修士課程1年)
2017年7月~2018年8月
マックス・プランク高分子研究所(ドイツ)
手塚沙也可(物質理工学院 材料系 修士課程1年)
2018年8月~11月
バンドン工科大学(インドネシア)
橋爪路乃(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)
2018年8月
ジェノヴァ大学およびイタリア学術会議物質化学・エネルギー技術研究所(イタリア)
二瓶拓也(物質理工学院 応用化学系 修士課程1年)
2018年9月~11月

留学経験者の発表

報告会では、留学経験者が留学生活について英語で発表を行いました。

夏期短期学生交流プログラム(Summer Exchange Research Program:SERP)の派遣

SERPは、3学院が独自に協定を締結する欧米の先進理工系大学の研究室に、修士または博士課程学生が夏季の約2~3ヵ月間所属し、学生自身が設定した短期プロジェクトを受入れ指導教員の下で実践する研究中心の派遣留学プログラムです。協定を締結している大学は、ケンブリッジ大学(英国)、オックスフォード大学(英国)、ウォーリック大学(英国)、サウサンプトン大学(英国)、ソルボンヌ大学(フランス)、マドリッド工科大学(スペイン)、アーヘン工科大学(ドイツ)、ウィスコンシン大学マディソン校(アメリカ)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(アメリカ)、カールスタッド大学(スウェーデン)です。

工学院 機械系の普世さん(修士課程1年) / ケンブリッジ大学留学

研究室の仲間と晩餐会へ(最左が普世さん)
研究室の仲間と晩餐会へ(最左が普世さん)

カム川の辺りにて
カム川の辺りにて

ケンブリッジ大学では、乱流噴流予混合火炎のラージ・エディ・シミュレーション(流体解析手法の1つ)について研究しました。環境保全等の観点から、数値シミュレーションを活用した短期間・低コストでの高効率・低環境負荷燃焼器の設計・開発が、昨今必要とされています。特に、振動燃焼等の非定常現象を予測するために、ラージ・エディ・シミュレーションの利用が有望視されていることからも、このテーマに取り組みたいと思いました。

今回の留学から以下のようなことを感じました。英語はツールでしかありません。グループの中に入っていくには自分から話を展開していくことが必要です。単なる「おしゃべり」だけでは不十分で、相手が興味を持ち、かつ議論できる土台を話の中で作っていくことが大事だと感じました。そのためには、様々なトピックに対して自分で考え、意見を持つことが重要ではないでしょうか。英語が主言語の大学で学位を取ろうという学生たちの集まりなので、英語は話せて当然です。その点で私の英語能力は不十分だったので、もし英語が十分なレベルであれば、また違う印象を持ったかもしれません。しかし、英語能力が不十分だから、留学に行くのをやめるべきだと言っているわけではありません。2、3ヵ月という留学期間は英語に慣れるのに十分な期間であり、英語ができない時期のもどかしさや悔しさはむしろ、英語学習のモチベーションになります。最低限の英語のコミュニケーション能力があり、留学に興味がある人は迷わずに留学するべきだと考えます。

アジア・オセアニア工系トップ大学リーグ(The Asia-Oceania Top University League on Engineering:AOTULE)の派遣

AOTULEはアジア・オセアニア地区の各国(地域)1校の理工系大学が加盟するトップ大学リーグです。加盟大学間の合同ワークショップや、学生・教職員の派遣交流などを通して、工学系の教育研究の質を向上させることを目的としています。工系学生国際交流プログラムでは、加盟大学への本学学生の短期研究留学を支援しています。加盟大学はメルボルン大学(オーストラリア)、清華大学(中国)、国立台湾大学(台湾)、香港科技大学(中国)、バンドン工科大学(インドネシア)、韓国科学技術院:KAIST(韓国)、マラヤ大学(マレーシア)、インド工科大学マドラス校(インド)、ハノイ工科大学(ベトナム)、南洋理工大学(シンガポール)、チュラロンコン大学(タイ)、モラトゥワ大学です。

工学院 機械系の冉さん(修士課程2年) / 南洋理工大学留学

研究室の仲間との昼食(中央がランさん)
研究室の仲間との昼食(中央がランさん)

所属学部の校舎
所属学部の校舎

シンガポールは多文化・多民族国家で、世界で最も国際的な国家の1つであり、留学中に友人を作ったり、多様な文化を深く経験することができます。シンガポールに到着したばかりの頃は、様々な文化の人種が数多くいる環境を経験したことがなかったため、適応できるかどうか不安で緊張しました。しかし、すぐに慣れていき、タイやインドから来ていた研究室の仲間が、研究や生活においてたくさん助けてくれました。英語が上達しただけでなく、研究の楽しさを再認識することができました。この留学はめったにできない経験となり、忘れられない印象を残してくれました。より幅広い視点と困難に打ち勝つ方法も得ることができました。

物質理工学院 学生交流プログラム協定大学への派遣

物質理工学院では2016年度にヨーロッパの大学および研究機関との関係強化を図り、同年に学生の派遣交換を主とする協定(MOU)を締結しています。提携しているのは、ジェノヴァ大学(イタリア)、ワルシャワ大学(ポーランド)、ヨンショーピン大学(スウェーデン)、フランス国家計量標準研究所(フランス)、ドイツ航空宇宙センター(ドイツ)、イタリア学術会議物質化学・エネルギー技術研究所(イタリア)です。工系学生国際交流プログラムでは、このように3学院が個別に締結する協定大学への研究留学派遣も支援しています。

物質理工学院 材料系の松本さん(修士課程1年) / ヨンショーピン大学留学

週末の鍋パーティーにて(最左が松本さん)
週末の鍋パーティーにて(最左が松本さん)

学部のメンバーと(中央が松本さん)
学部のメンバーと(中央が松本さん)

私は中期の研究留学をしたのは初めてでした。また英語スコアが学部卒業レベルしかなかったため、英語に大きな不安を抱えていました。しかし、この3ヵ月はあっという間に過ぎ充実した毎日を過ごしました。始めは日本人が自分しかいない環境であり、専門知識を英語で説明する難しさや初めての自炊等様々な葛藤があり、慣れるまで数日かかりました。しかし、諦めずに果敢にコミュニケーションし続けることで、分からないことが少しずつ分かるようになり、次第に友達関係も広がっていきました。スウェーデンは英語普及率が95%とはいえ、英語のネイティブではないからか私が聞き取れない時もありました。しかし勇気を持って聞き直すと、違う言い回しで伝えようとしてくれました。充実した留学となったのは、間違いなく留学先でできた多くの友達のお陰です。英語に慣れない、友達が作れない等、自信を失くすこともあると思います。でも絶対に1人の時間を作らないでください。友達が1人できると、その友達が友達を紹介してくれ、帰国間際には、気づいたら友達に囲まれて現地を発つことができました。研究も友達関係も英語も全部がんばりたい人に、ヨンショーピン大学を留学先として強くお勧めします。

本イベントは、帰国して間もない留学経験者からの新鮮な現地情報や感想に触れることができる機会です。2019年夏季派遣が決定している学生も参加し、情報を収集していました。また、本プログラムは受入・派遣の双方向でもあり、夏季には協定大学より来日する留学生との交流イベントも企画・運営されています。

工学院

工学院 ―新たな産業と文明を拓く学問―
2016年4月に発足した工学院について紹介します。

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物質理工学院

物質理工学院 ―理学系と工学系、2つの分野を包括―
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お問い合わせ先

工系国際連携室

E-mail : ko.intl@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3969

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