東工大について

2022年 変わり続ける東工大 ― 未完の完成を目指して

2022年 変わり続ける東工大 ― 未完の完成を目指して2022年 変わり続ける東工大 ― 未完の完成を目指して

2022年を迎え、お慶びを申し上げます。
不安と不確実性の波が押し寄せた昨年、東京工業大学は持ち前の強靭さを発揮し、様々な課題を乗り越えてきました。本年も、さらに大きな変化や試練があるでしょう。本学はこれまで成し遂げたことを踏まえ、より良い未来のために挑戦と創造を続けていきます。

変革期の大学

気候変動やCOVID-19といった問題を乗り越えようと、世界各地でさまざまな指針が示されています。政府や産業の努力のみならず、一人ひとりの意識や生活も変化の必要性が迫られていることは確かです。

変革期の中で、未来を議論し描くこと、実現のための学知の創造は大学の果たすべき大きな役割です。本学は、創立150周年までの10年を更なる飛躍のための準備期間と捉え、「成長」・「人材」・「共創」の各戦略に基づく経営改革を進め、学知の社会還元を積極的に担っています。そして、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の視点から、10年後とその先の未来を見据え、「Team 東工大」一丸となって常に変化を続けます。

益一哉 東京工業大学学長

地球環境保全に向けて

気候変動対策として、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、社会は大きな変革期を迎えています。本学は2021年に学内のエネルギー研究に関わる資源を集約し、非化石エネルギーとその利用システムの革新的な研究開発を行うゼロカーボンエネルギー研究所を設立しました。ゼロカーボンエネルギーとその利用システムを開発し、環境と調和しかつ経済的で持続可能な社会の基盤創成を目的としています。

また情報科学、社会科学、基礎技術開発などを統合しながら産学連携のエネルギー研究やエネルギー人材の育成を行う「InfoSyEnergy(インフォシナジー)研究/教育コンソーシアム」(2019年設立)などにより、太陽光発電などの再生可能エネルギー、水素の活用といった幅広い視点によるエネルギーに関わる研究が推進されています。

ゼロカーボンエネルギーの製造、貯蔵、運搬、効率的な利用、といった要素技術とエネルギーシステム全体としての研究を進めることにより、グリーントランスフォーメーションがもたらす未来エネルギー社会の構築をリードしていきます。

社会での活躍に向けた学生の挑戦を支える

理工系総合大学である本学は「より良い社会を目指し、卓越した専門性とリーダーシップを併せ持つ人材の養成」を教育目標に掲げています。

本学の特徴となる、くさび型教育による教育システムは柔軟に学生の挑戦を支えています。リベラルアーツ教育は、本学の基本であり伝統です。学生が専門的知識や技術を実社会の中で生かすための基盤として、学士課程から博士後期課程までの長期にわたって教養教育のカリキュラムが提供されています。

本学ではアントレプレナーシップというものを起業に限らず、新たな価値を創出して社会を変革する能力であると捉えています。複数実施されているアントレプレナーシップ育成プログラムにおいては、自ら課題を設定し、社会にパラダイムシフトをもたらすことのできる人材の養成に注力しています。

多様なバックグラウンドを持つ人との関わりは、新しい発見や挑戦につながります。留学生を中心とした学生の支援および交流の充実を目指し、2021年に大岡山キャンパスにてHisao & Hiroko Taki Plaza(Taki Plaza)の本格運用が開始されました。すでに学生主体による交流イベントが数多く企画・開催され、未来をつくる若者たちが出会い、絆を深め、未来を語る場として機能し始めています。

Taki Plazaオープニング記念イベント「若葉祭」

Taki Plazaオープニング記念イベント「若葉祭」

大学機能のさらなる強化

本学が目標とする、世界最⾼峰の理⼯系総合⼤学を実現する道筋を示す東工大アクションプラン2018-2023(2019年度)の一つが「経営基盤の強化と運営・経営の効率化」です。これにより、本学教職員が一体となって創造する学知を社会還元することにより、その活動を通して社会から得る信頼と信用を元に資源を獲得し、それらをより大きくして再び社会に還元する「学知の創造と社会実装の好循環」の実現を目指しています。

2021年に打ち出した、田町キャンパスの再開発を契機とする「キャンパス・イノベーションエコシステム構想」は、まさに本学の成長を牽引するドライビングフォースとなります。教育の基盤である大岡山キャンパス、研究を主軸とするすずかけ台キャンパス、企業など社会とのブリッジとなる田町の3キャンパスのそれぞれの特色を生かし、産業を興すことのできるリーダーを養成し、新産業の創出に寄与する機能を実装するという循環を生み出していきます。

「田町キャンパス再開発 完成予想図」NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループより提供

「田町キャンパス再開発 完成予想図」
NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループより提供

さらにJSTによるSTART事業(エコシステム形成⽀援)に、「Greater Tokyo Innovation Ecosystem(GTIE)」が採択されました。起業活動支援プログラムや企業との連携支援など、田町キャンパスをベースに地⽅⾃治体と連携して起業家教育や起業⽀援の充実を図り、世界を変える⼤学発スタートアップを育てるエコシステムの構築を⽬指します。

未完、すなわち創造の連続

学長就任してすぐに発表した、東工大コミットメント2018では「多様性と寛容」を示しました。この数年で大きく社会が変化している中で、改めて、理工系の枠にとらわれない、広い意味での多様な分野や考え方に触れ、自分と異なること、新しいものに対して受け入れる姿勢の重要性を認識しています。

科学技術創成研究院内に2020年に設置された、未来の人類研究センターでは、理工系研究の中心地で、自分のためではなく、自分でないもののために行動する「利他」の学問領域を深めています。本学からこのようなアプローチにより発信することは大きな意義があると考えます。

宮沢賢治は『農民芸術概論綱要』にて「永久の未完成これ完成である」と記しました。私はこの「未完成」であることを、問いを立てビジョンを追求し、そのための努力を惜しまず、創造を続けていくことの喜びであると感じました。これはまさしく研究推進と教育そのものであり、大学に求められているものと考えます。

2022年4月からさらに2年間学長の任を務めるにあたり、本学の学生教職員、ステークホルダーによる「Team 東工大」一人ひとりが次の変化に向かって踏み出せることができるよう、邁進する所存です。

東京工業大学学長
益 一哉

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お問い合わせ先

東京工業大学 総務部 広報課

Email : pr@jim.titech.ac.jp