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短期留学で専門分野の勉強を:協定校シーズンプログラム2018実施報告

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公開日:2019.01.18

東工大留学情報館では、夏休みや春休みに、海外大学で開講される様々な種類のサマープログラム、ウィンタープログラムに参加する学生を「協定校シーズンプログラム」として募集し、奨学金や単位付与でサポートしています。

本学協定校が実施しているプログラムは、専門分野の講義受講、研究プロジェクト参加など内容が多岐にわたり、また、数週間~数か月、大学寮などで暮らしながら世界中から集まる学生と肩を並べて興味のある分野を学ぶ経験ができ、参加学生は大きく成長を遂げます。

2018年夏、合計7名の学生が協定校シーズンプログラムに応募し、スウェーデンのリンシェーピン大学、ドイツのアーヘン工科大学、イギリスのケンブリッジ大学、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校にそれぞれ留学しました。そのうち3名の学生に自分たちが体験してきたことを紹介してもらいました。

留学体験談

2018年7-8月 カリフォルニア大学バークレー校(米国)Summer Sessions(サマーセッション)参加

プログラム参加者と
プログラム参加者と

情報理工学院 Kさん、修士課程2年

英語力の向上と視野の拡大を目標に修士2年の第2クォーターに留学しました。

参加プログラムはUCバークレーの8単位分にあたる専門講義を履修するもので、講義の雰囲気と学生の熱意がとても印象的でした。絶え間なく学生から質問や議論が発せられる双方向型の講義と、高額な学費をローンで賄うなどリスクをとりながら必死に勉強する現地学生の姿は日本で目にしたことのないものでした。英語が不得意だった留学当初の私は、何が宿題なのかも理解できずにクラスで恥をかき気持ちが沈むこともありました。しかし、他の学生からの叱咤激励もあり、自分から発言する積極性と考えを最後まで話す根気を持ち続けることができました。結果的にこの姿勢がクラスでの評価や自身の成長に繫がったと思います。

現地で交流を深めた多種多様なバックグラウンドを持つ友人達も大きな財産となりました。留学後も時折、日本に関心のある友人から質問を受けることがあります。また、同じ寮で生活を送り同じ講義を受講していたドイツの学生とは頻繁に連絡を取っており、彼から伝えられるヨーロッパの情勢や生活に関する情報は大変興味深いものです。

この留学が今までの固定観念を覆す良い契機になったと実感しています。善し悪しの二元論ではなく多様性を認める広い視野を獲得でき、その上で自分の望む生き方を考えられています。東工大には多くの選択肢が用意されていると同時に学生を支援して下さる優秀なスタッフの方々がいます。興味を持ったら自分の手で調べ、準備の段階から自発的に動くことが留学をより有意義なものにすると思います。

2018年7月 リンシェーピン大学(スウェーデン) Summer Academy(サマーアカデミー)参加

リンシェーピン郊外の自然保護区へハイキング
リンシェーピン郊外の自然保護区へハイキング

工学院 Kさん、学士課程3年

リンシェーピン大学サマープログラムの1番の魅力は、世界中の学生と共に1ヵ月を過ごすことができたところです。参加学生は、世界22ヵ国から来ていて、母国語も文化も専門分野も異なっていました。185人の学生のうち、日本からの参加者は6人のみで、必然的に他国の参加者と英語でコミュニケーションをとらなくてはならない環境に身を置くことができました。

私の履修したInnovation and Entrepreneurship in a Swedish Context(スウェーデンにおけるイノベーションと企業家精神)のコースでは、起業大国といわれるスウェーデンの成功企業の例をもとに、グループディスカッションやプレゼンテーションをしながら、イノベーションをどの様に引き起こすのかを考えました。学生参加型の授業で、自分の意見を英語で言わなくてはならない難しさに何度も直面しましたが、世界中から集まった同年代の学生が活発に意見交換しているのに刺激を受け、積極的に授業に取り組むことができました。その他の時間にも、現地学生主催のアクティビティに参加したり、クラスメイトと旅行に行ったり、お互いの国の料理を作り合ったりと、このプログラムでしかできないことに積極的に挑戦しました。世界中の学生に囲まれて過ごす日々は挑戦の連続で、濃密な1ヵ月でした。

2018年7月 アーヘン工科大学(ドイツ)Engineering Summer Schools(エンジニアリング サマースクール)参加

工学院 Iさん、修士課程1年

このサマースクールへの参加に至った最初の動機は、「短期間ヨーロッパに行って非日常を味わいたい」というシンプルなものでした。それなら旅行でいいじゃないか、と言われそうですが、私の専攻である電力システム分野のプログラムが毎年夏にアーヘン工科大で開かれることを知り興味を抱いたこと、加えて東工大の留学支援制度を利用すれば単位や奨学金が得られることに留学のメリットを感じ、参加を決意しました。実際に留学先大学へ行って、最も衝撃を受けたのは研究規模の大きさです。電力システム分野は実験装置を用いて研究しようとすると大掛かりな計算機や発電機などが必要となるため、大学レベルではPC上のソフトのみを用いた解析が中心なのですが、アーヘン工科大はまるで研究所であるかのように豊富な実験設備を有しており、それらの見学は本当に刺激的でした。また、授業以外の自由時間も、他国の人との交流や、日本とは全く違う文化の中での生活を通じて、英会話の楽しさや日本と外国それぞれの良さを実感できる貴重な経験となりました。このサマースクールでは、電力システム分野の他にも様々な工学分野のプログラムが用意されており、優れた研究環境の中でそれらを学ぶことができます。精神的にも能力的にもハードルが高い長期留学とは違い、気軽に参加できることもメリットです。少しでも関心があれば参加をおすすめします。

プログラム参加者の集合写真

プログラム参加者の集合写真

長期休暇に英語で専門の勉強を

この協定校シーズンプログラムは、参加者自身が宿泊先、航空券、ビザの手配を行うプログラムですが、英語での手続きが不安な学生のためのサポート体制も充実しています。

また、東工大生のために授業料の免除・割引制度を提供してくれる大学もあります。

派遣交換留学や学位留学を考えているけれどいきなり長期間行くのは不安、留学したいけれど研究室やサークル活動、就活で忙しくて長期留学は難しい、将来は海外の企業で働きたいので国際経験を積みたい…という東工大生も参加しやすいプログラムです。

東工大留学情報館は、これからも、自分の地平線を広げるため最初の一歩を踏みだしたい、日本では見えない景色が見てみたい、という東工大生を支援していきます。

協定校シーズンプログラムの対象大学

  • カリフォルニア大学バークレー校(米国) Summer Sessions(サマーセッション)
  • カリフォルニア大学サンタバーバラ校(米国) UC Santa Barbara Summer Sessions(UCサンタバーバラ サマーセッション)
  • ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ) Vancouver Summer Program(バンクーバー サマープログラム)
  • ケンブリッジ大学(英国) Science Summer Programme(サイエンス サマープログラム)
  • アーヘン工科大学(ドイツ) Engineering Summer Schools(エンジニアリング サマースクール)
  • ベルリン工科大学(ドイツ) Summer University(サマー ユニバーシティー)
  • ハノーバー大学(ドイツ) Science & Engineering Research Projects(サイエンス&エンジニアリング リサーチ プロジェクト)
  • リンシェーピン大学(スウェーデン) Summer Academy(サマーアカデミー)
  • 南洋理工大学(シンガポール) GEM Trailblazer Short Term Summer Programme(GEM トレイルブレイザー ショートターム サマープログラム)
  • シンガポール工科デザイン大学(シンガポール) International Undergraduate Research Opportunities Programme (iUROP Max) (インターナショナル アンダーグラジュエイト リサーチ オポチュニティー プログラム)
  • 香港科技大学(中国) International Summer Exchange Program (ISP)(インターナショナル サマー エクスチェンジ プログラム)
  • 国立台湾大学(台湾) NTU Summer +(NTU サマープラス)
  • 高麗大学(韓国)International Summer Campus(インターナショナル サマーキャンプ)

お問い合わせ先

留学情報館

E-mail : ghrd.sien@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3520

1月22日9:00 本文中に誤りがあったため、修正しました。

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