東工大について

2024年 「決断と実行」で変化をリードする東工大

1月1日に発生した令和6年能登半島地震により尊い命を失われた方々とそのご家族の皆さまに哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての方々に心よりお見舞い申しあげます。

2024年「決断と実行」で変化をリードする東工大2024年「決断と実行」で変化をリードする東工大

2024年、新年のお慶びを申し上げます。東京工業大学の学長として6度目の新年を迎えました。
私が学長に就任した2018年に、未来の東工大についての共通の価値観を東工大コミットメント2018として発信しました。それは「多様性と寛容」「協調と挑戦」「決断と実行」の3つです。近年東工大が取り組んできたさまざまな施策の根底には、常にこのコミットメントがあります。

新大学「東京科学大学」への道のり

2023年12月の国会承認を経て、東京工業大学は2024年10月に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学の発足が正式に決まりました。両大学の伝統と先進性を生かしながら、これまでどの大学もなしえなかった新しい大学づくりはいよいよ本番を迎えました。すでに、研究者同士の交流のためのフォーラムやセミナーの機会が格段に増え、大学の境界を超えた共同研究が多数始まっています。学生サークルの交流もみられるようになりました。学生、教職員、卒業生、地域の方などが参加し、みんなで考えるブランディングプロジェクト「東京科学大学Brand Action!」も進んでいます。ワークショップ、新大学のイメージ投票イベントを通じて、新大学の姿が見えつつあります。多くの方と共に創る、東京科学大学への道のりは、イノベーションそのものでもあります。

東京科学大学のイメージをシールで投票する学園祭来場者たち

東京科学大学のイメージをシールで投票する学園祭来場者たち

多様な人々が集まり切磋琢磨するために

異なる環境、背景、価値観を持つメンバーと一緒に新大学を創っていく中で、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の重要性を改めて認識しています。東工大自体の構成員の多様性を促進する施策の一つとして、女性限定の教員公募学士課程入試の総合選抜および学校推薦型選抜における「女子枠」の導入などに継続して取り組んできています。また、アンコンシャスバイアス研修の実施など教職員の意識改革の推進、多様性の評価指標開発などのマネジメント改革も積極的に行っています。
大学に集う多様な人々が研究や教育に専念し、その能力を発揮できる環境の整備を加速させました。大隅良典記念奨学金に新たに「女子学生枠」を設け、2024年度から給付を開始します。女性専用休養室・パウダールームの増設・新設、多目的トイレなどバリアフリー設備の拡充、外国人活躍支援活動の充実、ハラルやベジタリアン推奨メニューも提供する新食堂つばめテラスのオープンなど、着実に進めています。こうした取り組みは2024年もさらに拡充させ、世界中から多様な人材を集める大学を目指します。

新食堂つばめテラスで学生と交流

新食堂つばめテラスで学生と交流

人類の直面するさまざまな課題の解決に向けて

DE&Iは、新たなイノベーションを生み出す基盤です。地球環境の悪化、新興・再興感染症、少子・高齢化など人類の直面するさまざまな課題の解決に向けて、大学はその知を結集し、より大きな役割を果たすことが社会から期待されています。
東京科学大は新たな科学技術分野を生み出すコンバージェンス・サイエンスを掲げ、これらの課題に取り組んでいきます。人類はこれまで新たな科学技術が生まれるたびに、それを生かして、生活や社会のために役立ててきました。例えば、理工学と医学のコラボレーションは世界の潮流ですが、東京科学大は誰もが考える「医工連携」を超えて、これまでにはない新しい学問領域を生み出すことで総合的に社会課題を解決し、日本だけでなく世界の流れを先導していく大学になっていくことが肝要です。

コミットメントの結実—ともに新大学へ

先に紹介した3つのコミットメント「多様性と寛容」「協調と挑戦」「決断と実行」は、私が東工大の学長として取り組む中で自分自身、そして皆さんに言い続けてきたことです。東京科学大学の誕生とともに私は学長としての任期を終えますが、最後に「決断と実行」が東京科学大学に結実したことは嬉しい限りです。
大学は科学技術の進歩に合わせて変わり続けるだけでなく、自ら変化を創り出し、リードする立場であるべきです。大学そのもののあり方を常に見直し、ChatGPTに代表される生成AIも生かして、教育・研究の方法のみならず、未来の大学のありようについて真剣に考え続け、新しい年・新しい大学へと踏み出していきたいと考えています。
2024年10月の東京科学大学のスタートに向け、今こそ皆さんの力を結集しましょう。

東京工業大学学長
益 一哉

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東京工業大学 総務部 広報課

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