東工大ニュース
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令和元年秋の叙勲において、小門宏名誉教授が瑞宝中綬章を受章しました。長年にわたる教育と研究への多大な貢献が評価されたものです。
小門宏名誉教授(1992年4月称号授与)は、早稲田大学 第一理工学部 応用化学科を経て東京工業大学 大学院理工学研究科に学び、1958年3月に同博士課程(化学専攻)を修了、同年5月に本学助手に採用されました。助教授を経て、1970年11月に工学部附属印写工学研究施設教授となり、のちには工学部附属像情報工学研究施設長、附属図書館長津田分館長の任も務めました。教育面では、大学院総合理工学研究科 物理情報工学専攻を担当。1991年4月からは千葉大学工学部画像工学科に移籍し、1997年に定年退職しました。
この間、現用事務複写機の基本技術である電子写真技術、さらにコンピュータの出力情報の可視化技術の材料面での研究に従事。学会活動では、電子写真学会(現、日本画像学会)会長、日本写真学会会長などを務めました。
受章通知に接して驚き、思いもよらぬ光栄に戸惑った、というのが私自身の最初の気持ちでした。次いで、いくつかの祝電や電話を頂戴するにつれ、今までご指導やお励ましをくださったたくさんの方々を思い浮かべ、感謝の思い、懐かしい思いが沸いてきました。思えば、学生時代を含め、本学で過ごした35年間、非常に良い環境で楽しく仕事をさせていただきました。仕事だけでなく、生き方の面でも、諸先輩から多くを学びました。教職員、学生、そして研究と関わりのあった学外の人たちとの出会いは、私の生涯の大事な宝となりました。そして、一人ひとりを大切にしながら、皆で協力して新しい世界を切り拓いて行く、本学のそんな雰囲気が、とても好きでした。
こうした環境を築き上げてこられた諸先輩のご努力に頭が下がります。今後、本学を取り巻く社会情勢が変わることがあっても、この雰囲気がいつまでも保たれることを望んでおります。