東工大ニュース
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東京工業大学博物館は8月29日、オンラインで親子科学教室を開催し、全国から20名が参加しました。「ウニの殻を観察し、ランプに変身させよう」をテーマに、ウニランプを製作しました。東工大基金を活用した理科教育振興支援「ものつくり人材の裾野拡大支援プロジェクト」の後援を受けています。
2018年度および2019年度も、生命理工学院の協力のもと、夏休み期間中に大岡山キャンパスで対面での科学教室を実施しました。2020年度はコロナ禍の影響により開催できませんでしたが、今年度はオンライン形式で実施しました。また、2019年度までは近隣の区の小学生を対象に参加者を募りましたが、今年度は対象を全国に拡大しました。その結果、募集開始から1週間ほどで、20名の枠を大幅に上回る165名の応募がありました。
抽選で当選した参加者あてに、事前にウニの殻と工作キットを送りました。当日は、参加者全員へ講義を行ったあと、小グループに分かれて工作の指導を行いました。講義では、生命理工学院の濱口幸久名誉教授が、棘皮動物のからだの構造や働きに関する説明を行い、参加者は、海水中のウニが砂や砂利の中に潜る運動や、ヒトデが体を柔らかくして反転する様子を動画で見ながら学びました。
次に、4~5名の小グループに分かれました。濱口研究室の卒業生らを中心とするスタッフが各グループを1人ずつ担当し、ウニランプの製作の指導を行いました。棘皮動物のからだの構造について学んだあと、事前に送付したウニの殻を観察することで、学習を深めてもらうことが狙いでした。そして、観察が済んだウニの殻をランプに加工しました。
ウニランプを手元に置いておくことで、コロナ禍の中、海辺へ行くことができなくても、海の生物を身近の存在として感じてもらえます。アンケートでは、生活に身近な科学に対し興味を持つきっかけになるテーマだったとの高評価もいただきました。長めにとった質疑の時間には、参加者からチャットなどを通じて積極的に意見を出していただき、時間いっぱいまで会話は途絶えませんでした。