第27回工学院特別セミナー「Myopically verifiable probabilistic certificate for long-term safety and its autonomous driving application」

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公開日:2022.06.16

本講演では、まず、確率系における安全制御問題に対するバリア関数に基づくアプローチに注目した我々の最近の研究成果を紹介します。確率的な不確実性が存在する場合、無限小の時間間隔で安全確率を確保する近視眼的な制御では、時間と共に安全でない確率が蓄積し、長期的な安全確率が小さくなってしまう可能性があります。一方、見通し時間間隔を長くすると、計算負荷や反応の遅れが大きくなり、安全性も損なわれる可能性があります。この課題に取り組むため、状態空間上の安全領域に対して、「確率空間」上の前方不変という新たな概念を定義します。この概念により、長期安全確率を前方不変条件として考慮することができ、効率的に評価することができます。この安全条件を基に、近視眼的に動作しながら、長期安全確率や高速回復確率を保証できるコントローラを提案します。提案するコントローラは、安全確率が時間とともに減少しないことを保証し、設計者が直接安全確率を指定することを可能にします。また、この枠組みは、確率系における有限時間リアプノフ解析に役立つ、前進収束動作の速度と確率の特徴付けにも応用できます。

上記の枠組みを基に、環境の変化に適応し、大きな不確実性を許容し、自律走行における予測を利用できる適応的安全制御法を提示します。長期安全確率を用いることで、環境と計画された車両操作の将来予測を捉え、安全でない引き込み領域を回避するための十分な見通し時間を提供します。その結果、制御行動は不確実性に基づく行動を系統的に調整し、不確実性が大きい場合でもより安全な行動を見出すことができます。この特徴により、パラメータの正確な推定値が構築される前でも、変化やリスクに対して迅速に対応することができる。安全な確率は継続的に学習され、改良されることが可能です。より正確な確率を用いることで、決定論的ワーストケース手法の一般的な欠点である過剰な保守性を回避することができます。また、提案手法は、オンボードハードウェアを用いてリアルタイムで効率的に計算することができ、予測モデル制御装置などの既存のプロセスにモジュール的に統合することが可能です。

概要

開催日時

2022年6月23日(木)13:00 - 14:00

開催場所

講演者

Yorie Nakahira,Carnegie Mellon University, Assistant Professor

言語

英語

申込方法

事前の申込は不要です

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お問い合わせ先

工学院 システム制御系 畑中健志

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