東工大について

平成30年度学位記授与式(学士課程) 式辞

平成30年度大学院学位記授与式式辞

本日、ご来賓、ならびに、列席の本学役職員、部局長とともに、平成30年度学位記授与式を行えますことは、本学全構成員の大きな慶びでございます。

晴れて、本日、学士の学位を授与される皆さん、おめでとうございます。

本学は、昨年3月に、指定国立大学法人に認定されました。全国に86ある国立大学の中から、指定国立大学法人であるのは6大学であり、その一つが東工大です。皆さんは、世界に大きく発展をしてゆく東工大で勉学に励まれました。改めて、心からお祝いを申し上げます。

海外からの留学生の皆さんは、日本での勉強と研究に多くの困難があったかもしれません。それを乗り越えられたことに、敬意を表します。本日ここにいる学生諸君が卒業を迎えることができますのは、ご家族や関係者の皆様の、たゆまないご支援があったからこそです。

深く感謝申し上げます。

学士課程を卒業し就職して社会人となる皆さん、大学院課程に進学する皆さん、それぞれに夢と希望を持っていると思います。本日、学士の学位を授与され社会人となる皆さんには、日本一の理工系総合大学である東工大の卒業生としての誇りを持ち、本学で培った専門基礎力を元に、社会貢献を果たすべく、与えられた業務に果敢に取り組み、柔軟な思考力をもって、様々な場面で気概を持って邁進してください。また、大学院へ進学する方には、より専門力を高め、2年後、あるいは5年後には社会人として、人間社会の持続可能な発展に向けて、我が国のみならず、世界の新しい社会を切り拓くことのできる人材に育つことを期待しています。将来、自分を活かせる場と役割に対する夢を意識して、充実した大学院生活を送ってほしいと願っています。

さて、現代は、海図なき時代に入っていると言われます。私がみなさんと同じ学生であった1980年代、携帯電話は、大きな箱、バッテリーを肩から下げるショルダーフォンでした。その後、携帯電話はどんどん小さくなり、2000年代初めにはスマートフォン、2006年にiPhone、更にタブレットも出てきて、いつでもどこでも調べものができ、世界中のニュースや情報を即座に入手できる時代になりました。

このような時代となることを予想できた人がいたでしょうか。

1990年代から、日本でインターネットの利用が普及し始めました。当時、学生と一緒に、一晩かかってパソコンをインターネットに接続し、開通したばかりのインターネットを通じて、クリントン大統領がホワイトハウスで飼っている猫の鳴き声を聴きました。猫の鳴き声を聴いて、「これ、何すんの?」 学生と私が発した第一声です。情報が価値を生むかもしれないと感じましたが、20数年後の今のデジタル革命は、私も含め多くの方々の想像を超えるものでした。このように、技術は、常に進化し続け、我々の予想をはるかに超えて社会や文化までを変化させています。

私たちは、海図なき時代に生きているといえます。

AI(Artificial Intelligence)、IoT(Internet of Things)、Quantum Computing、Big dataの勃興は、あらゆる技術の進化をもたらし、さらに我々の生活、社会、文化にまでに大きな変革を与えるでしょう。

本日、本学を卒業し大海原へ船出する皆さんは、今後いくつものパラダイムシフトに向かい合うでしょう。自ら航路を切り開いていかなければなりません。しかし、恐れることはありません。皆さんは、そのために必要となる知性、そして「志」を育ててきたのです。

また、皆さんは学び続ける力を持っています。自分が面白いと思うことを、信念をもってやり続けていけば、未来を切り拓くことができます。実社会では、何をするにも、自分以外の人との協力、コラボレーションが重要です。Collaborative Challengesの気持ちを持ち、逞しく生き抜いていただきたいと思います。東工大卒業生であることに、誇りと自信を持って、東工大ステートメント「ちがう未来を見つめていく。」を実行してください。科学技術の様々な分野において、社会からの期待に応え、信頼される人間となるために、何事にも積極的に挑戦してください。

皆さんは、「Team東工大」です。

仲間を大切にし、新たな挑戦をする時、何かを知りたい、或いは学びたいと思う時、いつでも母港、Home Portである、東工大へ帰ってきて下さい。東工大は、皆さんのためにあり続けます。

世界のトップレベルの若者たちと東工大の卒業生が力を合わせて、世界の人々が平和で幸福に暮らせる、持続可能なより良い社会を作ることに貢献してくれると信じています。

皆さんの明るい未来を心から祈って、式辞といたします。

卒業、おめでとう!

平成31年3月26日

東京工業大学長 益 一哉

Tokyo Tech 2030

ちがう未来を、見つめていく。
役員・教職員・学生の参加によるワークショップを通じて、2030年に向けた東京工業大学のステートメント(Tokyo Tech 2030)を策定しました。

Tokyo Tech 2030