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東工大関係者12名が令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞

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公開日:2022.05.30

東京工業大学の関係者12名が、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めたとして、令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました。科学技術賞(開発部門)が1名、科学技術賞(研究部門)が5名、科学技術賞(科学技術振興部門)が1名、科学技術賞(理解増進部門)が1名、若手科学者賞が4名です。文部科学省が4月8日、発表しました。表彰式は4月20日、文部科学省(東京都千代田区)で行われました。

科学技術賞(開発部門)は、社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発もしくは発明を行った者が対象です。令和4年度は18件(60名)が受賞しました。

科学技術賞(研究部門)は、科学技術の発展等に寄与する可能性の高い、独創的な研究または開発を行った者が対象です。令和4年度は48件(65名)が受賞しました。

科学技術賞(科学技術振興部門)は、科学技術の振興に寄与する活動を行った者が対象です。令和4年度は7件(23名)が受賞しました。

科学技術賞(理解増進部門)は、青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心および理解の増進等に寄与し、または地域において科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った者が対象です。令和4年度は12件(40名)が受賞しました。

若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象としています。令和4年度は98名が受賞しました。

今回受賞した東工大の関係者12名は以下のとおりです。

科学技術賞(開発部門)

西迫貴志 科学技術創成研究院 准教授

科学技術賞(研究部門)

科学技術賞(科学技術振興部門)

鍵直樹 環境・社会理工学院 建築学系 教授

科学技術賞(理解増進部門)

北原和夫 名誉教授 (国際基督教大学名誉教授)

若手科学者賞

科学技術賞(開発部門)

西迫貴志 科学技術創成研究院 准教授

受賞業績:マイクロ流路による単分散エマルション生成技術の開発

西迫准教授
西迫准教授

従来、液液分散系であるエマルションは機械的分散法により広く製造されてきましたが、均一に径の揃った単分散エマルションの生成やその径の柔軟かつ精密な制御は困難でした。そこで、T字や十字状の微細な流路を用いてその課題を解決できないか?と考えて始めたのが、マイクロ流路を用いた液滴生成技術の研究です。もう約20年前のことですが、自身の仮説通りに単分散液滴が生成される様子を高速度ビデオカメラの映像で初めて確認できたときの興奮は今もよく覚えています。
その後、ありがたいことに早くから国内外の企業に興味をもっていただき、今日に至るまで数多くの共同研究の実施、さまざまな形での実用化がなされてきました。本技術は材料生産技術としての実用化が最も有望だろう、という当初の想定を大きく超えて、次世代DNA分析や細胞解析機器として今日顕著に社会実装が進んでいることは、研究者として望外の喜びです。
本技術がこのような発展を遂げ、今回このような栄誉ある賞を受賞できたのは、恩師の先生方をはじめとして、大学や企業で研究開発に関わっていただいた方々、知財活用担当の皆様のご指導・ご尽力のおかげです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

マイクロ流路による単分散エマルション生成と機能性微粒子調製の例

マイクロ流路による単分散エマルション生成と機能性微粒子調製の例

科学技術賞(研究部門)

穐田宗隆 名誉教授

受賞業績:可視光駆動環境調和型物質生産に関する研究

穐田名誉教授
穐田名誉教授

太陽光に代表される可視光はクリーンなエネルギー源として注目されており、近未来の水素社会を支える水からの水素発生などとともにその有効利用に関する研究が活発に進められています。一方、本研究を開始した20年前には可視光エネルギーによる有機物生産はほとんど注目されていませんでしたので、教授に昇任して新規研究テーマに取り組むべく、着色した金属錯体の可視光照射によって生じる光励起種を利用した有機反応の開発をはじめました。その結果、二核錯体触媒からはじまって、酸化還元活性な光励起種の電子移動を経る温和な環境調和条件下での高反応性有機ラジカル種の発生、さらにはこの過程を含む「フォトレドックス触媒」反応系の開発につながりました。前後して発表されたマクミラン(David William Cross MacMillan)教授(2021年のノーベル化学賞受賞者)らの研究などとも相まって、時を経て現在のような大きな潮流になることは想像もできませんでしたが、研究のダイバーシティの重要性を実感しています。
今回の表彰はスタッフ(稲垣昭子助教、小池隆司助教、大沢正久客員准教授)ならびに学生諸氏の創意と努力の賜物であり、この機会を借りて改めて深謝します。(スタッフの職位は在職時のものです。)

二核光触媒(上)とフォトレドックス触媒(下)

二核光触媒(上)とフォトレドックス触媒(下)

梅原雅顕 情報理工学院 数理・計算科学系 教授

受賞業績:新しい特異点の判定法の発見と新手法による特異点の研究

梅原教授
梅原教授

専門は微分幾何学ですが、特に、ガウス曲率一定曲面あるいは平均曲率一定曲面と、その高次元化について研究しております。曲面は目に見える対象ですので、一見扱いやすく思えますが、実は大変奥が深く、研究テーマに窮することはありません。例えば、極小曲面(平均曲率が零の曲面)は古くから針金に張る石鹸膜のつくる曲面として知られ、複素関数論などと深く結びつき、現在でも未解明の問題が山積しております。
このような平均曲率零の曲面を、特殊相対性理論の舞台である3次元時空で考えると、曲面には、カスプ辺・ツバメの尾・カスプ状交叉帽子などの特異点(図)が頻繁に現れます。筆者らは、そのような特異点を簡単に判定する方法を与え、3次元あるいは一般次元の時空における平均曲率零の曲面および超曲面の研究に応用しました。また、これとは別に、与えられた曲面の特異点の情報と曲面のガウス曲率の積分との間に新しい関係式を見いだしました。これらの一連の共同研究が評価されたのだと思います。

3次元ユークリッド空間におけるガウス曲率が有界な曲面および3次元時空の極大曲面に現れる代表的な3つの特異点

3次元ユークリッド空間におけるガウス曲率が有界な曲面および3次元時空の極大曲面に現れる代表的な3つの特異点

情報理工学院

情報理工学院 ―情報化社会の未来を創造する―
2016年4月に発足した情報理工学院について紹介します。

情報理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

山田光太郎 理学院 数学系 教授

受賞業績:新しい特異点の判定法の発見と新手法による特異点の研究

山田教授

山田教授

梅原教授とは30年あまりにわたり共同研究をしております。その成果をこのような形で評価していただいたことを大変に嬉しく思います。
1995年に梅原さんと共同で「日本数学会幾何学賞」をいただいた頃は、まだ国内で数学の共同研究は少なく、まれなこととして紹介された記憶があります。翻って現在の数学研究を眺めますと、さまざまなグループが多様な形で共同研究により豊かな成果を挙げており、研究の幅もますます広がっているようで、隔世の感があります。ありがたいことに、私達も多くの皆さんとの共同で研究を進めてくることができました。特異点の微分幾何学の研究は、ますます拡がってきております。まだまだやるべきことがたくさんありそうで、これからが楽しみです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

大森建 理学院 化学系 教授

受賞業績:高次構造天然ポリフェノール類の実践的合成と機能開拓研究

大森教授
大森教授

茶やワインの主要成分の一つとして知られるポリフェノールは、動脈硬化や虚血性心疾患などに対し顕著な予防効果を示すことから注目されており、昨今話題のいわゆる「フレンチパラドックス」の要因物質としても広く認知されています。フラボノイド系ポリフェノール類は、植物全般に豊富に含まれる"ユビキタス"な物質群であり、古来より染料や鞣皮料あるいは健康薬などとして広く利用されてきました。
本研究では、糖とフラボノイドの類似性に着目した独自の合成法を見出し、有用な生理活性が期待される各種フラボノイドオリゴマーの有機合成的な供給を可能としました。また、強い甘味を呈する天然ポリフェノールの世界初の合成や、天然品を凌駕する強力な生理活性を持つ新分子の設計・合成、さらには日本伝統文化である「紅」の赤色色素成分「カルタミン」の化学合成に世界で始めて成功しました。
これらの成果は、これまでブラックボックスであったポリフェノールの機能を紐解く鍵となり、新たな有用分子の発見に繋がるものと期待されます。本研究は、長年ご指導くださった鈴木啓介本学栄誉教授をはじめとして、失敗を繰り返しながらも粘り強く検討を重ねて下さった学生や研究員の方々のご協力なくしては成し得なかったものです。この場を借りて深く感謝申し上げます。

化学合成に成功した天然ポリフェノール

化学合成に成功した天然ポリフェノール

村上修一 理学院 物理学系 教授

受賞業績:トポロジカル物質科学の開拓とその新規物性の理論的研究

村上教授
村上教授

本研究では、ビスマスの原子2層薄膜がトポロジカル絶縁体であることを理論的に示すなど、トポロジカル相の理論構築を通じたトポロジカル物質探索を行いました。ビスマスの原子2層薄膜は、水銀テルル量子井戸系と並んで、トポロジカル絶縁体の初めての物質提案です。さらに本研究ではワイル半金属と呼ばれるトポロジカル半金属の概念を提案し、絶縁体に限ると思われていたトポロジカル物質の概念を金属へと拡張しました。トポロジカル絶縁体の提案以前は、トポロジカルな系の代表格は1980年代より盛んに研究された量子ホール系で、これは強磁場中の2次元電子気体に現れ、そこには物質の個性はあまり反映していません。一方で本研究により、多種多様な物質の中から、トポロジカル絶縁体や半金属などのトポロジカル物質を探索・発見する研究が大きく広がり、国内外での理論・実験両面でのトポロジカル材料科学研究のめざましい発展につながりました。
本研究は多くの共同研究者の方々との共同研究によりなされたものです。他にも研究に際し多くの方々にお世話になっています。この場を借りて深く感謝申し上げます。

(左)ビスマス薄膜でのトポロジカル絶縁相の理論予言。(右)ワイル半金属の理論提案

(左)ビスマス薄膜でのトポロジカル絶縁相の理論予言。(右)ワイル半金属の理論提案

理学院

理学院 ―真理を探究し知を想像する―
2016年4月に発足した理学院について紹介します。

理学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

科学技術賞(科学技術振興部門)

鍵直樹 環境・社会理工学院 建築学系 教授

受賞業績:富岳シミュレーションによる飛沫感染理解と拡大防止への貢献

鍵教授
鍵教授

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症において、当初は一般社会での感染防止に対する科学的理解や行政機関における感染拡大防止策の策定に必要な科学的データが欠如していました。特に飛沫及び飛沫核の吸引に伴う感染に対しては、建築室内における現象の解明と効果的かつ簡便な感染リスク低減対策の有効性の検証が著しく欠如していました。
そこで本研究グループでは、機械工学、建築学の専門家により、スーパーコンピュータ「富岳」を用いて、室内環境でのウイルス飛沫の挙動、感染リスク評価方法を構築し、更に実環境における実験的な検討も加えることにより、実現可能な低減対策の提案を行っております。シミュレーション結果により直感的かつわかりやすく可視化することで、一般社会に対して飛沫感染への理解と、マスクや換気といった感染リスク低減策の重要性を示すことに貢献しております。
本研究グループは、感染症の拡大の防止に向けて、新型コロナウイルス感染症が拡大する最中、急遽、異分野の研究者と技術者が集まり、時々刻々集まってくる医学的知見をベースに、工学的な観点からアプローチしたものであります。また、いかに素早く正確な情報を発信するか、直感的で分かりやすい表現であるものの誤解を生じることがないか、実現可能な対策を提案ができているかなど、週1回のオンラインミーティングにより濃密に議論してきました。研究者として、研究結果の公表だけではなく、一般社会へと最新の知見を浸透させていくかを考え続けており、まだ達成はできておりません。今後は、ポストコロナ、ネクストコロナに向けて、一般的な対処方法だけではなく、新たな建築環境の提案に取り組んで参りたいと思っております。最後に本成果は、多くの共同研究者によって成し得たものであり、この場を借りて関係諸氏・関係機関に深く感謝いたします。

富岳を用いた飛沫拡散モデルシミュレーションと我が国の感染者数の推移

富岳を用いた飛沫拡散モデルシミュレーションと我が国の感染者数の推移

環境・社会理工学院

環境・社会理工学院 ―地域から国土に至る環境を構築―
2016年4月に発足した環境・社会理工学院について紹介します。

環境・社会理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

科学技術賞(理解増進部門)

北原和夫 名誉教授(国際基督教大学名誉教授)

受賞業績:科学技術リテラシーと教育の場における学びの意義の普及啓発

北原名誉教授
北原名誉教授

今回の受賞は、私が日本学術会議の二つのプロジェクトに関わって来たことが評価されたものと理解しています。一つは、2005年から3年間かけて、約150名の研究者、教育関係者、メディア、行政者とともに調査研究を行なって「21世紀の科学技術リテラシー像」(2008年)を取りまとめたことです。もう一つは、2008年以降「大学教育の分野別質保証の在り方」の検討に関わり、質保証のために各分野の学びの意義を言語化する「参照基準」の策定を進めたことです(現在までに33分野)。「科学技術リテラシー」は全ての人々が科学技術について語り合えるための基盤となります。「参照基準」は各学問分野の学びの意味を確認するとともに学術全体の中の個々の分野の位置付けを与えるものです。こうして、分野を超えた語り合いと相互理解・協働が生まれることによって、世界の多様で複雑な課題が解決される道が拓かれていくことを願ってきました。 東工大在職時(1984〜1998年)、学内の風通しの良さを肌で感じたこと、特に学内兼担による教育交流、学内の学際的研究プロジェクト、大田区の産業界との交流などの経験が、上記の日本学術会議での活動に繋がったように思います。詳細な文献は「科学技術の智ラボラトリ」にあります。

若手科学者賞

小野峻佑 情報理工学院 情報工学系准教授

受賞業績:数理最適化に基づく計測データ解析技術に関する研究

小野准教授
小野准教授

「計測は科学の母」と呼ばれるように、計測技術の進歩は様々な科学的発見に直結します。一方、計測技術単体で対象の完全な情報を取得できることはまれであり、生の計測データは原理的に避けられないノイズや外乱を多分に含みます。
この根本的課題に対して情報科学的観点からアプローチすることで、「ノイズ・欠損を伴う不完全な計測データから所望の情報を解析する基盤技術」を確立しました。特に、制約付き最適化(=指定された条件を確実に満たすように解析するための方法論)を積極的に取り入れることを提唱しています。これは、計測方式に付随する物理的条件や計測対象に関する事前知識を"確実に"担保することが、解析結果を科学的/産業的に利活用する上で肝要であるという認識があったためです。また、計測を専門とする研究者と連携することで、リモートセンシング、材料イメージング、タンパク質解析等の実問題への応用展開にも成功しています。
本成果はご指導くださった先生方、共同研究者の皆様、研究室の学生諸氏のお力添えの賜物です。深く感謝申し上げるとともに、今後も「情報×計測」の融合研究の発展に微力ながら貢献していく所存です。

リモートセンシングデータ合成。左図が計測スペクトル、中央図が空間計測データ、右図が合成結果。解像度の著しい向上とノイズの大幅な低減が確認できる。
リモートセンシングデータ合成。左図が計測スペクトル、中央図が空間計測データ、右図が合成結果。解像度の著しい向上とノイズの大幅な低減が確認できる。

材料イメージングにおける間引き計測からの再構成像(左:従来法、右:提案法)。従来法で同様の像を得るためには12倍の計測時間がかかる。
材料イメージングにおける間引き計測からの再構成像(左:従来法、右:提案法)。従来法で同様の像を得るためには12倍の計測時間がかかる。

情報理工学院

情報理工学院 ―情報化社会の未来を創造する―
2016年4月に発足した情報理工学院について紹介します。

情報理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

キム・ジョンファン(Kim Junghwan) 元素戦略研究センター 助教

受賞業績:新規ハロゲン化物による電子および光機能開拓の研究

キム助教
キム助教

金属ハロゲン化物は溶液法が用いられるため、低温かつ安価な薄膜プロセスを可能にします。特に近年注目されているウェアラブルやフレキシブルエレクトロニクスなどへの応用が大きく期待されます。一方、従来多く研究されているペロブスカイト型ハロゲン化物は毒性元素の鉛を含むといった問題があり、エコマテリアル化が必須と考えられております。しかしながら、ペロブスカイト型ハロゲン化物ではどうしても鉛元素以外では良好な特性が得られてないといった問題が今現在も続いております。このような背景から本研究では、ペロブスカイト型に囚われない網羅的な材料探索を行いました。その結果、エキシトンを強く束縛できる0次元的電子構造を有するCs3Cu2I5やCs5Cu3Cl6I2を新たに見出すことに成功しました。どちらも青色発光体で90%以上の効率を示すことから今現在、世界的に大きな注目を集めております。さらに非晶質p型半導体のCu-Sn-Iの創製、ペロブスカイトLEDの低電圧や超高輝度化などにも成功しており、今後も金属ハロゲン化物基盤の電子材料創製およびデバイス応用に力を入れて取り組みたいと思います。
受賞対象となった研究成果は、これまでご指導下さった先生、共同研究者、学生の皆様の協力のもと成し得たものであり、この場を借りて心より感謝申し上げます。

金属ハロゲン化物ベースの新規材料創製およびデバイス応用の例

金属ハロゲン化物ベースの新規材料創製およびデバイス応用の例

田中裕也 科学技術創成研究院 助教

受賞業績:金属錯体分子素子の創製と電子状態の解明に関する研究

田中助教
田中助教

分子エレクトロニクスは分子を電極に架橋することで電子素子を作り、これを基に電子回路を構築する分野であり、集積回路の構成素子を一分子サイズ(ナノメートルサイズ=10–9 m)へ極小化できることから、電子回路の小型化・省エネルギー化・省コスト化が期待されています。一方で、架橋する有機分子ワイヤー(分子導線)と電極との間に働く大きな抵抗が問題となっていました。私はこの問題の根幹が金属電極と有機分子の相互作用が弱いことに起因すると考え、電子状態制御が容易な有機金属錯体に着目しました。有機分子ワイヤーに金属錯体の共有結合を介して「ドーピング(導入)」した金属錯体分子ワイヤーは、既存の有機分子ワイヤーを凌ぐ高い単分子電気伝導度を示すことを示しました。また金属錯体を複数「ドーピング」することで、長さが伸張しても抵抗値変化の少ない分子ワイヤーの開発にも成功しました。
受賞対象となった研究を遂行するにあたり、ご指導いただいた穐田宗隆名誉教授を始めとする共同研究者の先生方、共に研究を推進した学生の皆様に心より感謝申し上げます。

分子素子の構造と金属錯体分子ワイヤーの概要

分子素子の構造と金属錯体分子ワイヤーの概要

原祐子 工学院 情報通信系 准教授

受賞業績:低消費電力かつ高信頼な組み込みシステム設計に関する研究

原准教授
原准教授

組み込みシステムの低消費電力化と高信頼化(耐故障性や情報を保護できる性質)は、今後の情報通信社会においてますます重要な課題となります。特にアプリケーションやサービスが多様化する中、それぞれのアプリケーションに特化した組み込みシステム(ハードウェアおよびソフトウェア)を体系的に設計可能な技術を確立することは、学術的にも産業的にも大きな意義を持ちます。今回の賞では、組み込みシステムの設計技術評価基盤の開発・オープンソース化、低消費電力・高信頼化設計技術の開発、ならびに、それらの技術を活用したプロトタイプ試作による有効性の実証という、組み込みシステム設計に関わる一連の研究成果による貢献を高く評価していただきました。
この度、このような栄誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に感じております。この場をお借りして、研究室の学生、共同研究者、学内外関係者の方々のご支援に厚く御礼申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も研究・教育活動に励んで参ります。

リアルタイムにヘルスケア等の異常検出可能な小型・低消費電力な組み込みシステム

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工学院

工学院 ―新たな産業と文明を拓く学問―
2016年4月に発足した工学院について紹介します。

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6月1日 15:00 本文内の誤記を修正しました。

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