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IDCロボットコンテスト大学国際交流大会2018 開催報告

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公開日:2019.03.04

IDCロボットコンテスト大学国際交流大会2018(以下、IDCロボコン)が8月6日から18日にかけて東京工業大学大岡山キャンパスで行われました。世界各国からロボット工学を学ぶ大学生が集まり、出身国を越えた混成チームでロボットの設計・製作を競う今年で29回目の国際ロボコン大会です。東工大のシンボルマークにちなんだ「The World Star Hunting Swallow (つばめよ、地上の星を探せ!)」を競技テーマに、初対面の学生たちが言葉や文化の違いを乗り越えチームワークでロボットを作り上げました。

ピンクチームとメロンチームの決勝戦

ピンクチームとメロンチームの決勝戦

IDCロボコンは1990年、東工大とマサチューセッツ工科大学(米国)の共催で始まり、毎年、開催地が変わります。日本で開かれるのは2012年以来で14回目です。日本の4大ロボコン(高専ロボコン、大学ロボコン、ABUロボコン、IDCロボコン=本コンテスト)の一つと位置付けられ、歴史ある国際大会です。東工大IDC国内実行委員会が主催し、共催は東京電機大学、特別協力は東京都、企業や自治体、学会など17団体・組織が後援しています。

今年の参加国は8ヵ国で、日本、中国、米国、メキシコ、韓国、タイ、シンガポール、インドから計54名の学生が参加しました。

日本 : 東工大 6名、東京電機大学 6名

中国 : 清華大学 4名、上海交通大学 5名、浙江大学 4名

米国 : マサチューセッツ工科大学 3名

メキシコ : メキシコ工科大学 6名

韓国 : ソウル国立大学 4名

タイ : タイ選抜 4名

シンガポール : シンガポール工科・デザイン大学 8名

インド : アムリタ大学 4名

開会式

益学長の歓迎スピーチ
益学長の歓迎スピーチ

初日に行われた開会式では、益一哉学長が歓迎スピーチを行いました。

続いて、くじ引きによってチーム分けが行われました。1チーム4~5名からなる11のチームにはレッド、ブルー、グリーンなど色の名前が付けられ、それぞれの色のおそろいのTシャツを着て参加しました。ルール発表後に、各チームはロボット製作会場に移り、設計の議論を始めました。

競技ルール

試合は2チームの対戦方式で、自分たちが製作したロボット2台を操作し、限られた時間内でいかに多くのボールを目的のゴールに入れるか、という競技です。

競技場の説明

競技場の説明

競技場(図)はスカイエリア(競技場の最上部エリア)とランドエリア(地上平面)の2つに分かれ、競技者はスカイロボットとランドロボットを操作します。スカイロボットのみ、スターロボットスタートエリアから出発して中央のスカイリフトに乗って、ランドエリアからスカイエリアに移動できます。スカイリフトは競技開始から45秒後に上昇を始め、スカイエリアに着くと止まります。競技場は左右に赤と青の2領域に分かれ、斜面には3つの(つばめの)巣、複数のピン、スターパネルが配置されています。

基本のルールは、虫ボールプールにある虫ボールを、つばめ役のロボットが自陣にある巣かコレクションボックスにできるだけ多く入れるというものです。斜面に3つある巣のうち、中央の巣に虫ボールを入れると30点、左右の巣に入れると10点が、コレクションボックスに入れると1点が加算されます。

また、スカイエリアにあるたった1つのスターボールをコレクションボックスに入れると10点が加算され、総得点が2倍になります。対戦チームのどちらかがすべての巣にボールを入れ、かつスターボールをコレクションボックスに入れると、その時点で勝利となります。

ロボットの総重量は10キロ以内で、それぞれのロボットはスタート時には50センチ立方の範囲に収まっていなければなりません。ロボットを製作するために使って良い材料は、指定された材料と、2,000円以下で買い足した材料が認められています。また、スカイロボットは開始から30秒間は自動操縦のみ可能です。競技時間は2分と短いため、効率よくボールを集めなければなりません。

ロボットの設計と製作

2日目の午後には、チーム毎に戦略やロボットのアイデアをインストラクターの前で発表するアイデアプレゼンテーションが行われました。

ロボットの構想説明

ロボットの構想説明

ここでは、インストラクターからロボットの改良点などのアドバイスを受けます。多くのチームは自動操縦しかできない30秒間でスカイリフトに到達し、45秒が経ったらスカイリフトに乗ってスカイエリアに向かう戦略を採用しました。また、スカイエリアから巣にボールを入れる仕組みをいろいろと工夫していました。

以下のロボットは製作されたロボットの1例で、回転機構にボールを最大6個格納し、ボールを回転させて2本の針金のレールで狙った巣にボールを入れるというものです。

ロボットの例

ロボットの例

大会期間は全体で13日間しかありません。参加学生は連日ロボット製作に懸命に取り組みました。3Dプリンターやレーザーカッターを使い、試作と修正を続けます。また、チームでロボットを製作するだけではなく、開催国の文化を体験することが重要な活動の1つであり、週末の休日となった8月11日には東京都の支援で浅草観光と隅田川下りを楽しみました。

水上バスで隅田川観光

水上バスで隅田川観光

休日が終わると、本番までの残り時間を気にしながら、競技場で実際にロボットを動かし、調整と操作の練習を重ねました。

最終競技会

スカイリフト上でスターボールを取り合うチーム
スカイリフト上でスターボールを取り合うチーム

最終日となる8月18日には最終競技会が行われ、会場となった大岡山キャンパス70周年記念講堂には、近隣の小中学生やその家族など多くの方が観戦に訪れました。

ゲームの対戦では、ロボットが移動する通路が狭いため、斜面に引っかかったり、スカイリフトに到達できずに苦労しているチームがいる一方、スカイエリアに到達できたロボットは、着実に巣にボールを入れていました。

途中でスカイリフトが故障したため、ルールが変更され、それぞれのチームは1台のロボットをスカイエリアからスタートさせることとなりました。ルール変更によって、苦心して開発した自動制御の機能が使えなくなったことに落胆したメンバーの姿も見受けられました。

決勝はピンクチームとメロンチームの対戦となり、確実性に定評のあったピンクチームが優勝に輝きました。

ピンクチームのロボットはシンプルな構造で、巣の上にあるピンを避けるために筒を下ろして虫ボールを巣に入れるというもので、確実に3つの巣にボールを入れていました。

佐藤勲理事・副学長(企画担当、左端)から優勝トロフィーを受け取り喜ぶピンクチーム
佐藤勲理事・副学長(企画担当、左端)から
優勝トロフィーを受け取り喜ぶピンクチーム

準優勝のメロンチーム
準優勝のメロンチーム

スポンサー賞のレッドチーム
スポンサー賞のレッドチーム

アイデア賞のグリーンチーム
アイデア賞のグリーンチーム

競技会の終了後にはロボット操縦体験タイムが設けられ、来場した小学生が優勝・準優勝したロボットを操縦しました。

プログラム最後のさよならパーティでは鏡割りや参加国ごとのパフォーマンスが行われ、場を盛り上げました。また、チームごとに飛び入りのパフォーマンスを行う姿も見られ、参加者全員で盆踊りを楽しみました。

ロボットの操縦体験をする小学生
ロボットの操縦体験をする小学生

さよならパーティで盆踊りを楽しむ参加者
さよならパーティで盆踊りを楽しむ参加者

IDCロボコンは、各国から来た学生が一緒になってロボットのアイデアや実現方法について熱い議論をかわす貴重な機会です。

東工大基金に寄付していただいた方々をはじめとする多くの皆さんのサポートにより、今年もIDCロボコンを開催することが出来ました。

2019年はマサチューセッツ工科大学で、2020年は清華大学(中国)で開催予定です。

東工大基金

このイベントは東工大基金によりサポートされています。

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東京工業大学 基金室

E-mail : kikin@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2415

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