東工大ニュース
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東京工業大学は中高生や高専生の理系進路選択を応援するため、11月26日に女性活躍応援フォーラム「理系+(プラス)~理系を超えたその先に~」を、Taki Plazaを会場に対面とオンラインのハイブリッド形式で開催しました。この女性活躍応援フォーラムは、社会課題のひとつである女性理工系人材の育成や裾野拡大を目的としています。当日会場には、中高生とその保護者など約100人が来場し満席となり、オンラインを含めて230人を超える参加となりました。理系進学にはどのような魅力があるのか、理系出身者の社会における現実とは、理系を超えた先に何が待っているのかなどについて、参加者と一緒に考える一日となりました。
はじめに、益一哉学長があいさつとして、東工大はダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進に取り組んでおり、多様性を互いに認め合い、一人一人が創造性を生かして活躍することができる大学にしたいと話しました。
第1部の生命理工学院の田中幹子教授による基調講演「体の形の進化に魅せられて」では、自身の研究分野に触れながら、大学進学からの研究者としての歩みや、海外でのキャリアパスの紹介がありました。加えて、東工大は入学後のサポートシステムが手厚く安心して学べる環境であることや、女子学生の進路の状況、ラボにおける女子学生の研究紹介がありました。
第2部の「先輩たちのパネルティスカッション『私たちのありたい未来って? それなー!』」では、パネリストに3人の卒業生と2人の在学生が登壇しました。卒業生からは、公的研究機関の研究員を経て保育士となり、独自のコンセプトで保育園や子どもの学びの場をつくる社会起業家の舘野春香氏、博士後期課程修了とともに建築設計事務所を設立し、大学でも教員として学生に教えながら、しくみや制度を横断する空間づくりに取り組んでいる金野千恵氏、旅客機向けジェットエンジンの開発設計に携わるエンジニアの赤上佐織氏が、在学生からは、物質理工学院 材料系の辺見桃音さん(学士課程4年)、環境・社会工学院 土木・環境工学系の大河原早紀さん(学士課程3年)が、それぞれのキャリアや大学生活について紹介しました。
ファシリテーターには、本学卒業生でもある日刊工業新聞社論説委員の山本佳世子氏を迎え、基調講演を行った田中教授もパネリストに加わりました。テーマは、理系選択のきっかけや、やりたいことをどう見つけたか、保護者は文系を勧めるが理系に進みたいという悩みについて、理系のメリット・デメリット、東工大のこれからをどう感じているかなど、パネリストの経験をもとにさまざまな視点からディスカッションが行われました。
第3部の「会場とのQ&Aタイム」では、進行役を女子高校生理工系進学サポーターの野村彩乃さん(工学院 機械系 修士課程1年)にバトンタッチし、参加者からの多くの質問について、パネリストから回答やアドバイスがありました。
次に、このフォーラムを振り返って、本学ダイバーシティ推進室女性等活躍支援部門長の野村淳子マネジメント教授が「実際にキャンパスに来ると、オープンな雰囲気や、学生や卒業生が非常に生き生きとしているのを感じていただけたと思います。皆さんが将来の居場所として東工大を考えていただくことを願い、そして入学されたときには、はつらつと活躍できるよう、よりよい環境を整えていきたいと思います」と力強くメッセージを述べました。
続いて、今回のフォーラムをはじめ、東工大の女性活躍推進の取り組みに賛同し支援する応援企業9社が、企業内における女性活躍への取り組みなどを紹介しました。働く環境が整えられ、女性社員の育成にも力を入れている各企業の最新事情を、中高生や高専生、その保護者が知る機会にもなりました。
終了後のアンケートでは、「理系に進んでいろいろな道があることが分かった」「今回のディスカッションで理系の進むべき方向が少しわかってイメージしやすくなりました。女性がたくさん活躍していておどろいた」「今日のイベントで大学へのイメージがガラリと変わりました。是非娘に進学を考えてほしいなと感じました」などのコメントが寄せられました。