東工大ニュース
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公開日:2024.09.06
東京工業大学は7月11日に、本学協定校である台湾の国立成功大学(以下、NCKU)を会場として、同大学と政府系研究機関である台湾半導体研究センター(以下、TSRI)と共同で、次世代異種機能集積技術※に関するフォーラムを開催しました。
次世代異種機能集積技術:異なる機能を持つ複数の半導体チップを、一つのモジュールとして集積化する技術
AISSM:Academy of Innovative Semiconductor and Sustainable Manufacturing(智慧半導體及永續製造學院)
今回のフォーラムは、2023年8月22日にNCKUとTSRIのメンバーが本学すずかけ台キャンパスを訪れて開催した技術交流会をより発展させたものとして位置づけられ、本学からは益一哉学長、科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の中村健太郎所長、同研究院 WOWアライアンス異種機能集積研究ユニットリーダーの大場隆之特任教授、同研究院 同ユニットの依田孝特任教授、同研究院 未来産業技術研究所の平田祐樹准教授他11人が参加しました。本フォーラムは台湾、日本の学術界、産業界関係者約150人が一堂に会し、盛況を呈するイベントとなりました。
フォーラムの冒頭、NCKUのシェン・メンルー(沈孟儒)学長、TSRIのトゥオハン・ホウ(侯拓宏)理事長、益学長による開催宣言が行われ、益学長からは、台湾の半導体産業のグローバルな競争力と影響力を高く評価しつつ、「台湾側と協力することによって、技術および産業の持続的発展が促進されることを期待します」とのメッセージがありました。また3者は、今後の半導体産業を中心としたナノテク産業の競争力強化、高度人材育成などの分野での協力を進めていくことを表明しました。
その後、丸一日かけて、三次元大規模集積技術(BBCubeTM)※1、超音波応用技術、化合物パワーデバイスおよび集積化技術、DLC※2応用技術、レーザ加工応用技術、先端実装技術、熱設計技術など、広範囲にわたる技術領域について活発な技術討論が行われました。
今回のフォーラムを起点として、日本と台湾の学術分野間の研究交流にとどまることなく、グローバルに産業界も巻き込んだ、ダイナミックな研究開発へと発展することを期待します。
三次元大規模集積技術(BBCubeTM):従来の平置きチップレットを三次元でコンパクトにまとめ、バンプを利用しないでシステムの小型化を可能にするアーキテクチャー。
DLC(Diamond-Like Carbon):ダイヤモンドとグラファイト(黒鉛)両方の結合構造を併せ持っている、アモルファス構造(非晶質構造)の物質。2つの結合構造を併せ持つことで、ダイヤモンドの硬さとグラファイトの滑りの良さを両立している。