東工大ニュース

教育革新シンポジウム2018開催報告

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公開日:2019.04.01

教育革新センター(以下、CITL)は、1月30日に大岡山キャンパス西9号館ディジタル多目的ホール、メディアホールで教育革新シンポジウム2018を開催しました。

2015年度から数えて4回目の開催となる本シンポジウムは、「大学院生とともに創る学習経験-TA(ティーチング・アシスタント)※1を超えて-」をテーマとして開催しました。学生を主体的な学び手としていくために、学習経験を創るプロセスに大学院生が関わること、これからの大学教育と大学院生の役割について、参加者と共に考えました。学内外合わせて約80名の大学関係者、教職員、学生が参加し、学習経験創出に対する関心の高さを改めて認識する機会となりました。

※1
TAとは、教育や授業の補助準備など、教育に関わる業務補助を行う学生のこと。

基調講演に先立ち、メディアホールにおいて登壇者5名を交えて交歓会、ポスターセッションが行われました。ポスターを囲み、参加者と発表者による活発な意見交換の場となりました。

盛況だった交歓会、ポスターセッション

盛況だった交歓会、ポスターセッション

他大学からは部局間協定を締結している九州工業大学学習教育センターをはじめ、TAやSA(スチューデント・アシスタント)※2等を活用した教育制度を実践している広島大学、国際基督教大学、成蹊大学、横浜商科大学の発表者から、取組みの紹介がありました。本学からは2017年度に採択されたアクティブ・ラーニング支援制度の取組みや、創造性育成科目、6大学工学系人材養成機構(6-University Human Assets Promotion Program for Innovative Education and Research : 6U-HAPPIER)、情報活用IR室、CITL、オンライン教育開発室(OEDO)の取組みに加え、東工大教育賞受賞者の紹介もありました。

※2
SA(Student Assistant)とは、学士課程において低年次学生の学習を支援する高年次学生のこと。

基調講演の様子

基調講演では、コロラド大学 ボルダー校のヨネモト・マーシャディレクター(コロラド大学ボルダー校 歴史学部 教授)から、「大学院生が授業を担うプログラム:これまでとこれから」と題して、コロラド大学ボルダー校で運用されているグラデュエート・ティーチャー・プログラム(Graduate Teacher Program:GTP)の目的、歴史、組織内の人員配置、運用方法、今後の目標などについて、詳細な内容が示されました。

基調講演の様子

基調講演の様子

続く事例紹介では、広島大学 高等教育研究開発センターの佐藤万知准教授による2016年度から新たに導入したHirodai(ひろだい)TA制度に関する説明と、本学 リベラルアーツ研究教育院の室田真男教授による本学で取り組んでいるGSA(大学院生アシスタント)※3制度の現状と課題に関する説明がありました。

※3
GSA(Graduate Student Assistant)とは、教員と協働で学士課程の教育活動などに携わる大学院生アシスタントのこと。

事例紹介の様子

事例紹介の様子

事例紹介の様子

これらを受けるかたちで、登壇者と参加者を交えながらのラウンドテーブルが行われ、今回のテーマのもと、活発に意見交換や質疑応答が行われました。モデレーターは本学 教育革新センターの田中岳 副センター長(同センター 教授)です。ここからGTPリードコーディネーターのプレイス・マーク氏とカミング・プレストン氏が加わりました。

登壇者に質問を投げかけるモデレーター

登壇者に質問を投げかけるモデレーター

フロアからの質問に答えるGTPリードコーディネーターのお2人

フロアからの質問に答えるGTPリードコーディネーターのお2人

フロアからの質問に答えるGTPリードコーディネーターのお2人

全プログラムを終えて行われたアンケート(回答者数 26名/回収率 34.7%)では、来場者の満足度は「満足」と「やや満足」を合わせて92%と概ね高く、特に広島大学のHirodai TA制度および本学のGSA制度の事例紹介が有益であったことが見て取れました。自由記述には、「TAの教育(取組み)を中心に幅広い話を聞くことができて、とても有益でした。TAは教員でも学生でもない、だからこそ大学にとって重要な存在であること、今後の検討にあたり考えるべきことが多く見つかりました」「ポスターセッションの時間がもう少し欲しかったです。キャッチボックス※4 によるフロアとのやり取りは特に有意義に感じました」「東工大が教育熱心なのは頼もしいです」等の感想が寄せられ、シンポジウムは盛況のうちに終了しました。

※4
キャッチボックスとは、マイク内臓のトーキングオブジェクトのこと。

ポスターセッションタイトル一覧

タイトル
所属、氏名(敬称略)
九州工業大学 学習教育センター(LTC)の取組み
九州工業大学 学習教育センター
宮浦崇、林朗弘、小林順、坂本寛
広島大学 大学教員養成講座における教育実践と内省
広島大学
ゾレット・シモナ、島津礼子
ライティング指導の一端を担うチューターの役割〜大学院生ライティングチューターの視点から〜
国際基督教大学
深尾暁子
QLAの活用による授業改善
成蹊大学 高等教育開発・支援センター
勝野喜以子、井上智夫、大野正智、鈴木史馬、岩間好宣、黒山幹太、坂口悠、須藤裕貴、辰間菜々
横浜商科大学におけるSA制度とその教育効果
横浜商科大学
田尻慎太郎、西村悠、細江哲志
アクティブ・ラーニング支援制度の取り組み
多人数クラスの中で1対1のきめ細かいプログラミング教育を可能にするICTシステムの開発
東京工業大学 情報理工学院 情報工学系
大上雅史
うそ発見器の設計製作とチーム対戦を加えた能動的な演習科目の新設
東京工業大学 工学院 電気電子系
安岡康一
デザイン思考とハンズオンワークを用いた機械系アクティブ・ラーニング
東京工業大学 工学院 機械系
八木透、鈴森康一、赤坂大樹、遠藤玄
異分野協創エンジニアリングデザインプロジェクト
東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系
因幡和晃、齊藤滋規
創造性育成科目
概要
東京工業大学 学務部教務課
教育企画グループ
ものつくり
東京工業大学 教養科目群・理工系教養科目
学生プロデュース科目、教養先端科目
教養科目群・文系教養科目
金属工学実験第一/金属工学創成プロジェクト
物質理工学院・材料系
都市・交通計画プロジェクト演習
環境・社会理工学院・土木・環境工学系
デザイン思考
工学院・経営工学コース
パッシブデザイン特論
環境・社会理工学院・建築学コース
コンセプト・デザイニング
環境・社会理工学院・地球環境共創コース
6大学工学系人材養成機構(6U-HAPPIER)
東工大工系人材養成機構
西原明法、篭橋雄二、スチュワート・デービッド、山田明、高橋篤司、高田潤一
IR人材育成に向けて
情報活用IR室
小野寺理香、田中要江、加藤信也、大石哲也、森雅生
教育革新センターの概要と活動紹介
教育革新センター
大浦弘樹、田中岳、高橋将宜
東京工業大学におけるオンライン教材(MOOC/SPOC)開発
教育革新センター オンライン教育開発室
森秀樹、クロス・ジェフリー
東工大教育賞 受賞者一覧
人事課労務室

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お問い合わせ先

教育革新センター

E-mail : citl@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2993

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