東工大ニュース
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11月7日、大岡山キャンパス東工大蔵前会館において、東工大基金へのご寄附等、本学へご支援、ご協力いただいた方々に対して感謝の意を表する「感謝の集い」を開催しました。当日は、卒業生、在校生のご家族、寄附いただいた一般の方々、企業のみなさま、退職教職員や学内関係者計180名のご出席がありました。
東工大基金は2011年に迎えた創立130周年を契機に、戦略的な大学運営を支える財政的基盤を強化すべく創設され、これまで個人や企業(団体)の多くの方々から多大なご支援をいただきました。
皆様からのご支援は、学生への奨学金給付や海外派遣支援、外国人留学生の受入支援、若手研究者への研究支援、小中高生に対する理科教育振興支援等に活用しています。
国立大学法人化による自主自立型の経営が求められる国際的な競争環境の中で、本学は「世界トップ10に入るリサーチユニバーシティ」を目指して、教育研究における改革をスピード感をもって進めていきます。
科学技術創成研究院 全固体電池研究ユニットの菅野了次教授が「次世代バッテリー『全固体電池』実用化に向けて-研究最前線の紹介-」と題して講演しました。
菅野教授は、固体化学と電気化学の境界領域で、物質を合成して電気化学デバイスに展開する研究を進めており、リチウム電池、燃料電池、全固体電池等のさまざまな電池について研究しています。顕著な成果により注目を集めている菅野教授の講演は出席者からも好評であり、活発な質疑応答が行われました。
特別講演に続き、益一哉学長から開会挨拶がありました。続いて、日置滋副学長(基金担当)から東工大基金についての報告があった後、基金を活用した事業に参加した教員・学生の皆さんからの活動報告が行われました。
海外留学奨学生
「スウェーデンへの留学」
超短期派遣留学プログラムを活用したスウェーデンへの留学について、大学だけでなく研究所や企業も含めた訪問先での体験談を交えて、現地での交流体験について報告がありました。スウェーデンの学生が学び研究する環境を知り、良い刺激になったとの報告がありました。
理科教育振興支援 採択事業
「小中学生を対象にした腸内細菌ボードゲームイベントとものづくり」
ボードゲーム、絵本、動画等の制作を通じた腸内細菌や腸内環境の正しい知識の普及、さらに、ボードゲーム大会のようなサイエンスイベントの企画・運営をするなど、子どもたちとのコミュニケーションを図り、知的創造性を育む活動の紹介を行いました。
学生起業教育支援(学生スタートアップ支援) 採択事業
「Hapbeat(ハップビート)のこれまで/これから」
「Hapbeat」という従来なかった、音にあわせてビートのきいた振動を提供するデバイズを開発し、改良を重ねていくプロセスについての発表がありました。オーディオ製品の開発について、動画も交えた起業体験を語りました。
「東工大の星」研究支援 採択事業
「テラヘルツ波計測による産業・医療用新規モニタリング ―マルチビュー計測と超解像度計測―」
科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の河野行雄准教授が発表しました。「テラヘルツ波」とは、一般にはあまりなじみのないミリ波の次に短波長の周波数300 GHz~3 THz帯であり、光波と電波の中間領域にも当たります。光学測定系の構築が可能という特長を持つ「電磁波における最後の未踏領域」とも言われ、医療や通信での活用でも注目を集めています。そうしたフロンティア領域の研究成果の紹介がありました。
その後、会場を移して本学の同窓会組織である一般社団法人 蔵前工業会の本房文雄業務執行理事・事務局長から開会挨拶がありました。続いて、益学長からの挨拶と、岡田清 前理事・副学長の乾杯の発声により、交流会が始まりました。会場では、東工大基金が支援した3つの事業の実施担当者が、報告のパネルや活動で使用した作品等を展示し、参加者からの熱心な質問に答える情景が見受けられました。終始和やかな雰囲気の中で交流も深められ、佐藤勲総括理事・副学長の挨拶をもって交流会は終了しました。
今回の「感謝の集い」は、2017年8月1日から2018年7月31日までに東工大基金に寄附いただいた方、これまでに多大な寄附をいただいた方やサポーターズ会員の皆さまを招待して行われました。
今後も東工大基金の寄附者の皆さまに対し、いただいたご寄附を有効に活用していることや本学の最新情報をお伝えし、より本学に親しんでいただくイベントを開催し、幅広い交流を目指して活動していく予定です。