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東工大とANAグループが連携 歩行支援ロボットを利用した初の実証実験を実施

健康に歩き続けられる新たな旅スタイルをめざして

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公開日:2021.12.15

概要

東京工業大学とANAグループ(以下「ANA」)は、12月3日、ロボットの歩行支援によって旅行者が元気になる、新たな旅スタイルの創出をめざす連携について発表しました。東工大の三宅美博研究室が研究・開発を進め、東工大発ベンチャーのWALK-MATE LAB株式会社が製品化した歩行支援ロボット「WALK-MATEを装着して歩行する実証実験を、ANAのプロデュースにより「旅」を舞台に初めて実施します。移動や旅行を躊躇していたシニアなどの方々が、自分の足でしっかりと歩ける楽しさを再発見することで元気と自信を取り戻し、歩行の改善が図られることで、健康寿命の延伸につながることが期待されます。

歩行支援ロボット「WALK-MATE」

歩行支援ロボット「WALK-MATE」

第1弾として、香川県善通寺市の四国八十八ヶ所72番札所である曼荼羅寺から73番札所の出釈迦寺までの上り坂(約500 m)を、「WALK-MATE」を装着して歩く実証実験を12月13日に実施しました。一般の参加者6名にご協力いただくことで、歩行支援ロボットを装着して旅をすることの効果と課題を検証します。

四国八十八ヶ所を巡るお遍路は、弘法大師と一緒に旅をする「同行二人」と言われています。「WALK-MATE」は総本山善通寺法主である真言宗善通寺派の菅智潤管長より「同行二人」ロボットと認定され、今回の取り組みは歩行支援ロボットによって「同行二人」を実現する新たなお遍路の形となります。シニアを中心に人気のある四国八十八ヶ所参りが、最新技術によって注目され、より多くの人が四国を訪れるきっかけとなって旅行者が増えれば、地元の地域創生にもつながります。

ANA

東工大とANAは、最新テクノロジーを適用した新たな旅スタイルを創出することにより、今後全国の地域が活性化し、人と社会を元気にすることに貢献していきます。また、高齢化が進む日本社会において、シニアに元気になってもらうきっかけを提供するとともに、健康寿命の延伸とシニアの移動促進を推進してまいります。

歩行支援ロボット「WALK-MATE」:東工大発ベンチャーのWALK-MATE LAB株式会社にて製品化された、人と「間(ま)」が合う歩行支援ロボット。一般的なパワースーツとは違い、四肢の動作のアシストだけではなく、自力での歩行をリズムで支援し、自然で活発な歩行に改善するための機器。2018年より医療機関に歩行トレーニング用として提供されている。

香川県善通寺市での実証実験について

1. 背景

「WALK-MATE」は三宅研究室が長年研究を重ね、医療機関や介護施設などでリハビリ用に利用され、2021年8月からは保険診療ともなった歩行分析機能が追加された、歩行支援ロボットである。これをさらに広く社会で利用し、多くの人の健康寿命を延ばすことに貢献したいという三宅研究室の想いと、高齢化社会の日本において、シニアをはじめすべての方々が元気になることで新たな旅行や移動の需要を開拓し、地域を活性化したいというANAの想いが一致し、今般、産学連携で取り組むこととなった。

2. 実施概要・検証ポイント

初めての実証実験では、一般の参加者6名に、四国八十八ヶ所72番札所である曼荼羅寺から73番札所の出釈迦寺までの500mの上り坂を「WALK-MATE」を装着して歩いていただく。歩行データとアンケートを分析し、効果と課題を検証していく。

3. 東工大三宅研究室とANAの役割

東工大三宅研究室

研究成果の提供、全体のコンセプトキープ、アンケート作成&分析、歩行支援ロボット準備、当日の機器対応、結果データ分析。

ANA

総合プロデュース、プロジェクトマネジメント、全体調整、事前の現地調整、参加者募集、当日の運営、アンケート実施。

株式会社ANA総合研究所が中心となり、ANAあきんど株式会社 高松支店と連携して対応

4. 社会へのインパクト

本企画を推進することにより、参加者や社会へ新たな価値の提供が期待できる。

ステークホルダー

メリット

参加者

新たな体験。参加をきっかけとして日常の歩行が改善され自信と元気を取り戻す。新たな旅スタイルで楽しさを再発見する。

地域社会

地域のPRと交流人口の拡大による地域創生。地域のシニアが元気になることによる地域の活性化。

5. 今後の予定

  • 更なる実証実験の企画
  • モニターツアー実施
  • ツアー販売

など。実験実施結果の分析の上、ツアー以外の展開も含め、可能性を探っていく。

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お問い合わせ先

ANAホールディングス株式会社
広報・コーポレートブランド推進部

Tel : 03-6735-1111

東京工業大学 総務部広報課

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

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