東工大ニュース
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東京工業大学は、全学生を対象に、大学の教育環境や施設、学内サービスなどについて意見を聞く「学勢調査」を2年に一度行っています。学生スタッフが主体となってアンケートの調査内容を検討し、設問作成及び調査結果の集計・分析に取り組み、学生の意見や提言を大学に伝える、他に例を見ない本学独自の取り組みです。大学側は学生からの提言を受けて、改善や対応を進めます。「学勢調査」という名称は国勢調査になぞらえて付けられました。
2022年夏に実施した「学勢調査2022」の調査結果と分析に基づく大学への提言書が3月30日、学勢調査2022の学生スタッフによって益一哉学長に提出されました。
学生スタッフは2021年から質問内容について議論を行い、2022年6月22日から7月22日までウェブ上でアンケート調査を行いました。9回目の今回は2,671人の学生から回答が寄せられ、集計と解析の後、キャンパスミーティング(学生スタッフと各関係部局教職員との意見交換)で出た意見を踏まえ、学生スタッフ間での熱心な討論を経て提言書としてまとめられました。
今回の調査は新型コロナウイルス感染対策としてオンライン講義が中心となっていた時期から、対面の講義が増えてきた時期に渡って行われたため、キャンパス内での課題とともに、オンラインでの学修から得られた新たな講義のあり方など、さまざまな意見が寄せられました。これらを基に学生スタッフたちは、オンラインの会議だけでなく、対面による会議も重ねていくことで提言をまとめました。
提言書提出とともに学生スタッフの代表8人は、大岡山キャンパスにて益学長、井村順一理事・副学長(教育担当)に今回の調査概要と各提言を説明しました。それぞれの提言について実現可能性があるところ、理想的ではあるがなかなか難しいところなど、益学長から大学の現状を踏まえた意見が述べられ、参加者全員で東工大の将来像を議論しました。
この提言については、学内関係部局をはじめすべての教職員と全学生に通知するとともに、附属図書館やウェブサイト上でも公開しています。また、本学の教育に係る重要事項を審議する教育研究評議会でも、学生スタッフ代表が提言内容を説明する予定です。
学勢調査2022は、新型コロナウイルスによる規制が緩和され、次第にキャンパスに学生の姿が戻りつつある状況で実施されました。そうした変化を受け、多様な意見が寄せられましたが、学生スタッフ一同、その背景を踏まえ、いただいた意見を丁寧に分析し、提言を作成しました。
また、今回の活動では、これまでできなかった対面でのミーティングなどを開始し、学生スタッフ同士がより綿密なコミュニケーションをとることができました。スタッフのおよそ半数が初めての提言作成という状態で始まった学勢調査2022でしたが、難しい場面もあったものの、学生スタッフ同士が積極的に意見を交換し、お互いにサポートし合うことで、良い提言書を完成させることができたのではないかと思っています。この提言書が大学をより良いものにするための一助となれば幸いです。