国際交流

衛星通信による国際遠隔教育

東京工業大学では1993年から7つの分野で国際大学院コースをスタートさせ、入学試験に日本語を課さず、留学生が入り易いように10月入学とし、講義も英語によるものを用意しています。
一方、教育工学開発センターでは、1996年に衛星通信遠隔教育 (Academic Network for Distance Education by Satellite)システムを設置し、各種のプログラムを配信してきました。

2002年度より、ANDESを用いて国際大学院コース科目のタイ王国への配信を開始しました。受講しているのは、前年に交流協定を結んだタイ王国国家科学技術開発庁(National Science and Technology Development Agency:NSTDA)を介して、アジア工科大学(AIT)とキングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)です。衛星チューナからのビデオ信号は液晶プロジェクタで投影し、事前にwebからダウンロードした講義資料をもう1台の液晶プロジェクタで投影することで東京工業大学の講義を同時に受講できます。

講義中の質疑

別にインターネットTV会議システムを用い、講義中の質疑を可能にしています。アジア諸国のインターネット環境は未だそれほど進んでいないため、毎週定期的に行う講義をインターネット配信に頼ることはあまり現実的ではありませんが、質疑はインターネットで可能です。ネットワーク状況が悪く映像や音声がつながらない場合でも、chatにより質疑を受けることは可能です。ネットワーク状況が最悪の場合でも、電子メールによる質問は可能で、翌週の講義時に答えることがでます。

配信講義はタイ側からの要望と講義担当教員の同意により決定しており、2002年度および2003年度には、下記を配信した。

2002年度

前期:VLSI設計論、信号処理特論
後期:VLSIシステム設計、波動論II

2003年度

前期:無線通信工学
後期:信号処理特論( e-Learningによる)、データ工学特論 (インターネットTV会議システムによる)

2004年度

前期:無線通信工学、VLSI設計論
後期:Rural Telecommunications

すべて既に英語で開講していた科目であり、講義担当教員になるべく新たな負担を強いないよう配慮しています。東京工業大学と海外の大学とでは、学期の時期、単位の構成などに違いがあるため、タイ側に担当講師とTAを割り当てて演習をして補うなど柔軟に対応してもらっています。担当教員は学期中に1回は現地での対面の集中講義を行って、学生と直接知り合うとともに、学期のずれを吸収するようにしています。学生の学習意欲を高めるためにも直接顔を合わせることが重要です。

日本とタイには2時間の時差があり、日本時間で9時からはじまる講義は早過ぎますが、その後の時間帯はタイ大学での時間割とはずれますが、受講が可能であり、タイ側には特別に柔軟に対応いただいています。

リアルタイムの講義映像は通信衛星で送ると同時にエンコードし、提示資料と組み合わせたe-Learning教材を作っています。90分の講義が終了後最短20分程度でSCORM規格に準拠した教材をサーバに登録できます。これを日タイの学生は復習に活用しています。

タイ側担当講師はこれまでの遠隔講義について、内容、形態ともに高く評価しています。毎学期行っている学生アンケートによれば、映像や音声等は満足のいくレベルであり、講義は難しいが興味深いものであるといいます。 AIT学生はこの遠隔講義科目について毎週平均122分の予習と101分の復習をしており、驚くほど熱心です。大部分の学生がキャンパス内で生活しているAITでは、TAとの連絡が密であり、予習、復習にもTAが大きく関与しています。

これまでの経験から学んだことは、

1.
遠隔の場合、質疑時間が十分に必要
2.
講義資料の事前配布は必須
3.
e-Learning教材が復習に大変有効
4.
現地TAの役割が重要
5.
学生間のコミュニケーションを活発に
6.
対面講義が学習意欲を高める

等です。今後の展開に活かしていきたいと思います。

遠隔講義中の様子

講義映像

お問い合わせ先

所在地:NSTDA (National Science and Technology Development Agency)

P-205 Thailand Science Park, 111 Phaholyothin Rd., Khlong 1, Khlong Luang, Pathumthani 12120, Thailand


担当:研究・産学連携に係るお問い合わせ/水越URA(University Research Administrator)

その他のお問合せ/研究推進部 国際推進課 国際推進第2グループ

E-mail: annex.bangkok@jim.titech.ac.jp


現地連絡先

E-mail:tokyotech@titech.in.th

Tel:+66-2-564-8016  FAX:+66-2-564-8019