東工大ニュース
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東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院(ILA)の日本語セクションは、8月28日に東工大の留学生を対象に日本語能力試験(以下、JLPT)※の模擬試験イベントを実施しました。JLPTは日本語を母語としない人の日本語能力を測定し、5段階のレベルで認定する世界最大規模の日本語試験です。試験は年に2回行われ、2023年は1回目を7月2日に実施し、2回目を12月3日に実施する予定です。
ILA日本語セクションではこれまで、「JLPT説明会」と「N2、N3レベル模擬試験イベント」をそれぞれで実施していましたが、今回は「説明会」と「模擬試験」を同日開催し、受験対象もN1~N5の全レベルに拡大しました。参加者は、JLPTを受験予定または検討中の学士課程や修士・博士後期課程の留学生、博士研究員など計25人と、過去最多になりました。
イベントの第1部では、語彙・文法・読解の模擬試験を行いました。各レベルの受験者は20分ほど前には試験会場に集まり、試験開始とともに集中して時間いっぱい問題に取り組みました。
昼食後は日本語教員から初めて受験する学習者に向けて、JLPTの概要や試験の申し込み方法の説明会を行い、留学生ラウンジにそろえてある自習用の学習教材についても紹介しました。参加者からは、「受験料の支払い方法」、「問題集と本試験の難しさの違い」、「いつ試験結果がわかるか」などの質問が出ました。
第2部は聴解の模擬試験でした。受験者は午前中から一緒に受験していたこともあり、試験前後の隙間時間に自己紹介をしたり、試験についての感想を話し合ったりと交流を図っていました。
第3部ではフィードバック会・情報交換会を行いました。参加者は回答を見ながら自己採点をして合格基準を確認し、問題の解き方、勉強法、受験するレベルなどを試験担当のTA(ティーチング・アシスタント)や日本語教員に相談しました。また、正答数を計算して合否を確認し合う人や試験結果に手ごたえを感じて一つ上のレベルの受験を検討する人、間違えた問題を丹念に確認する人の姿も見られました。採点後、リラックスして会話をするうちに、自分の苦手分野を発見する人もいました。
イベント後のフィードバックでは、「今の自分の実力がわかった」、「苦手なところがわかった」、「役立つイベントだった」、「模擬試験を経験して刺激を受けた」、「JLPTのイメージができ、試験の対策を練ることができた」などのコメントが出ました。
ILA日本語セクションでは今回の模擬試験イベントの様子やフィードバックを踏まえ、今後もJLPTに関連するイベントを継続して実施し、留学生の日本語能力の向上を支援していきます。
※ 日本語能力試験(Japanese-Language Proficiency Test, JLPT)
独立行政法人国際交流基金と公益財団法人日本国際教育支援協会の主催で実施され、「ほぼ理解できる」のN1から「ある程度理解できる」のN5までの5段階でレベルを測る試験です。N1、N2の合格者には日本の出入国管理上の優遇措置が受けられるポイントが付与されるなどのメリットもあります。また、日本の医師、看護師などの国家試験を受験するためにはN1の認定が必要です。
リベラルアーツ研究教育院 ―理工系の知識を社会へつなぐ―
2016年4月に発足したリベラルアーツ研究教育院について紹介します。