東工大について

2021年 東工大の力が未来を描き出す

2021年 東工大の力が未来を描き出す2021年 東工大の力が未来を描き出す

2021年新春のお慶びを申し上げます。

昨春始まった新型コロナウイルスの感染拡大は我々の社会生活に多大なる影響を与えました。本年は従前の生活とは異なるニューノーマルと呼ばれる新たな社会生活を確立していく1年となるでしょう。本学としても、大学の教育・研究活動を安全にそして円滑に行うための対策のみならず、社会のより良い変革に貢献してゆく所存です。

2020年、コロナ禍の中の東工大

東京工業大学学長 益 一哉

新型コロナウイルス感染拡大の危機的状況を乗り切るために、学生・教職員・関係の皆様の生命の守りと安全の確保を最優先とした対応を行いました。

特に新入生は大学生活のスタートという重要な時期に、大学構内に入れず、自由に外出もできないことに伴う苦労やストレスを感じたかと思います。本学では「新入生Welcome相談窓口」を開設し、学生に寄り添ったサポートの提供を心掛けました。学生の経済的負担への対応として、学生が修学を諦めることが無いように同窓会の蔵前工業会outerの協力も仰ぎながら本学独自の新型コロナウイルス感染症対策「Team 東工大・学生支援プログラム」を創設しました。これにより東工大独自の貸与型奨学金を5月に新設し、また授業料納付期限の延長を行いました。

授業は遠隔講義を取り入れ、ライブでのオンライン講義に加えてストリーミングでの動画による復習も可能とするなど、講義の革新に取り組みました。

また、研究室での感染リスクを低減しつつも研究効率を向上させるように「時間」及び「空間」の使い方を見直す研究スタイルの革新も追求しています。

学生達そして教職員の一人一人は、多くの方々のご支援をいただきながら、制限のある中、不安を抱えながらも自ら考え、時には己を律し、修学と教育・研究活動を持続し、大学のアクティビティを維持してまいりました。

当初貸与型奨学金としたのは、審査の手続きを踏むことなく早急に支援することが目的であった。その後多くの学生については、審査を経て給付型奨学金へ変更した。

「ポストコロナ」への始動

ポストコロナの中で、移動時間や場所の制約が遠隔授業やテレワークの活用により解消するなど、大学を取り巻く環境が大きく変化しています。

本学は創立以来、新しい発明や発見など社会に役立つ多くの科学技術や情報を発信してまいりました。指定国立大学法人として認められた本学の「科学・技術の新たな可能性を掘り起こし、社会との対話の中で新時代を切り拓く」という役割はますます重要になります。

産業界と共に社会を元気にさせるために「社会再起動技術推進事業outer」を立ち上げ、第1弾として、保有する特許131件を一定期間無償で開放するプロジェクトを開始しました。このような本学発の産学関連活動の推進が社会の再活性化に繋がり、ひいては資源獲得も含めて本学を中心とした研究活動の発展につながるというプラスのループがもたらされることを期待しています。

本学では3つの卓越大学院プログラムを推進するため「物質・情報卓越教育院outer」「超スマート社会卓越教育院outer」「エネルギー・情報卓越教育院outer」を設立し、多くの企業、他大学の協力を得て、博士人材育成に努めております。また、オープンイノベーション(OI)機構outerや研究・産学連携本部による組織対組織の大型研究も順次増えています。大学と産業界との協業は科学技術で世界をリードしようとする我が国における重要な取り組みであり、今後も強力に推進してまいります。

2018年に設立した未来社会デザイン機構(DLab)outerでは、30年から50年、さらには100年後を思い浮かべながら、人々が望む未来とは何かを社会と一緒になって考えてきました。学生、教職員、企業関係者が共に未来社会の「ありたい」姿を自由闊達に描き、東工大未来年表を2020年1月に発表しました。仕事のオンライン化など10年先20年先と想像したいくつかの未来が、現在図らずも現実になりつつあります。自由な発想で未来を考えるという土壌が、今の状況を受けて進められている研究に対しても貢献していくと考えています。

2021年 教育・研究活動とコロナ対策の両立

東京工業大学学長 益 一哉

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抜本的な対策が不透明である中、本学は当初の方針を継続し何よりも関係者の健康と安全を第一に考え、研究教育活動の推進を図って行きます。高度な知識・技術を持ち、加えて多様性を理解し尊重できる人材は、社会に新たな「もの」「こと」を生み出すために必要不可欠です。多様性への理解は1人で成しえるものではありません。やはり様々なバックグランドを持つ人々が異なる観点の意見を交わすことで、互いへの尊重が生まれます。そのための場・環境を、オンラインとリアルを含め大学がいかに用意することができるかが問われています。

2020年に遠隔方式を取り入れたことで、講義方法、研究活動の在り方を見つめなおす機会を得ました。学生・教職員がそれぞれ互いの健康を考慮しつつ、より効果的な講義スタイル、研究室の環境再構築を継続して追求し、新たな創造へ繋げて参ります。あらゆる場面でのオンライン化によって、遠隔による共同実験の推進など、これまで想像できなかった新しい形の産学連携、共同研究の形態を期待させます。

2020年はオンライン講義導入の成功の一方で、大学のキャンパス、実際の研究室での経験が必要不可欠であることを再認識しました。東工大はポストコロナの未来に対応しつつ、人々がつながる「場」としての大学の機能を一層充実いたします。

学生のための国際交流拠点として2020年に竣工したHisao & Hiroko Taki Plazaouter(ヒサオ・アンド・ヒロコ・タキ・プラザ、以下Taki Plaza)は、2021年4月より本格運用が始まります。卒業生である株式会社ぐるなび 代表取締役会長・創業者の滝久雄氏より、「外国人学生と日本人学生がここで出会い、絆を深め、共に未だ見ぬ未来を生み出す」場の構築を目的として寄付をいただき、実現しました。大岡山キャンパス正門前に建てられ、学生同士が出会う場として最適の立地です。学生が企画する交流イベントや学生同士のインフォメーション共有など、自由な活動を展開し、将来をリードする学生たちの繋がりが深まることを期待しています。

Taki PlazaTaki Plaza

Taki Plaza

本学の長期目標である「世界最高の理工系総合大学の実現」に向けた実行及び成果をあげる道筋として、2019年度に「東工大アクションプラン2018-2023」を提示しました。その一つの柱に、「経営基盤の強化と運営・経営の効率化」を掲げています。大学が本来の研究教育に十二分に注力するための「経営改革」です。突然の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、我々に急激な変化が起きても耐え得る力を与えたのではないでしょうか。経営改革の一つに徹底的なデジタルトランスフォーメーション(DX)推進があります。経営改革によって産み出される「余裕」こそが、未知なるものへの挑戦、社会との協業や共創による新たな未来を創る源泉です。

東京工業大学は、社会と共に未来を考え、未来をリードする人材の育成と学術・科学技術の発展に尽力して参ります。学生、教職員、さらに共に未来を築く全ての方々の健康と安全を最優先として、研究教育活動に取り組んで行きます。

多くの新たな課題が眼前に聳える状況です。想像できない難題も降りかかってくるかもしれません。未来を信じて、一緒に乗り切っていきましょう。

東京工業大学学長
益 一哉

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