東工大ニュース

「多様性」について徹底的に「考える」

「第1回Taki Plaza講演会」を実施

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公開日:2021.12.13

東京工業大学は、10月27日、Hisao & Hiroko Taki Plaza(ヒサオ・アンド・ヒロコ・タキ・プラザ 以下、Taki Plaza)において、第1回Taki Plaza講演会『「多様性」について徹底的に「考える」』を、学生支援センター未来人材育成部門、学務部学生支援課支援企画グループ、一般社団法人蔵前工業会共催のもと開催しました。

この講演会は、本学の卒業生で、株式会社ぐるなび取締役会長・創業者の滝久雄氏の支援を受けて立ち上げた、Taki Plazaを拠点として活動する東工大生を応援する「未来人材応援プロジェクト」の4つのSessionの内の「Session2 講演会」となります。

「未来人材応援プロジェクト」ポスター 屋嶋さん作
「未来人材応援プロジェクト」ポスター 屋嶋さん作

講演会ポスター 柳瀬さん作
講演会ポスター 柳瀬さん作

Taki Plazaのコンセプトである「多様性」に鑑み、『「多様性」について徹底的に「考える」』をテーマとし、多様な分野の専門家による講演を行いました。対面で62名、オンライン配信で153名、延べ215名の参加がありました。

講演会の会場となった Taki Plaza B2Fイベントスペース

講演会の会場となった Taki Plaza B2Fイベントスペース

司会は、プロジェクトのメンバーであり、Taki Plaza活用検討として開催された学生ワークショップ「東工大グランプリ」の立ち上げに関わった理学院化学系化学コースの屋嶋悠河さん(修士課程2年)と、Taki Plazaを運営する学生団体・Taki Plaza Gardener(タキプラザ・ガーデナー)のリーダーで環境・社会理工学院融合理工学系の柳瀬梨紗子さん(学士課程2年)が務め、開会を宣言しました。
次に水本哲弥教育担当理事・副学長が、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、思うような交流イベントが消化しきれない時期が続きましたが、今後Taki Plazaがにぎやかで多くの学生の集まる空間になることに思いを馳せ、第1回目のTaki Plaza講演会を開催することといたしました」と開会の言葉を述べました。

開会宣言をする屋嶋さん(右)と柳瀬さん(左)
開会宣言をする屋嶋さん(右)と柳瀬さん(左)

開会挨拶をする水本理事・副学長
開会挨拶をする水本理事・副学長

第1部では、滝氏、株式会社隈研吾建築都市設計事務所主宰の隈研吾氏、元素戦略研究センターの細野秀雄特命教授が登壇し、『「多様性」について徹底的に「考える」』について話しました。

学生帽姿の滝氏
学生帽姿の滝氏

はじめに、Taki Plaza創設にあたり寄付及び多大な尽力をした滝氏が、卒業式以来に被ったという学生帽姿で、「授業以外でも留学生に積極的に声をかけ、共に食事をし、お互いの文化について話し合うなど、日々の生活の中で自然に留学生とつながることが東工大生の多様性にもつながっていくことだと思います」とユーモアたっぷりに話し、会場は大いに盛り上がりました。

Taki Plaza設計者である隈氏は、「コロナ禍で、都市で多様性とは真逆のストレスにあふれた世界に住んでいた人たちの生活が変わり始めました。超高層ビルによって失われた「野原」が戻ってき始めています。「野原」とは、いろいろ人が自由に歩きまわることができ、多様性が許容できる場所です。Taki Plazaにはその「野原」になってほしい」と話し、実際、Taki Plazaの屋根に植えた緑が、オープン当初より育ち、日々「野原」に近づいている様子を大変喜ばれていました。

第1部の最後は、細野特命教授が登壇し、学生との質問形式で、物質と材料について、元素戦略、IGZO薄膜トランジスタ(TFT)、つばめBHB等、自身の研究について話しました。また、優れた研究者の育つ条件として、魅力的な課題(大きな社会的インパクトと未開拓でワクワクする新領域)、開放性(自由で徹底的な議論ができる学会)、下克上(若くても成果次第で大きな自由度)の3つを挙げ、学生に「生意気になってほしい」、「生意気というのは自分の意見を強く言えるということ。強く言ったことに責任を持つために一生懸命研究に励んでほしい」と伝え、学生にエールを送りました。

参加した学生はメモをとったり、スライドをみて感嘆の声を上げたり、登壇者の話に熱心に耳を傾けていました。

シンガポールの「Founders’ Memorial」の説明をする隈氏
シンガポールの「Founders’ Memorial」の説明をする隈氏

元素戦略について説明する細野特命教授
元素戦略について説明する細野特命教授

第2部では、事前に学生から集めた質問をもとに、司会の屋嶋さんと柳瀬さんがモデレーターを務め、第1部の講演者、滝氏、隈氏、細野特命教授に加え、水本理事・副学長を交えてパネルディスカッションを実施しました。
バトンリレー式にパネラーに質問しながら進めていく形式をとり、「建築と材料では全く分野が異なると思いますが・・」、「いえいえ、材料でイノベーションがあることでよい建築ができるので材料と建築は実は非常に関係が深いのです」等、専門分野の異なるトップランナー同士が楽しそうにコメントをし、この講演会でこその貴重な話をたくさん聞くことができました。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

閉会挨拶をする岡村副学長
閉会挨拶をする岡村副学長

最後に、学生支援センター長・岡村哲至副学長が「多様性について考えると、個についても考えなければならないことに気付きました。多様性のなかで自分自身はどの立ち位置にいるのか改めて考え直す良い機会となりました」と述べました。

Taki Plaza講演会は学生を対象に今後も継続的に開催していく予定です。

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お問い合わせ先

学務部 学生支援課 支援企画グループ

E-mail : gak.sie@jim.titech.ac.jp

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