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第23回スーパーコンピューティングコンテスト本選開催報告

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公開日:2017.11.20

「夏の電脳甲子園」として、高校生・高専生が4日間をかけて難題を解くプログラムを作成し、その性能を競う「スーパーコンピューティングコンテストSuperCon(スーパーコン)2017」(以下、スーパーコン)の本選が、8月21日から8月25日にかけて東京工業大学学術国際情報センターで開催されました。

東工大学術国際情報センター、大阪大学サイバーメディアセンターが主催するスーパーコンは、高等学校もしくは高等専門学校の高校相当学年の学生からなる2~3名のチームが、スーパーコンピュータを駆使して難問を解くプログラミングコンテストで、今年は大阪大学のスーパーコンピュータ「SX-ACE」が使用されました。35チームの応募があり、その中から予選により20チーム(東日本10チーム、西日本10チーム)が選抜されました。本学の会場には東日本10チームが、大阪大学サイバーメディアセンターの会場には西日本10チームが集まり、本選を戦いました。

今年の本選課題

今年の本選課題は「オーディオデータを近似的に圧縮しよう」です。

CDなどのデジタルオーディオでは、元となるアナログ信号を、短い時間間隔でサンプリングして整数データにするPCM方式によりデジタルデータに変換されています。デジタルデータをできるだけ効率よく保存するための方法はMP3やAACのようにさまざまものが考案されています。この本選課題では1ビット・エンコーディングという、音量の変化を前の時刻に比べて増えるか減るかの1ビットデータで表す方法を考えます。

この課題の目標は、音楽のPCMデータを1ビット・エンコーディングでなるべく精度よく圧縮するプログラムを作ることです。

AACは、Advanced Audio Coding(アドバンスド オーディオ コーディング)の略であり、MP3の後継フォーマットとして、MPEG-2およびMPEG-4で使われる音声圧縮技術を指します。

本選課題の詳細は、以下を参照してください。

スーパーコン2017 本選課題説明PDF

発表会・表彰式

発表会・表彰式は8月25日に、東工大蔵前会館ロイアルブルーホール(東京会場)、大阪大学サイバーメディアセンター豊中教育研究棟7階会議室(大阪会場)において、テレビ会議システムを用いた中継のもと、開催されました。大阪大学サイバーメディアセンターの下條真司(しもじょう しんじ)センター長・応用情報システム研究部門 教授の開会挨拶に始まり、大阪大学 小川哲生理事・副学長からの主催校挨拶(大阪会場)、東工大 学術国際情報センターの山田功センター長・工学院教授、情報処理学会情報処理教育委員会の萩谷昌己委員長の来賓挨拶に続いて、参加チームの紹介や本選課題・審査方法の説明等を大阪大学サイバーメディアセンターの菊池誠スーパーコン2017実施委員会委員長・大規模計算科学研究部門 教授が行いました。

本選結果

上記発表会・表彰式において、1位から3位までのチームに対しメダルと賞状が、大阪大学小川理事・副学長から贈呈されました。

また、優れたアルゴリズムやプログラムを作成したチームに贈られる学会奨励賞(電気情報通信学会通信・システムソサイエティスーパーコンピューティング奨励賞、情報処理学会若手奨励賞)は1位のチーム「solars」が受賞しました。

競技結果

順位
チーム名
学校名
スコア
1
solars
北九州工業高等専門学校
20点
2
KMiBa
筑波⼤学附属駒場⾼等学校
13点
2
WayKey
静岡県⽴浜松⼯業⾼等学校
13点
4
poyo
N高等学校
12点
5
cyLOGIC
海城高等学校
8点
6
VitaminT
和歌山県立紀北工業高等学校
5点

優勝チームsolars

優勝チームsolars

東京会場

東京会場

大阪会場

大阪会場

なお、本コンテストの入賞は東工大第1類の推薦入試の実績として評価されます。

来年も「夏の電脳甲子園」の熱戦を期待しています。

お問い合わせ先

学術国際情報センター
スーパーコン17実施委員会

E-mail : sc17query@gsic.titech.ac.jp

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