東工大ニュース
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公開日:2023.06.22
東京工業大学には数学、物理学、化学、地球惑星科学、生物学などのまだ解明されていない自然現象の解明や法則を探求する研究者や、工学技術、新材料開発、情報科学、環境・社会学などを通じて、まだ世の中に存在していない最新テクノロジーを生み出し、それらを社会へ適用することを試みている研究者もいます。東工大の4人の研究者がそれぞれの研究テーマと自身の思いを動画を通じて語ります。
太古の時代の地球はどんな環境だったのでしょうか? どんな大気や大陸があって、どんな生物たちが棲んでいたのでしょうか?上野教授の研究チームは、現在も地球に残されいる様々な時代の岩石を世界中から収集し、それらに記録された情報をひもとき、過去の環境や生命の歴史を探る研究をしています。動画では、現在までに解き明かされた成果と今後の目標について紹介します。
生物の特徴や機能などの情報すべてが集まっているゲノムは、いわば生物の設計図です。2003年に、人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の解読が完了すると、難病治療などのためにDNAを意図的に切断したり、遺伝子を書き換えるための編集ツールの開発を進め、2020年にはゲノム編集ツール「CRISPR-Cas9」の開発者にノーベル化学賞が贈られました。刑部教授が率いる研究室では、世界初のゲノム編集ツール「TiD」を開発し、より安全なゲノム編集を利活用するための研究をさらに進めています。
情報生命物理学研究室を主催する瀧ノ上教授は、DNAの塩基配列として分子に情報を組み込むことで分子コンピュータ(あるいはDNAコンピュータ)を構築し、それを応用して、人工細胞や分子ロボットを生み出そうと研究開発を進めています。また、DNAコンピュータは、DNA塩基配列の設計による情報の制御によって、電子回路と同様に情報処理ができることが特徴となっています。まだ解き明かされていない生命の営みの解明を目指し、物理学、情報科学、生命科学など多岐にわたる研究分野の知見を集結させ、生命現象の解明を一歩ずつ前進させています。
新しい先端技術の導入や、栄養状態・衛生環境の向上に加え、医療の飛躍的進歩によって、これまで治療が難しかった病気を克服することができる時代になりました。人生100年時代と言われる今、この先には何が求められるのでしょうか。林教授の研究室では、AIによるタンパク質の画像解析を用いたAIプロテオミクスを通じて、一歩先の健康管理と豊かな社会づくりを目指しています。