東工大について

Team東工大として、未来を切り拓く新たな思い

Team東工大として、未来を切り拓く新たな思いTeam東工大として、未来を切り拓く新たな思い

2020年7月10日
学長 益 一哉

世界中における新型コロナウイルス感染症の拡大が人間社会に与える影響は想像をはるかに超えて大きなものとなっています。本学においても、コロナ禍によって起きた様々な問題をいかに克服していくかを検討し、対応をすすめてきました。

学生・教職員の健康と安全を第一に考えて、オンラインでの講義を取り入れながら、三密を避け、ソーシャルディスタンスに気を付けるなど「新しい生活様式」の実践を徹底しつつ、安心して教育研究活動が再開できるような対応を一つひとつ行っています。

教育への取り組み

大学の重要な使命である教育に関し、今回の新型コロナウイルスの影響における経験を活かした新たな教育スタイルを築き始めています。具体的には、遠隔講義を活用してこれまでに無い講義スタイルを創り出す「講義の革新」や感染リスクを低減しつつも研究効率を向上させる「東工大型研究スタイルの確立」などがあげられます。学生の皆さんの教育環境の充実に、より一層取り組んでまいります。

学生の皆さんの中にはコロナ禍の影響により、学資や生活費の支弁に困窮する方がいます。同窓会の蔵前工業会の協力を得て、本学独自の新型コロナウイルス感染症対策「Team東工大・学生支援プログラム」を創設しました。安心して学び続けることができるように、本学独自の奨学金の新設、全ての学生を対象とした授業料納付期限の延長、在学期間延長中の授業料免除等を実施いたします。コロナ禍により、本学学生の皆さんが修学をあきらめることが無いように、教職員、同窓生、保護者の皆様を中心とした「Team東工大」が全力でサポートしていきます。

このような状況下だからこそ、近い将来Team東工大のメンバーに加わることを目指している高校生・受験生の皆さんにもメッセージを届けたいと思っています。残念ながら延期または中止となっている来場型のオープンキャンパスや出張講義に代わり、遠隔配信を利用した説明会、相談会、講義などの「オンラインによるつながり」を充実していきます。距離の制約のあった首都圏以外の方にも参加しやすいというメリットもあると思います。是非気軽にご参加ください。

研究ならびに産学協働への取り組み

新型コロナウイルスが引き起こした危機に対して、科学・技術でどのように対応するのか。これは本学を含めたアカデミアが取り組むべき喫緊の課題であり、研究対象でもあります。本学では、科学技術創成研究院において異分野の研究者が融合し協働する研究プロジェクトを立ち上げています。第1号として、「脱コロナ禍研究プロジェクトouter」を設置し、検査・ワクチン開発、将来予測、医療デバイス、働き方改革、ウイルス除去・抗ウイルスに関連する18件の研究テーマが取り上げられています。

現在我々が経験しているコロナ禍の影響の様に、今後も予想出来ない社会課題が次々と起こることが想定されます。本学の叡智を集結してそれらに迅速に対応する社会課題即応研究を進めます。その中では、科学技術の深化による研究のみならず、人類の文化的視点、社会規範的視点、経済的視点を並行して研究する共創的文理融合研究の実践に積極的に取り組む予定です。複雑化した社会課題に対応する為には、異分野の研究者が同じ目標に向かって共同研究に取り組むことになり、新たな研究スタイルやテーマが導き出されるなどの相乗効果も期待できると考えています。

また、コロナ禍で深刻な影響を受けて停滞した社会が再び元気を取り戻す手助けとして、大学に求められるオープンイノベーションを活性化するために「社会再起動技術推進事業」を立ち上げました。第1弾として、本学が保有する特許131件を一定期間無償で開放するプロジェクトを開始しました。本学の研究者が発明した最先端の特許が社会再起動に貢献する技術となることを大いに期待しています。そういった技術をコアとする、あるいは契機とした共創的文理融合を意識した産学協働が起こること、そして研究活動を発展させていくことこそが、With/Postコロナ社会において本学に求められる役割になるものと強く自負しています。

未来社会への取り組み

本学の未来社会DESIGN機構(DLab)では研究者による研究者へのインタビュー動画「STAY HOME, STAY GEEKouter」をネット配信しています。本学に所属する若手からベテランまでの研究者がコロナ禍により大学への立ち入りが原則禁じられた状況下で何を考えているのか、新型コロナウイルスとの共存が必須となった社会において研究者として、どのように向き合って行こうとしているのか、そしてコロナ禍の課題の本質をどう考えるかを紹介する内容です。世間一般からGEEK(オタク)と思われている東工大研究者の発想や前向きな姿をみて、元気を出していただければと思います。インタビューを見て気付くのは、研究者はたとえ制約が多く不自由な状況下にあったとしても、その中にマイナスだけではない側面を見出し、感じ取り、それらを今後の研究に活かそうとする柔軟な姿勢を持ち合わせている点です。

また、DLabでは新型コロナウイルス感染症問題以前から、未来社会の「ありたい」姿を模索し、東工大未来年表を発表しています。そのいくつかのシナリオouterとして、「場所の束縛から解放される(2030年)」、「ほとんどの仕事はオンライン化され、旅をしながら働くことができるようになる(2040年)」、「おうち完結生活(2040年)」が挙げられています。今回のコロナ禍の影響により、テレワークや遠隔講義など我々の予想をはるかに超えるスピードでそれらシナリオが実現されつつあり、DLabで模索した「ありたい」姿が必ずや現実になると確信を深めています。

テレワークや遠隔講義の活用は、従来の最大の拘束条件であった移動時間と場所の問題を一気に解消します。距離が離れた世界中の企業との産学連携プロジェクトの積極的な取り組みとスピード感のある新産業の創出、大学間の枠を飛び越えた遠隔講義を中心とする教育システムの構築ならびにそれによる社会人教育のより一層の活性化なども見えてきました。社会、産業界と共に「ありたい」姿から未来社会の創造を目指す更なる活動を進めてまいります。

未来社会DESIGN機構

社会とともに「ちがう未来」を描く
科学・技術の発展などから予測可能な未来とはちがう「人々が望む未来社会とは何か」を、社会と一緒になって考えデザインする組織です。

未来社会DESIGN機構(DLab)outer

現状を克服し、挑み続ける心と共に

本学はこれまでも幾多の発明や研究成果を創出するとともに、多くの卒業生の活躍を通じて社会に貢献してきました。With/Postコロナにおいても、新しい時代における最先端の科学・技術を学修した卒業生を社会に送り出すとともに、安全を確保しながらも学生・教職員の双方向かつ創造的なコミュニケーションを通じて、新たなイノベーションの創出を促進します。現状のコロナ禍を乗り越えることを最優先するとともに、未来を創っていくためのチャレンジに積極的に取り組んで行きます。

私たちを含む社会を新しい未来へと導く挑戦を続けるTeam東工大へのご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。

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2020年7月掲載