東工大ニュース
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東京工業大学は、全学生を対象に、大学の教育環境や施設、学内サービスなどについて意見を聞く「学勢調査」を2年に一度、行っています。学生スタッフが主体となって、アンケートの調査内容を検討し、設問作成、調査結果の集計、分析に取り組み、学生の意見や提言を大学に伝える、他に例を見ない本学独自の取り組みです。大学側は学生からの提言を受けて、改善や対応を進めます。国勢調査になぞらえ「学勢調査」と名付けられています。
2020年夏に実施した「学勢調査2020」の調査結果と分析に基づく大学への提言書を3月31日、益一哉学長に提出しました。
学勢調査2020の学生スタッフは2019年から質問内容について議論を行い、2020年6月22日から7月22日までウェブでアンケート調査を行いました。8回目の今回は過去最高となる2,982名の学生から回答がありました。14名の学生スタッフによってデータの集計と解析、キャンパスミーティング(各関係部局教職員との意見交換)が行われ、学生スタッフ間での熱心な討論を経て提言書としてまとめられました。
今回の調査は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策で学生は原則登校できない期間に行ったため、例年とは異なる声が寄せられました。学生スタッフもオンラインの会議を重ねて提言をまとめました。
学生スタッフの代表4名は3月31日、大岡山キャンパスのTaki Plaza(タキプラザ)で益学長、水本哲弥理事・副学長(教育担当)に今回の調査の概要と提言の説明をした後、意見交換を行いました。益学長が全ての項目について、現在の大学の状況なども含めて説明し、大学の将来像について議論しました。
その後、本学の教育に係る重要事項を審議する教育研究評議会でも、学生スタッフ代表が提言内容を説明しました。また、学内関係部局をはじめすべての教職員と全学生に通知するとともに、附属図書館やウェブサイトでも公開しています。
2020年度の学勢調査は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が日本国内でも拡大していた2020年6月から同年7月の1ヵ月間で行われました。当時、学生はキャンパスに足を踏み入れることすらできず、オンラインによる遠隔授業のため、大学から遠く離れた場所で授業を受けざるを得ませんでした。このような状況下で、学生たちが抱える不満や意見といった学生の生の声を伝える学勢調査は、いつにも増して大きな役割を担っていたことと思います。そのため、大学執行部と学生の情報交換だけでも密に保たなければいけない、と学生スタッフ一同、並々ならぬ思いで提言書作成に臨みました。
本提言作成を通じ、困難な状況下でもあきらめず、時に多くの人と協力し工夫することの大切さを学びました。この学びは私のこれからの研究生活においても非常に大切になるのではないかと思っております。
激動の時代において本提言書が大学全体の調和をとり、より良い方向へ進む導きとなれば幸いです。