【セミナー参加者募集】謎解きラスター彩:詩に隠された数字をめぐる冒険-コードネームは「甘美ナ声の挽歌詠ミ」-

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公開日:2019.06.28

 修学支援部門イブニングセミナーでは、若手イスラーム美術史研究者の神田惟先生をお招きし「謎解きラスター彩 詩に隠された数字をめぐる冒険 -コードネームは「甘美ナ声ノ挽歌詠ミ」-」というタイトルでご講演いただきます。ドイツの博物館にあるラスター彩陶製墓の産地と作られた年代の同定をめぐる、興味深い謎解きが繰り広げられます。

 ラスター彩陶とは、胎土の上に柚薬を施し一度焼成したのち、銀や銅などの酸化金属を含む顔料で絵付けし、さらに還元焼成した上で、表面を磨いて煤を取り除くことによって、輝き(英語で「ラスター(luster)」)を得たタイプの陶です。また、必要な胎土や顔料の調合は、あまりに複雑で技術的に難しかったらしく、実際、出土地には多くの未完成品、失敗作が残されており、陶工たちがいかに苦心したかが分かります。しかし、ラスター彩陶はその不思議な輝きからイスラーム世界で絶大な人気を博し、多くの国で焼かれるようになりました。  

 ラスター彩技法がエジプトからイランに伝わったのは12世紀末のことです。13世紀になると、この技法は、宗教施設などの大規模な建築物を彩るタイルを装飾する技法として広く用いられるようになりました。やがて14世紀半ばになると、ラスター彩タイルの用途は多様化し、個人の死を記録する墓碑にも適用されるようになりましたが、その品質・生産量には次第に陰りが見えてきました。その後15、16世紀の低迷期を経て、17世紀後半に再び、ラスター彩技法は容器に好んで適用されるようになり、再興を遂げました。  神田先生はイスラーム美術史、とりわけ、中世から近世にかけてのイラン及びアラブ圏の工芸史を専門とされています。今回の講演では「ラスター彩陶」を扱います。ラスター彩陶は15世紀以降、イランのどこで作られていたでしょうか。この問いは、とある16世紀半ばに作られたラスター彩陶製の墓の碑文中のペルシア語詩の解読によって決着を見ました。思いもよらぬ暗号が、碑文中のペルシア語詩に隠されていたのです。

日時
2019年7月16日(火)18:00 - 19:00
場所
参加費
無料
申込み
お申し込みは件名に、「イブニングセミナー申込」本文に氏名、所属、学年(学生の場合)を記入の上、concierge.info@jim.titech.ac.jp outerにメールで申込ください。(先着30名)

お問い合わせ先

学生支援センター修学支援部門

E-mail : concierge.info@jim.titech.ac.jp

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