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星野歩子准教授と雨宮智宏助教が2021年度「東工大の星」支援【STAR】に決定

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公開日:2022.04.01

東京工業大学は、2021年度(第9回)「東工大の星」支援【STAR】(Support for Tokyo Tech Advanced Researchers)の採択者に、生命理工学院 生命理工学系 星野歩子准教授と科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 雨宮智宏助教の2名を学長および研究・産学連携本部長の協議により選考し、3月7日に発表しました。

「東工大の星」支援【STAR】とは、東工大基金を活用し、将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者や、基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者へ大型研究費の支援を通じて、次世代を担う本学の輝く「星」を支援するものです。

受賞者の研究概要とコメント

生命理工学院 生命理工学系 星野歩子准教授

研究概要『細胞外微粒子エクソソーム含有タンパク質:病態寄与機構と疾患バイオマーカー解析』

生命理工学院 生命理工学系 星野歩子准教授

エクソソームとは、全ての細胞が産生しているナノサイズの小胞です。細胞の不要物を除去するゴミ処理機構として知られていましたが、2000年代になり、他の細胞へ取り込まれることがわかり、細胞間での情報媒体としても機能していることが分かりました。私たちはこれまでに、がん細胞は「エクソソーム」をいち早く転移先の臓器に送り込み、その環境を変えることでがん細胞が転移できる場所を作り上げることを明らかにしました。また、エクソソームに含まれる情報は体内状態を反映し、がん種の同定など、数多くの疾患のバイオマーカーとして期待されています。私たちは、これまでに定量的な診断方法が確立していない疾患、そして発症や進行機序が明らかになっていない病態について、エクソソーム研究で新たなマーカーの探索や新規治療法の開発を目指しています。将来的には、疾患から観察できる、正常でのエクソソームの役割についても紐解き、それぞれの細胞がエクソソームを使った情報交換をする身体的意義についても明らかにしていきたいと思います。

受賞のコメント

この度は「東工大の星」支援にご採択頂きましたこと、大変光栄に存じます。東工大基金をご支援頂く皆様および選考委員の皆様に心より御礼申し上げます。この様なご支援の形があるからこそ挑戦できる研究が数多くあると思っております。エクソソーム分野もそうですが、まだまだ発展途上である研究分野において「やってみる」という意識と行動は、研究の発展において非常に大切だと思っております。その中で、自由度が高い経済的サポートをご提供頂ける本支援制度は、まさに挑戦の一歩を促してしていただいていると感じております。本ご支援のもと、未来に資するエクソソーム研究の発展に邁進していく所存であります。
日頃から私の研究生活を支えてくださっている多くの先生方や研究室の皆さんに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 雨宮智宏助教

研究概要 『フォトニックナノ構造で拓く分野横断型研究』

科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 雨宮智宏助教

フォトニックナノ構造とは、光の波長以下の微細構造を一定の周期性をもって並べたものであり、構造内の光と物質の相互作用を利用して、様々な光の操作が可能となります。現在までに、ナノプロセス技術を用いて半導体や金属を微細加工することで、様々な構造が実現されています。
 私はフォトニックナノ構造の中でも、特に "メタマテリアル" と "トポロジカルフォトニック結晶" にスポットを当てて研究を推進しております。メタマテリアルについては、自由空間において光を自在にコントロールできる特徴を活かして、光学迷彩をはじめとした新機能の実現を目指しています。また、トポロジカルフォトニック結晶は、光の分野に数学の位相幾何学の概念を持ち込むことで、光の2つの内部自由度(軌道角運動量とスピン)を体系的に制御することが可能となります。それらを通信や分光に応用することで、従来技術の枠組みを超えたデバイス・装置の実現を目指しています。

受賞のコメント

この度は、「東工大の星」支援に採択されましたこと、誠に光栄に存じます。東工大基金の寄附者の皆様および選考委員の皆様に厚く御礼申し上げます。また、これまでご指導いただいた諸先生方、共同研究者の皆様、ともに研究に邁進している研究室メンバーにも、この場をお借りしまして心より感謝を申し上げます。本ご支援のもと、より一層精進し、社会のために役立つよう研究を進めてまいりたいと考えております。

授賞式での集合写真(左から)雨宮助教、益一哉学長、星野准教授

授賞式での集合写真(左から)雨宮助教、益一哉学長、星野准教授

「東工大の星」支援【STAR】の概要

目的

東工大基金を活用し、本学における優秀な若手研究者への大型支援を実施することにより、本学の中期目標である基礎的・基盤的領域の多様で独創的な研究成果に基づいた新しい価値の創造を促進し、もって、学長の方針に基づく本学の研究力強化に資することを目的とします。

支援対象者

公募によらず、様々な業績を勘案し、学長及び研究・産学連携本部長の協議により決定します。

観点

  • 将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者
  • 基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者

役職等

若手研究者を准教授以下(原則40歳以下)とします。

生命理工学院

生命理工学院 ―複雑で多様な生命現象を解明―
2016年4月に発足した生命理工学院について紹介します。

生命理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

工学院

工学院 ―新たな産業と文明を拓く学問―
2016年4月に発足した工学院について紹介します。

工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

東工大基金

この支援事業は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

研究推進部研究企画課総務グループ

E-mail : ken.award@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3805

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