東工大ニュース
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東京工業大学 学生支援センター未来人材育成部門は、「アーティストとアートを体験するセミナー2022秋」を11月16日に大岡山キャンパスにて対面で開催しました。このセミナーは、理工系の学生が芸術からインスピレーションを得て自分の創造的な表現を見つけることを目的として、毎年春と秋の年2回実施しています。今回のセミナーは留学生を中心に26名が参加しました。
ドイツ、ブッパタール出身の画家で詩人。ベルリン国立芸術大学修了。2008~16年、東京工業大学世界文明センター非常勤講師、2012年以来、台南国立芸術大学で客員助教授、2016年上海・同済大学客員教授。ベルリンや東京で創作を行い、独創的なアートワークショップ、アートスクールを主催。
真に迫るデッサンとはどのように描かれるのか、ドイツのデューラーやレオナルド・ダ・ヴィンチなどの著名な芸術家たちの足跡から、線を引くこと(デッサン、drawing)について学びました。技術だけではなく、真実を引き出すことと熱意を持って線を引くことがいかに重要かを学びました。
このセミナーでおなじみの「一筆書き」がウォームアップとして行われました。描く対象は「布」で、クシャクシャとした形状をいかに表現するかという点で、参加者たちはそれぞれ工夫し、個性的に描き上げました。
次に利き手でない手で同じように布を描きました。それによってまったく異なった絵が描かれました。
参加者たちは、自分の手を対象とし、鉛筆やグラファイト(石墨)を使って、まずは利き手で利き手ではない方の手を、次に利き手ではない方の手で利き手を描きました。同じ「手」を描きながら、まったく異なる仕上がりになるケースもみられ、学生たちは普段と異なる手の使い方をすることに刺激を受けていました。
実習の後には、出来上がった各自の作品を机に並べ、即席の展覧会の形で、マイヤー先生がそれぞれの作品に丁寧にコメントし、さらに学生に他者の作品についてのポジティブな意見を求め、学生の想像力や個性の表出について励ましました。マイヤー先生は、参加した学生たちそれぞれの「表現力」や「創造力(creative power)」に感心したと、関係者に話しました。