東工大ニュース
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東京工業大学学生支援センターの自律支援部門(2021年4月から「未来人材育成部門」に改組)は2月22日、「第14回学生応援フォーラム」をオンラインで開催しました。
学生応援フォーラムは、本学学生の活躍を学内外に広く知っていただき、さらに学生活動を活性化させ、学生間の交流を促進することを目的として、毎年開催しています。担当する自律支援部門は、学生間・大学・地域にとって有益で公的な性格をもつ様々な学生活動を支援しています。
今回のフォーラムには、本学の学生・教職員に加え、学外からは千葉大学、筑波大学、東京大学、名古屋大学、三重大学、多摩大学、中村学園大学、早稲田大学などの大学関係者や社会人も含め71名の参加がありました。コロナ禍のためオンライン開催となり、遠方から参加した方もいました。
フォーラムの司会進行は、工学院 システム制御系の秋澤優希さん(学士課程3年)が務めました。
益一哉学長が開会の挨拶を行い、自律支援部門長の長谷川純准教授(科学技術創成研究院)が本学の学生支援の概要について説明しました。
学生応援フォーラムでは、毎回、他大学の優れた取り組みから学びを得るため、ゲストスピーカーを招いています。今回は筑波大学のT-ACTについて、筑波大学 人間系の杉江征教授の話を聞きました。
T-ACTは、学生が「やってみたい」を実現し、輝くことのできる舞台をつくるため、大学が応えるプラットフォームです。2008年度に文部科学省の「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム(学生支援GP)」に採択され、大学の人間力養成事業や中期計画に対応しながら、2021年の現在まで活動を継続しています。プロジェクトでは、教職員が一体となり、学生の自信が育つ大学作りを目指します。課外活動の分析から、役割や人間関係などの経験が大切であることを把握し、学生が安全に失敗できる仕組みと、やってみたいと思ったらその挑戦を支援することをコンセプトとしています。杉江教授は「学生は舞台があればみな輝く。私たちが向ける眼差しの注ぎ方や関わり方次第で学生は変わる」「『楽しい』『面白い』そういう感覚を大事にする。これは研究や学問でも同じ。教職員も一緒に面白さに付き合うと学生もいきいきする」と語りました。
発表を聞いた参加者からは
「しっかりとしたシステムのもと、自由な発想が生かされていてとても良いと思った」
「学生がやりたい企画をできるような場を作って支援し、自信を持つ機会を作ることはとてもいい事業だ」
「学生のチャレンジを教職員が一緒になって実現するのが、学生も安心して挑戦できて素敵なシステムだと思った」
「東工大の活動と違って、緩い活動も含めて様々な活動が自由に行われており、学生の主体性が育つ実感を得られる活動だ。東工大にも、企画を簡単に始め協力者を集める似たような制度があっても良い」
などの感想がありました。
次に、自律支援部門が支援する東工大の学生活動である「学勢調査」、「東工大学生ボランティアグループ(東工大VG)」、「リプロ(理工系学生能力発見開発プロジェクト)」、「ピアサポーター」、「Hult Prize(ハルトプライズ)東京工業大学」、「ACTION(アクション、東工大語学パートナー制度)」の6団体に参加している学生が、活動の内容や意義について紹介しました。
発表した学生のコメントは次の通りです。
司会という立場から本学内の様々な学生団体の活動報告を拝見しました。リプロは特別講義を通して東工大生の悩みの低減に貢献できたと自負していますが、他の団体を見て改めて本学の学生の行動力とその成果に脱帽しました。これには東工大生の能力と意識の高さは勿論ですが、自律支援部門から始まるサポート体制の充実や今回のような発表の機会があってこそだと感じています。自分はリプロ等の活動を通して、リーダーシップや試行力など今後の研究等にも生きる力を獲得できました。今後も学生応援フォーラムが東工大生の活動の触媒となることを切に願っています。
本年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、例年とは異なり、オンラインのみでの活動となり、学生間の意思疎通が難しかった面がありました。私自身も慣れない授業スタイルで課題も多かったので、より忙しかったように感じました。そのような中でも学勢調査の活動、意義について広く発信できてうれしく思います。
復興支援・防災・地域連携を柱に活動してきましたが、対面で行ってきた従来の全ての活動が行えない厳しい年となりました。その中でも研究活動で使用したツールを活かして新しく構内の防災マップを作成し、また復興支援活動の振り返りを行えたことはとても有意義でした。今後も自分たちにできることを問いながら活動を続けていきたいです。
ピアサポーターは学生が主体となり学生をサポートする団体です。今年度ピアサポーターの新入生相談会はオンラインで行いました。オンラインでの運営のノウハウを誰も持っていないので、全員で相談しながら企画を作り上げていきました。この過程はとても充実したものでした。オンラインでも研究やその他の活動に一生懸命取り組みたいです。
ハルトプライズは東工大内でソーシャルビジネスを促進する団体です。私たちは学生が社会の課題を発見しビジネスを用いて解決できるような支援を行っています。2020年には渡航制限に関連してバーチャルビジネスの展開に関するワークショップを2回開催しました。ハルトプライズは同じような価値観を有する学生や社会に変革をもたらしたいと考えている学生などと交流できるチャンスです。このたび学生応援フォーラムにて私たちの活動を他の学生団体と共有できたことをうれしく思います。
ACTIONは東工大で語学パートナー制度(Language Exchange Partner Program)を運営している団体です。自分にとって語学パートナー制度の参加と運営は、友達作りと語学学習のモチベーションを高めるきっかけになりました。コロナ禍で活動が制限されているため、語学パートナー制度は一時停止していましたが、参加者からのリクエストが多かったので、オンライン限定で再開することにしました。今後も語学パートナー制度の充実に努めていきます。
フォーラムの後半では、iGEM(アイジェム)東京工業大学チーム、Attic Lab(アティックラボ、東工大生によるコワーキングスペース)、学修コンシェルジュJr.、教育革新センター・オンライン教育開発室学生アシスタント、SAGE(セージ、東京工業大学国際交流学生会)、Taki Plaza Gardener(タキプラザ・ガーデナー、Taki Plazaを運営する学生団体)、図書館サポーター、FLAP(フラップ、東工大留学促進団体)、ロボギャルズも発表を行いました。学生応援フォーラムでの発表が今回初めてとなる学生活動も複数あり、学内での学生活動の広がりがうかがえました。
学生からの発表後は参加者全体でディスカッションを行い、水本哲弥理事・副学長(教育担当)のあいさつで閉会しました。
「様々な団体があり、学生主体の活動がとても活発だと思いました」
「学生自ら企画発案し、活動を通して成長を遂げていることに感心しました」
「それぞれの団体が、それぞれの信念を持って力強い活動を行っていて感銘を受けました」
「コロナという障害があったことで、活動の柔軟性・多様性が高まったように感じました」
「コロナ禍で活動に制限がかけられていても、ここまで素晴らしい結果を出しているので、今後のより一層の活躍が期待できると思います」
「学生の活動のクオリティと行動力が素晴らしく、学長・副学長が参加してエールを送る温かさを感じました」