東工大ニュース
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「夏の電脳甲子園」として、高校生・高専生が4日間をかけて難題を解くプログラムを作成し、その性能を競う「スーパーコンピューティングコンテストSuperCon(スーパーコン)2021」(以下、スーパーコン)の本選が、8月23日から8月27日にかけて開催されました。
スーパーコンは、高等学校もしくは高等専門学校の高校相当学年の学生からなる2~3人のチームが、スーパーコンピュータを駆使して難問を解くプログラミングコンテストで、これまでは東京工業大学学術国際情報センターと大阪大学サイバーメディアセンターが共同主催として実施してきました。従来は、東日本会場(東工大)と西日本会場(大阪大)に、高校生・高専生チームが集い、コンテスト本選に参加するという形式で実施してきました。新型コロナウイルス感染症拡大により昨年は本選を中止し、今年はリモート形式で実施しました。
今回より、理化学研究所計算科学研究センターが共同主催に加わり、本選では、スーパーコンピュータ「富岳」が使用されました。今回のプログラムの作成では、いかに富岳の特徴を生かして効率よく計算を実行するプログラムを作るかということがポイントとなりました。
感染症の流行予測や解析に数理モデルが広く使われている。簡単な数理モデルでは社会をひとつの大きな集団とみなすが、実際の社会は人々が密に接触する集団(たとえば会社や学校、あるいは年齢で分かれたコミュニティなど)がいくつも集まって構成されている。いったんひとつの集団の中で誰かが感染すると、それは集団の中で早く広まるだろう。それに対して、感染症が集団の間で伝わるのはそれより遅いに違いない。しかも、直接つながりがある集団同士では比較的早く伝わるが、間接的にしかつながっていない集団の間では伝わるのに時間がかかるはずである。ところが、集団同士がどのようにつながっているかは簡単にはわからない。 そこで、逆に感染症の伝わりかたから集団同士のつながりかたを推測してみよう。
発表会・表彰式は8月27日に、リモート形式で開催されました。大阪大学の尾上孝雄理事・副学長による開会の辞の後、東工大の益一哉学長から開会のあいさつが行われました。その後、文部科学省研究振興局の杉野剛局長、情報処理学会の高岡詠子教育担当理事、電子情報通信学会コンピュテーション研究専門委員会の増澤利光委員長の来賓あいさつが行われました。
続いて、本選課題・審査方法の説明等について、スーパーコン実施委員会委員長である大阪大学サイバーメディアセンタ-の菊池誠教授より説明がありました。結果発表では、1位 チームCitrus(灘高等学校)、2位 チームNPC(N高等学校)、3位 チームNovice(灘高等学校)が発表され、表彰状の授与が行われました。あわせて、学会奨励賞(電子情報通信学会情報・システムソサイエティスーパーコンピューティング奨励賞、情報処理学会若手奨励賞)がチームCitrusに授与されることが発表されました。
順位 |
チーム名 |
学校名 |
---|---|---|
1 |
Citrus |
灘高等学校 |
2 |
NPC |
N高等学校 |
3 |
Novice |
灘高等学校 |
発表会・表彰式終了後は、スーパーコン実施委員会メンバーと高校生チームメンバーとの交流会がリモートで実施されました。特に、参加チームの提出プログラムにおける工夫点や「どのようにしてそのようなアイデアを思いついたか?」ということについて、それぞれが1時間以上語り合いました。