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第12回サステナブル エンジニアリング テクノロジー 「エネルギーと世界環境」開催報告

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東工大工学系の3つの東工大国際大学院プログラムにおける重要科目「持続可能工学と技術(サステナブル エンジニアリング テクノロジー(Sustainable Engineering Technology; SET))」が2018年12月から2019年2月にかけて開講されました。また、その一環として2月25日~26日に一泊二日のサテライトセミナーが行われました。

これは工学系の国際大学院プログラム「超スマート社会構築のさきがけとなる国際的な研究者・技術者の育成特別プログラム(SSSEP)」「先端物質創成による超スマート社会実現のための高度人材育成特別プログラム(SSMCT)」「包摂的な社会と持続可能な環境のための国際技術者育成プログラム」に共通する広域教養科目で、2008年の第1回から数えて12回目の今回は、15ヵ国から履修学生48名、TA(ティーチング・アシスタント)9名、教員7名が参加しました。

英語による授業等により修士もしくは博士の学位を取得することができる大学院プログラム

発電所前の集合写真

発電所前の集合写真

SETの今年度のテーマは「Energy and Global Environment(エネルギーと地球環境)」。全6回の座学形式の講義と一泊二日のサテライトセミナーで構成されました。

座学形式での講義では、一般財団法人 電力中央研究所や公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES:アイジェス)を含む外部機関の方々による講義が行われ、現在のエネルギー需要や省エネ技術から、持続可能な社会に向けた取り組みに関して幅広く学びました。

これらの講義を踏まえたサテライトセミナーでは、1日目に城山発電所の見学と、IGES本部でのゴミ問題に関するグループディスカッション、2日目には授業テーマである「エネルギーと地球環境」に関するグループワークの成果発表会を行いました。

サテライトセミナー1日目に訪問した神奈川県相模原市の城山発電所は、日本で稼働する最も古い揚水式発電所の1つです。ここでは、東京電力管轄内の余った電力を使用し、津久井湖から人工の城山湖にくみ上げて貯水します。そして、東京電力の要請に応じてくみ上げられた水で水力発電を行います。

地下230メートルに設けられた発電室では、揚水時にはモーターに、発電時には逆回転して発電機となる発電電動機を見学しました。最大250,000 kWを発電することができる発電機の構造を詳しく説明していただき、関東の電力を調製する発電所の規模を体感しました。

地下発電施設

地下発電施設

続いて午後は、神奈川県葉山町のIGES本部を訪れ、IGESの研究員の方々から、カンボジアの首都プノンペンにおける事例をもとに持続可能なゴミ処理について講演をいただきました。プノンペンでは、現状はほとんどのゴミが回収された後そのまま埋め立てられているそうです。この現状を改善するにはどのようなシステムを導入するべきかというテーマで、講演のあとにグループディスカッションを行いました。

ゴミ問題を改善するにはリサイクルや焼却工場など優れたシステムをただ導入するだけでなく、現地の住民たちがゴミに対してどのようにかかわりあっているかを考察し、実現の可能性を議論する必要があるということを学びました。

IGESでのグループディスカッション

IGESでのグループディスカッション

IGESでのグループディスカッションを終えた参加者は、神奈川県三浦市にあるセミナー用の宿泊施設に移動し、夕食時には15ヶ国からの参加者がそれぞれ母国の魅力や独自性について、母国の歌や楽器の演奏を交えて紹介しました。夕食後は、2日目のグループワークの成果発表に向けて、各班夜遅くまで最終調整を行いました。

1日目夕食後の最終調整

1日目夕食後の最終調整

サテライトセミナー2日目には、「エネルギーと地球環境」をテーマにグループワークの成果発表が行われ、全9グループが15分間のプレゼンテーションおよび10分間の質疑応答を行いました。

専攻や国籍の異なる学生6名とTA1名から構成された各グループからは、エネルギー問題やごみ問題などの世界的な問題を解決するために、既存の技術の評価や真新しい技術の提案がなされ、持続可能な社会を実現するための様々なアイデアを共有しました。また、活発な質疑応答によって、それぞれの提案について実現の可能性が議論されました。

発表後には、教員とTAの投票により、優秀発表賞3グループと、質疑応答の仕方が優れたベストディスカッサー3名が表彰され、教員からの講評の後、サテライトセミナーは幕を閉じました。

グループ
タイトル
1
Shock !!! The Best Next Generation Vehicles Turn to be ...
2
Environmental Server Cooling
3
Hydrogen and Fuel Cell
4
Community Based Waste Management : Waste Monetisation Through Recycling and Energy Conversion
5
Can Green Go Back
6
Future of Sustainable Infrastructure – Smart Building
7
Possible Solution for Marine Plastic Pollution
8
Decentralization Energy System in Beijing
9
Carbon Neutral Technologies to Mitigate Carbon Emission in Energy Sector

セミナーの発表風景

セミナーの発表風景

セミナー後の集合写真

セミナー後の集合写真

参加学生のコメント

手塚沙也可さん(物質理工学院 材料系 修士課程1年)

「持続可能な社会に向けた、エネルギーと環境問題」という非常に幅広いテーマの中から、班のオリジナリティのあるテーマを選定することが初めの困難でした。また、様々な専門を持つ学生が、母語ではない言語で、1つのテーマについて議論を深めることは容易ではなかったですが、TAのアドバイスもあって、発表へこぎつけることができました。プレゼンテーションの準備から発表、質疑応答に至るまで、参加メンバーの高いモチベーションに刺激をうけました。このような貴重な機会を提供してくださった、電力中央研究所およびIGESの先生方、見学会でお世話になった城山発電所の方々に感謝いたします。

お問い合わせ先

環境・社会理工学院 土木・環境工学系 竹村次朗

E-mail : jtakemura@cv.titech.ac.jp

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