東工大ニュース
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東京工業大学学生支援センター未来人材育成部門は、5月18日に「アーティストとアートを体験するセミナー2022 春」をすずかけ台キャンパスにて対面で開催しました。このセミナーは、理工系の学生が芸術からインスピレーションを得て自分の創造的な表現を見つけることを目的として、毎年春と秋の年2回実施しています。セミナーは英語・日本語の併用でおこなわれ、多様な背景を持つ15名(留学生7名、日本人学生8名)の学生たちが集い交流しました。
セミナー当日は、テーマ「色が持つ力/アンリ・マティス」に沿った「講義」に始まり、その後の「実習」でそれぞれが作品を作成し、最後に講師が個々の作品への「講評」を行いました。
マイヤー氏と参加者で記念撮影
ドイツ、ブッパタール出身の画家で詩人。ベルリン国立芸術大学修了。2008~16年、東京工業大学世界文明センター非常勤講師、2012年以来、台南国立芸術大学で客員助教授、2016年上海・同済大学客員教授。ベルリンや東京で創作を行い、独創的なアートワークショップ、アートスクールを主催。
マティスの作品スタイルが、伝統的な手法による写実的な絵画から徐々に抽象的なものへと変化し、さらに晩年には「切り絵」の手法で線と色の単純化がさらに進んだことを、時系列での作品紹介で学びました。
講義を聴く学生たち
ウォームアップとしての最初の実習は「一筆書き」でした。写実的な手法で描かれたモノクロの静物画がスクリーンに映し出され、それを一筆書きで描きました。学生たちは映し出された静物画を見て、どのように一筆で表現するか迷いながらも、鉛筆を動かしてスケッチブックに描き出しました。シンプルに輪郭だけ、あるいは一筆書きとは思えないほど写実的に、学生たちはそれぞれ個性的に描き上げました。
一筆書きの課題について説明を受ける参加者
次の実習では、スクリーンに映し出されたカラーの静物画から着想を得て、「切り絵」を作成しました。写実的な絵を「切り絵」で表すには、自分のイメージを表現することが求められました。完成した学生たちの作品は、同じ絵を見ながら作成されたとは思えないほどそれぞれ個性的に仕上がりました。
色とりどりの紙が並ぶ
制作に熱中する学生たち
最後の実習では、前の実習で使用した色紙の残りを使い、自由に作品を制作しました。学生たちは穴が空いていたり、奇妙な形で残っていたりした色紙を工夫して挑みました。「間違いも正解もないです。思うとおりにやってみてください」とマイヤー氏から温かい励ましを受け、それぞれユニークな作品を完成させました。
残りの色紙を使って作成する学生
学生一人一人に丁寧なアドバイスを送るマイヤー氏
( )内は原文
次回のアートセミナーは、11月に大岡山で開催を予定しています。
マイヤー氏の講評を聞く学生たち